世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 (新潮文庫 む 5-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001357

感想・レビュー・書評

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  • 上巻に続けて再読。2回目でやっと面白さがわかった。この作品は面白い。

    どんな作品なのか、どう面白いのかを綺麗に説明できないので、印象的な描写、気に入った描写を箇条書き。
    ・暗闇の描写。東京の地下とあるが、自然な流れで気づいたら不思議な空間に入ってしまった感じ。
    ・P.52の主人公の語る服装の描写。こういう格好をしてみたいと思う。
    ・2つの物語が交互に語られ、これはリンクしている?というようなものにどんどん気付く。段々と2つの物語が繋がっていく感覚が楽しい。
    ・「百科事典棒」と「飛ぶ矢のパラドックス」。後者はゼノンのパラドックス。前者はネット検索してみたが、元ネタはこの作品か?
    ・そもそも、やみくろ、記号士、計算士は何の比喩なのか?
    ・最後の日、どんどん買い物していく描写が気持ち良い。食事の描写も。自分が最後の日がわかっていたら、何をするだろう?
    ・この作品の主人公のような生活をしてみたいなとも思う。

  • 正直に言えばハッキリと理解できなかった。
    なぜラストで世界の終りから脱出しなかったのか、自分の作りだした世界から現実世界へ戻るほうが納得がいったはず。また読み返したい小説。

  • 二つの世界のつながりは途中である程度予測が付きますが、
    ページをめくる手が止まらない傑作です。

  • ★4.5かな、おまけで。
    SFともファンタジーとも言える設定の中で大掛かりな事件が起きるのかと思いきや、思いっ切り「個」の物語。
    二つの世界における「彼」の選択・諦めは正しいのだろうか?そもそも良し悪しの問題だろうか?あくまで読者にその見解・判断を委ねた開放的結末。村上春樹らしい。また相変わらず妙な性的描写もあり、これまたらしいと言えばらしい。
    何れにせよまた再読したい。

  • まだ村上春樹の作品を一度も読んだことがなかった10年弱前に、とある方に進められて読んだのがはじまり。わたしのような夢と現実の区別が曖昧な生き方をしている人間にはぴったりだと。

    その後村上春樹の作品はいくつか読んだが、今回再読してみてやはりもう1度気に入った。
    ユニコーン、メロンのにおいのする香水、ソファーに対する講釈、ひとつひとつのチョイスが自分の好みにあっている。
    それから彼の比喩は、好むと好まざるにはっきり分かれると思うが、前者にはたまらなく想像力をかきたてられるものである。

    再読まで時間があいてしまったが、今度読むときはゆっくり時間のあるときに、一息に読んでみたい。

  • 再読。
    終わり方がすき。
    最後に少し、寂しさが残る感じが。
    ペーパークリップの件が印象に残ってる。

  • あまり村上春樹は読んでいないからこの作品読んで別作品も読んでみようと思った。少なくともこの作品は難しいかな

  • 海辺のカフカや1Q84と同様、二つの物語が交互に展開していくのだけれど、それらは短期間に一気に読めたのに比べ、こちらはなかなか読み終えるまでに時間がかかった。特に「世界の終り」の世界は、なかなかイメージができなかったせいもある。最後も、前述の2つの作品が2つの物語が完全に一体化したのに比べると、読者任せな終わり方になってしまって、やや消化不良っていう感じ。「ダニー・ボーイ」が2つの世界を結びつける鍵だったのか?主人公は大食いの女と太った女のどちらが好きだったんだろう?

  • 記号士やらやみくろやら二人組やら、数々の謎やら伏線やらがあったが、それらのほとんどは明らかにされるでもなく、あくまで<私>であり<僕>の物語だった。
    最初は組織やら世界ぐるみのの大きな話かと思わせつつ、気づかないままたった一人の話にシフトしていったように感じて、うまいなと。

    確かに本来我々の生きている世界もそのような感じなのではないだろうか。
    何か大きな流れのようなものがあっても、中心にいるのではなく、よく分からないまま巻き込まれるだけ。

    個人的には<私>の人生観が近いような気がして、凄く感情移入して読んでいた。

    限定された人生には、限定された祝福が与えられるのだ。

  • ちょっと私の脳みそじゃ想像が及ばない部分もあるけど、おもしろかった。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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