村上朝日堂はいかにして鍛えられたか (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001470

感想・レビュー・書評

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  • 本当にエッセイが面白すぎる

  • おめでとうございます✨今年の初読了です!

    年末年始のテレビ番組見ながら、懐かしく読み返しました。そういうのにピッタリなんです。爆笑している傍で、大学生の娘が韓流アイドルのYouTubeだかなんだかを見て爆笑してるんですが、形は違えどそういう、心的バランスを保たせてもらえる存在があるって素敵なことです。

    でも、その爆笑の合間に、日本の大人への批判的なことがサラッと書かれ考えさせられます。新聞休刊日についてなんか唸りましたね。たしかに休刊日がなけりゃ仕事を休ませてもらえないような日本の社会っておかしいじゃないですか。

    映画のラストのクレジット問題も、たしかにつまんなかった映画なのにサッサと席を立つのはマナー違反みたいに言われるのはどうかと思いますよね。

    春樹さんが学生時代に傷つけてしまった女の子のことも胸にきゅっと迫りました。。

    とまあ、昔から春樹さんは、親切で世界平和的な愛をコツコツと私たちに向けで どうでしょう?と書いてきてくださってるんですね。なんでノーベル文学賞もらえないの?不思議で仕方ない。

    それはともかく、
    私の周りの村上主義者はみな、この村上朝日堂的春樹さんの声なる文体に影響受けてるなぁと、春樹さんのエッセイの楽しさ、読みやすさに感激しています。

    これ読んで、中央公論社のチェーホフ全集と、春樹さんが訳されたレイモンド・カーヴァー全集がほしくなりましたね。残りの人生でコツコツと、人生の伴侶として読みたいです。はい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      フラニーさん
      「なんでノーベル文学賞もらえないの?」
      大昔、児童文化史研究家アン・ヘリングが月刊絵本に「『賞』というショウがないもの」と...
      フラニーさん
      「なんでノーベル文学賞もらえないの?」
      大昔、児童文化史研究家アン・ヘリングが月刊絵本に「『賞』というショウがないもの」と題して書かれていたのを思い浮かべては、賞と言う権威付けに踊らされないように心掛けています。
      でも外野が忘れた頃に、、、
      2021/01/05
  • 1999年文庫化。
    たぶんこれも、文庫化してすぐ買ったっぽいけど、1999年て仕事してた頃だからきっと、上っ面だけ一回読んだだけだったんだろう………(ダンボールから発掘)
    ぜんっぜん「面白!」って思った記憶ないし
    まぁそりゃ20年も経てば、読んで響く部分も変わってきますよね。ていうかほんとに何を読んでいたんだろう。20年前。

    全体的に軽めで馬鹿馬鹿しい(褒)んだけど、時々めっちゃ重いテーマをさらっと書いてて、そういうところも凄くよかった。割合的に。"本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ"ってコレよ。

    言葉遣いが好きだーー本当。アンチ・クライマックスなのにカッコつけてなくてすっと気恥ずかしくなく読める。

    小説の中でもいろんな描写が笑える・ジワジワくるーってこと今までたくさんあった。(ナンバーワンは1Q84の牛河さんのネクタイの描写。)
    だけど物語の中に見るのとは違って、まぁもともとこういう人だったんだなきっと。作品のイメージしか持ってなかったけどそこに村上さん個人を透かして見るようになった。

    ◇傷つかなくなることについて
    "ある日を境に「歳をとった人間が若者と同じように精神的に傷ついたりするのは、あまり見栄えのいいものではない」と認識するようになって、…"

    "精神的に傷つきやすいのは、若い人々によく見られるひとつの傾向であるだけではなくて、それは彼らに与えられたひとつの固有の権利でもあるのだと。"

    胸に刻む。

    ◇文学全集って何なんだろう
    1973年のピンボールえお文学全集に入れたいという電話を受けて諸々のエピソード。めちゃめちゃ重い。ぐわーーーーと叫んでつい旦那に話して聞かせてしまった。(最近こういうことよくある)

    ◇ウォークマンを悪く言うわけじゃないですが…
    カタルーニャ国際賞を取った時の2011年のスピーチと、ほぼ同じことを、この中で書いていた。
    日本が世界の中でどういう役割を担うべきか?いやそんなかたっ苦しい言い方じゃないんだけど、ずっと日本から距離を置きがちだったのにもうずーっと前からこういうことを感じていたんだなぁってわかって…いや本当すごいなと思った(語彙力)。

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    翻訳についてのエピソードの中で書いてたコレ
    "自分の味つけをなるべく表に出さないように、ぎりぎりのところまで地道に無色にテキストに身を寄せて…"

    村上さん翻訳の本はまだ読んだことがないので、昨日さっそく、心臓を貫かれてをネットでポチりました。


  • この人の文章は、理由はわからんけど、中毒になってしまって、他の人の作品がしばらく読めなくなってしまった。

  • 気軽に読める。考えることもある。くだらないこともある。
    なんといっても「ネコまぐれ」について知ることができます。
    ฅ(´ω` ฅ)ニャー

  • 理由の分からないストレスを感じ
    気分転換に手に取った村上春樹さんのエッセイ本

    内容は知識になるものでも
    教養になるものでもないのかもしれないけど
    なぜだか心が満足感で満たされる。

    はたしてなにが私の中に満たされたのかなあ。

  • <u><b>村上春樹はアホだ</b></u>

    小説家・村上春樹の超くだらないエッセイ集。裸で家事をする主婦は正しいのか?とか、ホテルの引き出しに入ってた謎のエロ本についてとか、本当にどうでもいいことばっかり書いています。時々、まじめなことも書いてるけどね。くだらないことも、まじめなことも、「ああ、春樹だなぁ」と思わせてくれる。確かにあの小説の数々はこの丸顔のおっさんが書いているんだな〜と思わせてくれる。
    この本は、今は亡き愛猫ミューズに捧げられている。最後のあとがきのミューズに向けたさりげないこの一文が、この本の中でぐっときたかもしれない。
    <blockquote>ミューズの魂よ、やすらかに眠れ。僕はまだもうちょっとがんばるからね。</blockquote>
    もうちょっと、がんばって下さい。

    特に好きなエッセイ↓
    「テネシー・ウィリアムズはいかにして見捨てられたか
    「傷つかなくなることについて」
    「一日ですっかり変わってしまうこともある」
    「日本マンション・ラブホテルの名前大賞が決まりました+あとがき」
    「果たされなかったもの」

  • 何度でも書くけど、本当に春樹のエッセイは面白い。何がと言われるとくだらなすぎて面白い。
    なんだかとても失礼な事を書いているけど、このくだらなさ具合が絶妙すぎてたまらない。
    きっとくだらなさが振り幅を超えてしまうとつまらなすぎて読めないだろうし…その加減がとにかく絶妙。
    ビール片手に何気なく手にとってサラリと読めるとこがとにかく最高である。

  • これはね、大変良いですよ。
    大変良いついでにもう一周しています。

  • これも週刊朝日での連載。懐かしいなぁ。

    今読んでも笑えちゃう。

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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