世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)

著者 :
  • 新潮社
3.84
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本棚登録 : 12170
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001340

感想・レビュー・書評

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  • 正直、感想というほどの感想を抱けなかったので、とりあえず春樹にまつわる個人的な思い出を。

    好きな人が好きな本を自分も読んでみたくなる、と云う甘酸っぱく且つ微妙にキモい乙女系中2病を長いこと患っており、たまたま付き合った相手が世に謂う「ハルキスト」だったため、それじゃあっつって手を出したのが『風の歌を聴け』。
    薄い本だったのですぐに読み終わったものの、本当にただ「読んだ」だけ、字面を目で追っただけで、びっくりするほど引っかかる所がなかった。もう1周しようにも主人公が好きになれない。いや、むしろ嫌いでその気が起きない。
    だから私は正直に言ったね。

    「読んだ後、なんにも残らない小説だったわ」

    そしたら彼はこう言うのさ。

    「僕は学生の頃から春樹作品を愛好してきたけれど、その魅力を端的に表す言葉を見つけられずにいた。けれどあなたと話していてそれが何なのかやっとわかったよ。つまり、『何も残らない』ということ。だから僕は春樹の書く小説が好きなんだ」

    【こんな調子で下巻のレビューに続く】

  • 序盤はオシャレな電話帳を読んでいる気分だったが,慣れれば割とサクサク読める。
    後半に続く。

  • 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は二つの世界が交互に、そして絡み合って進行する形式の小説だ。「世界の終り」は影を切り離された<僕>が壁に囲まれた街で夢読みとして暮らす話。一度この街に入ったら二度と外には出られない。街の壁を越えられるのは鳥達だけ。あたり前のように存在する街の奇妙な決まり事。そして寒い冬が来る。以前『灰羽連盟』というアニメ(と同人誌)を見た私の脳内では、完全にこの「世界の終り」と「灰羽連盟」の世界がリンクしてしまっている。美しく、やさしく、静かなのに、何処となく厳しさと、寂しさと、そして不気味さを内包しているような世界観が印象的。
    一方「ハードボイルド・ワンダーランド」では計算士である<私>が老博士に出会い陰謀めいた事件に巻き込まれていく。世界が終わると告げられた<私>はタイムリミットが迫る中、自分の脳に仕掛けられた秘密を知る・・・。一見<私>の属する世界は、一昔、二昔前の我々の世界に酷似しているが、ところどころに見られる齟齬が気持ち悪い。

    数回「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」を行き来して、それぞれの世界観がつかめたら、あとは一気に読み進められる。交互に世界が変わって話が進む手法も、非常に効果的だと思う。ただ、良くも悪くもとても村上春樹っぽい。村上春樹の著書をあんまり読んでない私が言ってはいけないことかもしれないが、男女の会話文とかがひたすら村上春樹調。そこにつっかかるか、つっかからないかによって全体の印象が変わってくるかもしれない。

  • 独特の世界観。とにかく女性がガンガン攻めてくるのは村上さんの世界、とくに多いけど、このお話は特になんだか…… 物語が動くのは後半からなので序盤の私を抱かない?みたいな女に耐えられれば読めると思いますね。

  • (~2004大学時代の本@202012棚卸)

  • いつもより激しめ

  • 下巻へ続く

    世界観やストーリーが謎だけどどこか引き込まれます。

  • ハードボイルドワンダーランド
     ――計算士と記号士、組織、工場――不可解な出来事に巻き込まれていく私。――音抜き、やみくろ、シャフリング――天才が導く先にはいったい何が待ち受けているのだろうか。

    世界の終り
     影と別れた僕。完全な壁。金色の一角獣。幻想的で、穏やかで、けれどもどこか寂しくて、どこへも行けない世界の終わり。夢読みはいったい何を意味しているのだろうか。

    どちらの世界も、謎めいていて頭に心地の良い刺激が続いた。交わりそうにない二つの世界の行方は……。一角獣の頭骨とパスワード〈世界の終り〉ちりばめられた数々のピースはどう結びつくのか。続きに期待したい。

  • 春樹節全開の不思議冒険物語。

    博士は僕たちをいったいどこへ導こうとしているのか?
    「彼女に言わせれば博士はマニアックなんかじゃない。マニアックとはひとつの方向なり傾向に固執する人。博士はあらゆる方向に人よりも優れているだけ。」

    上巻は最高のクリフハンガーで終わる。下巻の続きが気になる。

  • 意味がよくわからないけど、最後まで読めば合点行くのかな?

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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