海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

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著者 : 村上春樹
  • 新潮社 (2005年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001548

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海辺のカフカ (上) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 3度目の読了。初めて読んだのはいつだったか、強烈な感動が忘れられず、息子が主人公と同じ15歳になったのを機に手に取った。
    と、今までと違い、精神的にこんなに早熟な子はありえないと、つい現実の15歳と比べて余計なことが気になってしまい…。息子に勧めようと思っていたが、この良さが理解できるのはもう少し先だろうな。

  • 誰が何と言おうと、ぼくは春樹さんの小説が好きです。
    小説好きな人は、あれこれ言ったりする人も多いけど、

    いいじゃないですか。

    ぼくはすきなんだから。

    大体全部春樹さんの本は読んだけど、長編なら『カフカ』がすき。

  • 今まで読んだ本の中で最も感慨深いものがあった
    村上ワールドにどっぷりと漬かれる作品
    抽象的描写、哲学的会話、すべてにおいて
    想像力を掻き立てざるにはいられない
    村上春樹という人間の思想を示唆している
    読後の謎、余韻も含めて醍醐味を感じられる

    "あちらの世界"に影の半分と
    記憶、性欲を含むあらゆる欲望を置いてきてしまった
    ナカタさんの生きざまはあまりに潔く、頼もしくもあって
    私は彼のおかげで大きな人間的成長を果たしたように
    感じられる

  • 村上春樹はそんなに得意ではないけれど、これは結構読み進めたくなった、
    オススメできる好きな本です

  • あいかわらずの独特な世界観。
    村上春樹の世界に引き込まれましたとても中野区や高知が舞台になってるとは思えない雰囲気。
    ものすごく哲学的で全てを理解しようとするととてもじゃないけどついていけないけど雰囲気を味わいながらその世界観に浸っているとあっというまに読み終わってしまいました。
    下巻ではどう繋がっていくんだろう?
    そしてナカタさんがとってもいい味出してます。

  • 平衡世界がある時点で交差し収斂して喪失する、村上作品はそうした特徴を持っているが、本作品は他作品と比べてより具象的な印象を受ける。かつ直接的な残虐性や暴力性も備えている。ここにある世界はパラレルワールドではなく時空という概念を取り払った平衡世界が描かれる。

    田村カフカという15歳の少年を通した平凡な世界と極めて特殊な体験と、ナカタという存在がどう関係してくるのか、下巻を読み進めたい。

  • 村上春樹の作品はこれまでなんとなく読まずに来たが、やはり力のある作家だと実感。上巻で張りまくった伏線にどう決着をつけるのかわくわくする。今の段階の自分の推測では主人公の「田村」という名字は「甲村」の欠損したものだと思っているんだけど。

  • 読み始めは展開についていけなくなるかもと思ってたけど、どんどん物語の世界を理解出来た。
    タフになるために自分を見ようとする少年。
    自分の人生を考えることを少年と老人のそれぞれのストーリーを並行させながら書いた作品。
    面白かった。

  • 書店のポップに「15歳のうちに是非読みたい本」とでていたので15歳のうちに読んだ初の村上春樹。

    「なんなのかよくわからないが、雰囲気がかっこいい・・・!」と感じ何度も読み返した思い出。
    同級生が本格的に村上春樹にはまりだすのは高校生のころだった気がする。そういえば現代文の教科書にもレキシントンの幽霊が載っていた。

    大人になった今でもなんなのかよくわからないけど定期的に読み返してる。

  • 個々はばらばらで、関係性の無いものに思えてた事が、繋がりそうな気がするところで終わった上巻。

  • いまのところ村上春樹ではこれが一番好きです

  • 僕らの人生にはもう後戻りができないというポイントがある

    それからケースとしてはずっと少ないけれど

    もうこれから先には進めないというポイントがある

    そういうポイントが来たら

    良いことであれ悪いことであれ

    僕らはただ黙ってそれを受け入れるしかない

    僕らはそんなふうに生きているんだ

  • 中学生くらいのときに読んですっかり忘れてたので再読。当時、カフカくんと同じ年くらいだった自分は彼の行動力にひたすら驚かされてた記憶があるんだけど、時を経て読んでも彼の行動力はすごいな!まさに世界で一番タフな15歳!
    あとナカタさんかわいい。下巻も読む。

