もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001517

作品紹介・あらすじ

シングル・モルトを味わうべく訪れたアイラ島。そこで授けられた「アイラ的哲学」とは?『ユリシーズ』のごとく、奥が深いアイルランドのパブで、老人はどのようにしてタラモア・デューを飲んでいたのか?蒸溜所をたずね、パブをはしごする。飲む、また飲む。二大聖地で出会った忘れがたきウィスキー、そして、たしかな誇りと喜びをもって生きる人々-。芳醇かつ静謐なエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • アイラ島だけじゃなく、スペイサイドやスカイ島にも行ってみたい。
    いやいや、暫くBarにも行けてない。

    シングルモルトは素晴らしいけど、ブレンデッドウィスキーにも美味しいものが有るんだけどな。
    たとえば、ラベルに雷鳥が描かれているものとか、私は好きです。
    ここ最近(十年以上ですが)の「アイラモルトこそがシングルモルトだ。」や、「シングルモルトこそがスコッチウィスキーだ。」みたいなのは少しイヤですね。

    月並みですが、生きてるうちに行けるといいなあと思いました。

  • 村上春樹さんの小説はあまり好きではない。多くの人から支持される理由を知りたくて、20冊以上読んだみたいだが、正直まだわからない。

    だけど村上春樹さんが書くエッセイ「走ることについて」や「アンダーグラウンド」のようなインタビューをまとめたものは好きだ。

    静かに物事を見つめて感じたことをわかりやすいイメージで紡いでいく、そんな感じ。

    この作品もそう。

    ウイスキーを味わうことをテーマにスコットランドとアイルランドを訪ねた紀行文。

    まったくお酒を飲めない私でもウイスキーを飲みにスコットランドを旅したくなった。参りました。

    • hibuさん
      松子さんこんにちは。

      そうなんです。いつのまにかですね〜。
      決して嫌いでもないのですが、根が明るい分、ハッピーエンドや痛快ものや感動ものが...
      松子さんこんにちは。

      そうなんです。いつのまにかですね〜。
      決して嫌いでもないのですが、根が明るい分、ハッピーエンドや痛快ものや感動ものが好きなんです。

      僕のバイブルは「夢をかなえるゾウ」や「神様のカルテ」でございます^_^

      お酒まったく飲めません(−_−;)

      夢は酒屋の棚の左上から順番に飲むことです♪
      2022/10/04
    • 松子さん
      hibuさん、私も同じくハッピーエンド痛快感動もの好きです♪ 読み終わった後の多幸感、大好きです。

      夢をかなえるゾウ、神様のカルテ、
      hi...
      hibuさん、私も同じくハッピーエンド痛快感動もの好きです♪ 読み終わった後の多幸感、大好きです。

      夢をかなえるゾウ、神様のカルテ、
      hibuさんのバイブル本とメモして記録しました
      積読ばかりですが、いつか必ず!(^^)

      あっ、私の夢は1日で3冊ぐらい速読できるようになる事です(*´∀`*)夢だわ〜
      2022/10/04
    • hibuさん
      松子さん

      その夢最高っす。
      その能力欲しいですね♪
      松子さん

      その夢最高っす。
      その能力欲しいですね♪
      2022/10/04
  • ウィスキーを飲む前、それはハリーポッターに出てくるはちみつ酒のようなものだろうと思っていました。甘い香りがして芳醇な飲み物なのだろうと。
    実際飲んでみると苦手な麦茶に近しい香り(原料が麦ですもんね)で、イメージと違った。それでも、美しい琥珀色や様々な銘柄、ウィスキーが持つ魅力的な雰囲気を諦めきれず、飲むのをやめられません。
    はちみつのような香りとほのかな甘みがあって、とろみさえ感じるような琥珀色のお酒はどこかにないかな。死ぬまでに出会えたらいいな。

  • ウイスキーが好きな人にはたまらない一冊。おそらく1時間もかからないで読める内容。
    それでもアイラやアイルランドの魅力は十分伝わるし、シングルモルトを飲みたくなる。
    日本でもBARはたくさんあるが、こういった無骨なBARはあまりない。昼間からグラスになみなみ継いでくれるような、そんなウイスキーを味わいたい。

  • 頭をぜんぜん使わずに楽しく読める春樹のエッセイ、大好きです。

    ウイスキーに、ジャズとロックとクラシックといった音楽、映画、マラソン、アメリカ、旅、そしてもちろん文学。彼の好むものははっきりとしていて、たとえばツイッターのプロフィールなんかで要素をつらつら並べたてて自己紹介しようとする人ってたくさんいるじゃん?春樹はツイッター的プロフィールがめちゃくちゃ書きやすそうな人で、だけど確実に記号を並べて自己紹介なんてしない人で、俗世にまみれたわたしが信頼出来るのはこの人だけかもしれない。

