学校の挑戦 学びの共同体を創る

著者 :
  • 小学館
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098373703

作品紹介・あらすじ

危機を越えて進展する改革「協同的な学び」による「学びの共同体」の創造…「協同的な学び」の風景を描出し「同僚性」を築く校内研修の在り方を示して、すべての子ども(生徒)に質の高い学びを保障し、すべての教師の専門家としての成長を支援する学校改革のヴィジョンと哲学を実践事例とともに提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 金透小学校
    「ともに学ぶ」をテーマにして、「発見」と「対立」と「こだわり」と「共感」が交流される「参加」と「集中」のある授業づくり

    小坂小学校

    1教室において教師は、子どもたちを一人残らず自らの身体空間において受け容れる「居方」で立って コミュニケーションを行うこと
    2「学び合い」の基盤は「聴き合う」関係を丁寧に築くこと
    3わからない子が「ねえ、ここどうするの?」と隣の子に尋ねる習慣を形成すること
    4教師の仕事は、「聴く」「つなぐ」「もどす」の三つであること
    5授業のデザインにおいては、ジャンプする学びを 中核に設定し、それとの関連でホップとステップの 活動を考えること
    63年以上の学年では、男女混合の4人を標準とす るグループによる協同学習を活用すること。
    7授業研究会においては、どこで学びが成立し、どこで学びがつまずいたのかを事実に即して細かく検討すること
    8授業研究会において、参加者は授業者に助言をするのではなく、その授業を参観して自らが学んだ ことを交流させること
    9授業研究会において、特定の問題のある子どもを中心に話し合わないこと、どの子も対等に扱われる授業研究会にすること

    ひとつは子ども一人一人の個性的な学びと多様な読みを尊重することであり、もう1つはテクストの言葉を大切にして学びの発展性を尊重することである。

  • 学びの共同体をどのようにして構築していくかについて、実際の学校のことが詳細に書かれている。
    学びの共同体の中で1人も取り残さずに学びを広げる、学び合う関係は困り手の質問からスタートするなど自分の教育観と一致する内容が多かった。

    その中でも、グループでの学びは一つのものに絞るのではなく、グループで聴き合った中で自分の考えをブラッシュアップしていくためにあるという考え方はとてもいいなと感じた。
    グループの中でも一人ひとりの考えが大切にされ、尊重されるからこそ安心して聴き合うことができるのだろうと思う。
    また、グループでの学びの意味は全体に気づき、学びを広げることというものもぜひ取り入れたいと思った。もちろん、気づきを広げる方法はこれだけでは無いがまずは一つの引き出しとして持っておきたい。
    何のためのグループ、ペアなのかという目的を持つのはとても大切だなと思った。

    その中で低学年にどう共同体のようなしっとりとした温かいクラスを創るかを考えていきたい。
    本に書かれていた通りまずは教師と子どもがつながりその中で子ども同士でつながっていく。

    共同体ができるかどうかは教師の言動がとてもキーになってくる。
    まずは自分自身が自然体で対等な目線に立ち聴き合うことを大切にしていしたい。
    そして、子どもを主語にして学びを語れる見取り力を磨いていきたい。

  • 素晴らしい実践と、あまり要領を得ない理論的説明。

  •  良い授業をする教師が、すべての児童の学びをもたらしているとは限らない。教えるのではなく、児童が一人残らず学ぶにはどのようにすればよいか。その答えが「学びの共同体」だ。
     少人数の協同学習によって、子どもたちが響き合い、成長していく。教師が出す難しい課題も一人では解決できなくとも、グループで協力し合うことで解決していく。分からない子どもは隣の人に質問するよう教師が促してやる。子ども同士が支え合い、学び合い、成長していくそんな姿が描かれる。
     教師の同僚性も求められている。教室を開放し、お互いの授業を見て、どのような場面で子どもの学びが起こっていたかを指摘し合う関係になれば、教師もお互い成長していくことになる。そのような事例研究の場を設けるためには、大幅な校務分掌の削減が必要になるが、それをうまくやっている学校が多く紹介されている。

    ぞくぞくした。
     システムを作ることで、異動で他の学校にもそれが広がっていく。力動的なシステムであるから、維持が難しくはあるが、それが多数存在することでシステム自体が完全に無くなることはまず考えられない。それが残っていれば、研修に、観察に行くことで広がることもある。
     すべての教師が反省的実践家になるのは難しいとかんがえていたが、このように学校という身近なシステムからの要請により変わっていくことで「静かな革命」トップダウンの改革ではなく、ボトムアップに授業が、教師が、学校が変わっていく。教育の未来の姿として、私はすごく望ましいものだと思う。

  • 協同学習、学びの共同体

  • 学校改革の事例報告、校内研修への提言。

  • 元気で明るくてニギヤカな教室がいいとは限らない。しっとりと、ささやき合う。全員が学び合える教室を、私もつくりたいと思う。

  • 分類=教育論・佐藤学。06年5月。個人的にはその後の浜之郷小学校の展開に関心があります。

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著者プロフィール

東京大学名誉教授,北京師範大学客員教授

「2024年 『新しい時代の教職入門〔第3版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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