  • 10数年振りの再読。田村カフカの家出旅。高松に行って、旅の途中で出会ったさくら、甲村図書館の大島さんに支えられ過ごして行く、こんな生活ちょっと憧れる。ナカタさんも不思議な生活を過ごし、四国に向かう。 上巻ではこれから始まる物語の序章の感じ。 初めて読んだ時は羊男シリーズに匹敵する名作と感じた。

  • 海辺のカフカ!
    なんかついに来るとこまできたって感じ。
    村上春樹のいろいろな作品の中の、私が特に好きなところがギュッとつまってるような話だった。
    やっぱり五月が舞台だし。
    世界一タフな15歳の少年が、家出をして四国にきて、小さな図書館の片隅で暮らし始めるって素敵だなぁ。
    優しく導いてくれる大島さんと、静かに受け入れてくれる佐伯さん。
    二人の聡明な大人のもとで、カフカ少年がゆっくり心をときほぐして自分という存在を見出していく。
    彼が感じる海とか、森とか、星とか、そういったものに対する描写が本当に愛おしく思った。
    瑞々しさともちがう、この感じ。
    私も15歳のときにこの小説を読みたかった。

  • 初の村上春樹は、子供の頃に父の本棚でその独特のタイトルがただならぬ個性を放っていた、海辺のカフカから入ってみることに。

    前情報無しで読み進めたので、すっかり引き込まれて続きが気になり、一心不乱に読了。

    日常の、こざっぱりと清潔で気持ち良いルーティーンを丁寧に一つ一つ確認するように表現してくれるところが、なんだかすごく癖になる。登場人物の愛着や執着、大事にしている日々の儀式がありありと思い浮かぶ。

    そんな規則性の中にあって、だからこそなお一層怪しく潜む奇怪な事象が際立って話を幻想的にする。

    世間一般論に流されて、無感覚に生きることに疑問を投げかける。下巻が楽しみだ。

  •  村上春樹さんの代表作ですね。
     この作者さんの本は、最初に読んだ本が本当に悪すぎて、もう二度と読まないと思ってしまって、なかなかこの本も読むことがありませんでした。
     でも、最近出た1Q84を読む機会があって、それが思ったより面白かったので、この本を読もうと思いました。
     ただ、1Q84も読みかけなのにこの本に手を出すのはどうかなと思ったりもしたんですが、まあ読み始めてしまったものは仕方ない。

     物語の主人公は、15歳の男の子。
     その男の子は、何かから逃げるように15歳の誕生日を待って、今まで自分の住んでいた家から出ることを決意する。
     彼が向かったのは、香川県の高松市。
     そこで彼は、私設の図書館に行き、そこの職員と顔見知りになる。
     そんな中、彼が気を失っている間に、父親が殺されるという事件が起こる。

     最初は現実を舞台にした話だと思っていたのですが、そこにちょっと現実ではありえない要素が点在してる。
     このままファンタジーで終わってしまうならそれはそれでありだと思ったんですが、この作者さんだったら何か難しい実現可能なのか、可能じゃないのかわからないラストを持ってきそうで、今から終わりが楽しみです。
     最終的な評価はすべての物語を読み終わってからになりますが、今は続きが楽しみ、と素直に思えたのでこの評価にしておきます。

  • わかりそうでわからない交錯する物語。不思議なキャラクター達が織りなし始まる不思議なファンタジー。村上春樹さんの世界はわからないまま進んでいくけど、余韻を残す。ただ、台詞の端々に共感させられ、自分の経験を重ねることができ、考えさせられる言葉が散りばめられている。でも、わからない。読み手に感じるということと物語を預け、わからないという余韻を残しながらも小説に引きこむ。やはり一流だと思う。久しぶり先が気になって早く下巻を読みたいおもった。

  • ずっと村上春樹には苦手意識を持っていたけど
    読みやすくて面白かった。
    (昔ノルウェイの森を読んで、キザな文章が合わず途中で挫折した...。)

    家出少年の田村カフカ、文字の読めないナカタさん、
    そして謎の多い佐伯さん。
    いろいろ都合が良すぎると思う所もあるけど、
    バラバラな話が下巻でどう収斂されていくのか楽しみ。

