村上春樹、河合隼雄に会いにいく (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001456

感想・レビュー・書評

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  • 1995年11月の対談とのことだが、現代の話として聴いても少しも違和感はない。もちろん道具立てとして、スマホやSNSは無いのだが。
    人生相談の話が妙におもしろかった。

  • 二人の対談が意外だったので手に取ってみたが、想像以上にシンクロしている感じで読んでいて面白かった。双方が信頼と尊敬の念を持ちながら意見交換しているところが見て取れる。
    村上春樹の感覚についていける河合隼雄さんさすが。
    ねじまき島クロニクルが出版されてすぐのため話題によく出てくるが、読んだことがないので読んでみたい。

  • 河合隼雄と村上春樹がアメリカで行った対談の記録。河合隼雄はユング派だけあってホーリズム的な傾向が強いのだけれど、村上春樹は作家だけあって言語的に理解していこうとする。とはいえ村上春樹もすべて言語に依存して把握しようとする人でもなく言語や精神を支える身体感覚を大切にする人なので、河合隼雄とは波長があって会話が弾んでいる感じが伝わる。
    対談のタイミングが『ねじまき鳥クロニクル』の発表直後だけあって、ねじまき鳥の話が多い。また湾岸戦争やオウム事件との時代的な近さも感じる。ねじまき鳥で暴力や歴史というものが前面に出てきており、その理由を村上春樹は河合隼雄との対話の中で見い出そうとしているようにもみえる。
    短いけれど読み応えのある対談集だと思う。

  • 久しぶりの再読。3回か4回目かというところで、今回が最も理解できたと思う。
    私自身の年齢が半世紀近くなったからか、夫婦についての話題に釘付けだった。これからどうしていこうかな。その決断のためにまだまだ読むべき書籍が沢山ある。

  • 村上春樹は、絶対悪とか、絶対善みたいな共通認識が固定されてしまうことをよくないと考える人なのだと漠然と感じた。

  • 春樹の長編を読んだ後に読むと、物語の世界観について、対談の中でなるほどね〜と思うところあり。
    河合隼雄の箱庭療法の話なども興味をひかれたので著書を読み始めた。

  • 村上「コミットメントというのは何かというと、人と人との関わり合いだと思うのだけれど、これまでにあるような、「あなたの言っていることはわかるわかる、じゃ、手をつなごう」というのではなくて、「井戸」を掘って掘って掘っていくと、そこまでまったくつながるはずのない壁を越えてつながる、というコミットメントのありように、ぼくは非常に惹かれたのだと思うのです。」

    押井守が参照していたこの村上の発言が気になって、手に取った。やっぱり至言だと思う。
    コロナ禍で否が応でも一人の時間ができて、それぞれが井戸掘りに時間を充てた。性急に分かり合おうとするコミットメントから、回り道のコミットメントに移行しつつあると感じる。

  • 「ねじまき鳥クロニクル」執筆後の春樹と臨床心理学者・河合隼雄の対談。

    まず「ねじまき鳥」への言及が面白かった。
    非言語的な(あえて分析しない)心理療法。物語による癒え。夫婦の相互治療的意味。「井戸掘り」について。コミットメント。「壁抜け」。物語のストラクチャー。芸術性と表裏一体の「病み」。

    あとはアメリカと日本の対比や、日本人の歴史観・価値観、春樹の小説スタイル、超常現象と物語の装置について、科学と物語についてとか。

    サラッと読めるが、とても勉強になった。

  • 暴力性が必要っていうのはなんかわかる気がする。物理的に相手を殴るとか刺すとかいう意味じゃなくて。暴力的なものから癒やしが得られることってよくあるしなー。感覚的な話が多くて、お二人だから通じ合える内容であるように思うので、正直理解するのは難しかった。

  • この本の感想は、言語化が難しい...。すごく面白かったのにこの思いを文字に起こせずすごくモヤモヤしている。もう一度じっくり読みたい。

    拙い言葉で一部書き綴ると...。
    色んなパターンで西洋と日本の違いを見比べた時に、あるものをあると認識するのは簡単だけど、ないものをある(逆も然り)と認識するのはすごく難しいなぁと思った。

    「治るばかりが能じゃないんですよ。そうでしょう、生きることが大事なんだから。」というフレーズにグッときた。

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