  • (引用)

    でも例外的に、ほんのわずかな幸福な瞬間に、僕らのことばはほんとうにウィスキーになることがある。そして僕らは-少なくとも 僕 は ということだけれど-いつもそのような瞬間を夢見て生きているのだ。もし僕らのことばがウィスキーであったなら、と。




    "お酒を多く飲めるやつがえらい"みたいな風潮を少なからず感じていてそれがすごく嫌いっていうのもあって、お酒はずっと得意じゃなかったんだけど、そういえば最近友達との付き合いで日本酒を飲む機会が急に増えたり、浅草の神谷バーで電気ブランを飲んだりしてたことを、読み始めてからふと気づいた。自分はこれからバーに行って、憧れのピーキーブラインダーズ(netflixドラマ、第2次大戦前のイギリスが舞台)の登場人物みたいにウィスキーを嗜もうとするのかなと勝手に運命じみたものを感じてしまった

    こんなにことばが溢れかえって、世界中のほとんどどの場所の写真でさえ手に入るけど、
    ことばでしか表せない世界はあって、それとは別に例えば自分がどこか知らない土地にいって何かを飲んだり歩いたり話したりすることでしか理解できない世界はきっとあって、
    それでも遠い片隅の潮風の漂う島でシングルモルトを飲むことでしか理解できない世界の、ほんの少しの片鱗がことばの裏にあった気がした

  • ウイスキー飲みとして一度は行ってみたいと思っていたアイラ島。その聖地とアイルランドをウイスキーとともに旅するという好奇心をくすぐられるエッセイ。村上春樹作品は初めて読んだけど、芯を外さずに読みやすく描写されている印象を受けた。ウイスキーで例えるなら、アイラウイスキーのような鮮烈な香りの中にも、アイリッシュウイスキーのなめらかな舌触りを感じられる文章。奥様が撮影した風景も味がある。

    蒸留所巡りの話がよかった。蒸留所のレシピに対しての一文で「レシピとは要するに生き方である。何をとり、何を捨てるかという価値基準のようなものである。何かを捨てないものには、何もとれない。」という言葉が好きだ。大麦、水、ピート、人、時間。ウイスキーとはまさにその土地そのものであり、物語や人生といっても過言ではないんだよね。

    ラフロイグ蒸留所のマネージャーであるイアン・ヘンダーソンさんの話も印象深い。蒸留の工程で積極的にコンピューターを使っているラフロイグ。
    「そういう進取の気性が、いうなれば僕らの伝統なんだ。大事なのは形ではなく味だ」
    伝統をこう捉える見方があったなんて思わなかった痺れる一言。

    「多くの人は年数の多いほどシングル・モルトはうまいと思いがちだ。でもそんなことはない。年月が得るものもあり、年月が失うものもある。エヴァポレーション(蒸発)が加えるものもあり、引くものもある。それはただ個性の違いに過ぎない」
    この言葉もウイスキーに限らないよね。いや、ウイスキーが人生だとしたらまさにその通りなんだろう。

    アイリッシュパブでタラモア・デューを静かに飲む老人も素敵だった。お酒は飲むだけじゃなく、語り過ごす時間こそが旨いのだと感じられた。
    ここ半年は病気の関係でウイスキーからは遠ざかっていたんだけど、かなり飲みたくなってしまった。再会はどの一杯にしようかと思い馳せるのも楽しい。

  • ウィスキー好きなのでたまらん本だった。
    持ち歩こうかなって思ってしまった。

  • 古本屋で見かけて、ぱらぱらみるときれいな写真だらけでつい手に取った一冊。ウイスキーのうんちくを語る先輩のおかげで少し銘柄も知っていたので、面白く読めた。旅行記にしてはおしゃれすぎるなあ、自分には書けないなあとひしひし思ったけど、スコットランド・アイルランドの旅行を通して、著者が感じた自由とかさっぱりした気持ちを少し感じることができて楽しかった。自分も海外一人旅行に何度が行ったけれど、観光名所ではない、路地とかスーパーとか歩いているときにふと海外来たなあと感じる気持ちもすごい共感できた。
    氷なしでスモーキーなウイスキーでも嗜もうかなとか思った。そんな習慣ないけど。
    さっと読めて、心地の良い気持ちにさせてくれる本だった。

  • お借りした本。
    アイルランドやアイラ島に行きたくなり、シングルモルトが飲みたくなる、行こう。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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