  • タフな15歳になる。とカフカ。
    家出、父の死。
    自分への疑惑。

    事故のせいで町から出られない、ナカタさん。

    二人はどう交差していくのだろう。

  • おもしろかった。
    わくわくした。
    下巻が楽しみ

  • 大島さんが好きだった。
    幅広い知識を備え、考えを言葉にできることやスタンスが良かった。
    ただ流れることではなく、きちんと捉え、そして向き合うことだ。
    自分の行く道を信じて力強く進む。

  • 2009私的夏の文庫フェアの第2弾。 上下巻。

    『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』以来、約10年ぶりに村上春樹作品を読んだ。
    作品の面白さを比べたら、『世界の終わり~』の方が優れていると思う。

    この作品は謎に満ちている。難解である。
    大戦末期のお椀山における児童集団昏睡事件、カラスと呼ばれる少年、「猫殺し」のジョニー・ウォーカー、入口の石、カーネル・サンダーズ、入口の先にある世界…
    おそらくすべてがメタファー、寓意の表れであると思うが、「読者個々人の解釈に任せる」という作者のスタンスの下、作中でも作外でも何の説明もされていない。

    こういう、言ってみれば「エヴァ的」な手口はハマる人はハマるのだろうけど、僕はあまりしっくり来なかった。
    意味がありそうに思える一方、マクガフィンに過ぎないような気がしないでもない。
    ただ作中にチェーホフの
    「物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない」
    という言葉を引用し、
    「チェーホフはドラマツルギーを理解していた」
    というようなことを登場人物に言わせている以上、これらのモノ・コトは、それぞれ物語を構成する重要な役割を担っているのだろう。

    物語は2つのパートで進行する。
    父親を憎み、自分を捨てた母親を思慕する15歳の少年(ありがちなモチーフだが、このへんもエヴァ的と言えば言える)田村カフカ。
    お椀山の事件で知的能力を失った、猫と会話できる不思議な老人ナカタさん。
    一見無関係の彼らの物語が、徐々に収斂されていく。

    カフカ少年の物語は、一貫して「自分の物語」である。
    一人称による語りからして象徴的だが、カフカ少年(おそらく村上春樹自身)の物語は「内に閉じた物語」と言える。

    一方のナカタ老人の物語は、「他者の物語」である。
    三人称で語られる「外へ開かれた物語」と言っていい。ナカタ老人のモノローグというのは一切ない。彼がどんな人生を生き、どんな人間であったのか、結局はわからない。

    ところで僕が思うに、ナカタパートの主人公は実際にはナカタさんではなく、彼をトラックに乗せたことから物語に巻き込まれるホシノ青年だ。
    ホシノ青年は元札付きの不良で自衛隊上がりのトラック運転手、アロハシャツに中日ドラゴンズのキャップとレイバンのサングラスという如何にもなガラの悪さだが、今は亡き祖父を慕う親切な青年でもある。
    「幼い頃は何者かであった自分が、年をとるにつれどんどん空っぽになっていった」
    と独白するホシノ青年は、しかしナカタさんとの旅において「一段階上」の人間に成長する。別れ際、彼は
    「これからはナカタさんならどんなふうに見てどんなふうに思うのか、そう考えるようにするよ」
    という言葉を投げる。
    それはきっとホシノ青年が「ナカタさんの物語」という「他者の物語」を受け入れたところに起因すると思う。
    「自分の物語」を生き、現実世界に存在しない「カラスと呼ばれる少年」と対話し、やはり現実世界ではない「入口の向こう側」で思案するカフカ少年とはひどく対照的である。
    読者の視点から言えば、カフカ少年の物語は「あちら側の物語」であり、ホシノ青年の物語が「こちら側の物語」なのだろう。
    全ての物語にケリを付けるのがホシノ青年という点もおもしろい。

    正直わけわからん小説ではあるけど、試しに一読してみるのもアリ。
    ただ村上春樹的なオサレ会話、文学や音楽などの鼻につく小物が合わない人はやめた方がいいかも。辟易すること請け合い。

  • 村上春樹作品で一番好きな小説。今まで出会った物語の中で、一番繰り返し読んだ作品。登場人物それぞれが魅力的で、日常の中に突然現れる不思議な出来事に自分も一緒に引き込まれる。読後も自分なりに話を組み立てたりして本当にいつまでも楽しめる。読んだ年によって感じることが違うというのも素敵。

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「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」-15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真…。

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