愛する人達 (新潮文庫 (か-1-4))

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著者 : 川端康成
  • 新潮社 (1951年10月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001043

愛する人達 (新潮文庫 (か-1-4))の感想・レビュー・書評

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  • 女の夢
    川端康成はどうして
    こんなに女の人のことがわかるんだろう。
    不思議だ。
    悲劇のヒロインという言葉があるように
    悲劇に酔えるのは女の特権だと思う。
    私はなんてかわいそうなんだ、
    と悲しんでいると同時に女は
    そこに美しい夢をみているのだ。

    つまらない現実とひきかえにするように
    悲劇は輝きだす。
    自分を思って自殺した男のことを思うことで
    そこに美しい夢を見ようとする女と
    そういう女の心に気づかないで
    現実を見させることで救おうとし
    女の心を永遠に失った男の話である。

  • 母の初恋
    女の夢
    ほくろの手紙
    夜のさいころ
    燕の童女
    夫唱婦和
    子供一人
    ゆくひと
    年の暮

  • ほくろ以外だいたい読みました。ほくろは、無理だった。
    表題作の「母の初恋」が、よかった。女の子が川端さんが得意そうな感じ。ほんのり切なくきれいな話。
    「夜のさいころ」も好き。サイコロの一の目は結局どういういうことなのか気になる。。

  • 母の初恋
    昔の恋人の死後、その娘を引き取って嫁に送る男の話。
    なんだかドロドロした展開になるのかなーと思ったのですが、読後感は非常に爽やかな「愛」に満ちた物語です。

    夜のさいころ
    純真無垢な少女の魅力。優しく見守る青年。
    川端氏お得意の展開。あっという間に終わってしまうのですが、綺麗にまとまっています

  • やさしい眼差しを感じられる短編集。

  • 大した変哲もないように訥々と語られていながら、シンプルな言葉づかいが言いようのない味わい深さを秘めていて、これぞ川端文学という感じがします。私は、川端作品のかなしさとか官能性そのものよりも、それらが押し包まれ、もれ出すようなかたちで語られているということが好きです。

  • [※旧新潮文庫版による]

    完成度の高い珠玉のリアリズム短編集。

    「母の初恋」
    今は盛りを過ぎたシナリオ作家の佐山は、過去に民子と婚約していたが、寝取られてしまい破局していた。その民子と再会したがやがて彼女は死に、娘の雪子の面倒をみていた。雪子は結婚するが、失踪してしまう……雪子の最も親しい女学校友達は、彼女から「初恋は、結婚によっても、なにによっても、滅びない」ことを自分の母親から教わっていたと話していた。繊細な感情の糸。


    「女の夢」
    医者で欠点もない久原は36歳まで独身であったが、27まで独身であった美しい令嬢の治子と結婚する。治子は過去に、自分を慕って自殺してしまった従兄の思い出が傷になって独身を貫いてきたらしい。その傷が彼女を美しくみせてもいた。

    「黒子(ほくろ)の手紙」
    黒子を触る癖を夫に咎められたり(暴力的にまで)、過去にも母親に指摘されたりしていた。フェティッシュな手紙形式の短編。

    「夜のさいころ」
    サイコロをふる癖がある踊り子のみち子。夜ひとりで、楽屋でひとりで一心にサイコロをふっているのは病的でもあるかもしれない。「伊豆の踊子」的な慕情の繊細な表現。

    「燕の童女」
    新婚旅行の帰りの船で乗り合わせた幼い外国人の少女を通して、二人の背景を含め全体が表現される。こういうことは、普段のデートにもみられるような、周囲の出来事への何らかの仮託のようで、身に覚えがあるだろう。首筋の産毛など、フェティッシュな視点も。

    「夫唱婦和」
    こういう短編をみると、川端康成は人間を描ける作家だと端的にわかる。佐川とのやりとりのあとの桂子や延子の描写[p134]などは、少し大袈裟かもしれないが、さらっと書いている。教師の牧山が助手つかっていて、家に出入りしていた佐川が、家にいた桂子と遊んで?いたとみえたが、実は牧山の妻の延子に惹かれていたという構図は康成らしい。

    「子供一人」
    この短編にかぎらず、足の指の間をこすって、「黒い垢が出た」[p141]というような不快な描写が点在するのが生々しさを強めているか。子供を産むまでの女性の変化を極端に描く。

    「ゆくひと」
    浅間山の噴火の中で、佐紀雄が過去の何らかの想念にも揺らぎながら(泣いたりもする)、弘子が「よく知らない人のところ」へとついでいくことへの複雑な気持ちが表現される不思議さ。

    「年の暮」
    劇作家の泉太(既婚)が自分の作品の愛読者の千代子という女性を密かに慕う。自身の作品が殺人などを含む陰鬱なものなのに、可憐な美しい千代子が愛読しているということへの複雑なおもい、呵責?やがて、千代子は結婚してしまうが、夫は戦争で戦死し、泉太への便りも途絶えてしまった。

  • 異性への愛、家族愛の短編集。作者の描く女性像、そして文体が美しい。「夜のさいころ」「夫唱婦和」が良かった。12.12.23

  • 川端康成の「家族」と「愛」をテーマにした短編集。
    『燕の童女』が面白かった。

  • ひと昔前の、特に田舎では、結婚とは「恋」とかそういう生易しいものではないのだと思った。

    女の人の清楚さも、哀しさも強さも、いろんな女性像がある。
    綺麗な文体♪

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