1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉後編 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001623

作品紹介・あらすじ

青豆に言わなくてはならないことがいくつもあった。しかし今ここで天吾にできるのは、ただ名前を口にすることだけだ。青豆、と彼は呼びかけた。それから思い切って手を伸ばし、空気さなぎの中に横たわっている少女の手に触れた。……天吾と青豆、空に二つの月が浮かぶ1Q84年の世界で、二人はもう一度めぐり逢えるのか。深い森の中へ分け入るように、物語は続いて行く──。

感想・レビュー・書評

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  • 〈7-9〉後編 4
    この巻で、「空気さなぎ」が、青豆を通して読まれる。それは、“さきがけ”でのふかえりと思われる少女の物語。少女は、突然現れたリトルピープル達と空気の中から糸を取り出してまゆを作る。それはさなぎとして大きくなり、中にはドウタとしての少女が育つ。ドウタが目覚めると月が二つになる。そのまゆの自分を見た少女は、そこから逃げ出し、ドウタは目覚め月は二つに。自分が自分であることの証明に不安を感じる。
    なかなかイマジネーションに溢れた作品かなと思う。「一九八四」に出てくる集産主義の理論テキストに対応させてくるのかなと思うけど、支配する者としての表現が、村上さんっぽい。
    この巻の最初の方で、リーダーに世界観を語らせる場面がある。1Q84はパラレルワールドではない。1984と並行して存在しない。1984はどこにも存在しない。うーん、青豆がここに入り込んできたような設定と思っていたけど、世界観の把握が難しい。
    一九八四では、ビッグブラザーが歴史修正をし続けたけど、1Q84は、一方通行の世界への変換。
    もしかしたら、雰囲気で読み過ごす方が得策なのかも。核心を探そうとして、見つけられない。

    あと少し。

    • hiromida2さん
      あ、なるほど〜‼︎
      感覚的に同じでビックリしました(〃'∇︎'〃)
      喜んでいる( ⸝⸝•。•⸝⸝ )
      私も春樹さんは初期の作品はとても好きで...
      あ、なるほど〜‼︎
      感覚的に同じでビックリしました(〃'∇︎'〃)
      喜んでいる( ⸝⸝•。•⸝⸝ )
      私も春樹さんは初期の作品はとても好きですが…
      だんだん、要らないような性的描写が多過ぎのように
      感じて辟易気味(◦︎•_•;◦︎)
      1Q84までは何とか…σ^_^;再読は具体的に把握する為に
      またボチボチ読まれているんですね!
      納得のコメントありがとうございます♪
      この次の騎士団は私はイマイチでした (-。-;笑
      後少し。٩̋(๑˃́ꇴ˂̀๑)
      2022/11/29
    • おびのりさん
      こんばんは。
      わかってくれて嬉しい。
      皆さん、村上春樹氏のこの状況をあまり批判しないじゃないですか。私なんか、どの作品でも、ポルノ部分の男性...
      こんばんは。
      わかってくれて嬉しい。
      皆さん、村上春樹氏のこの状況をあまり批判しないじゃないですか。私なんか、どの作品でも、ポルノ部分の男性が、報道で見る村上さんのビジュアルに変換されてしまって、読めないんですよ。文章がヌメヌメしてるじゃないですか。私は、女性蔑視に近い感覚を持ってしまいます。
      愚痴りました。
      2022/11/30
    • hiromida2さん
      度々…失礼致します。
      こちらこそ、分かってらっしゃる おびのりさんの
      コメントとても嬉しい٩̋(๑˃́ꇴ˂̀๑)
      初期の作品は好きで村上ワー...
      度々…失礼致します。
      こちらこそ、分かってらっしゃる おびのりさんの
      コメントとても嬉しい٩̋(๑˃́ꇴ˂̀๑)
      初期の作品は好きで村上ワールドにハマってた時期もあったのですが…、(◦︎•_•;◦︎)
      気がつくと何か、違和感が湧いてきて
      まさに文章ヌメヌメ感かもしれない( ・᷄-・᷅ )
      ある日、友人に
      「著者と小説の感覚を同じにしちゃいけないと思ってはいるんだけど…何だか、私、村上春樹氏自身の描くナルシスト?本人のビジュアルが最近好きじゃないって感じるようになってきた」
      「ま、本人を知ってる訳じゃないけど…」と言ったら
      友人はあっさりと、「もう飽きたんじゃない」と言いながらも、分かるけど…と笑った。
      多分、同じような感覚持ってる方もいるんだと思うと
      (同じじゃなかったからごめんなさい(._.)
      おびのりさんのコメントに、
      私だけじゃないのだ୧( "̮ )✧︎と安心しました。
      2022/11/30
  • どうにかして青豆と天吾を会わせてあげたい。
    そんな思いが強くなっていった。
    最後の二つの章があまりにも鮮烈で
    衝撃的だから。

    共通するのは自分の中の
    真実、本当をまっすぐに受け入れているところ。
    かすかに光明はあるのか。

    今日、第5巻も手に入れたから
    明日の朝、扉が開かれる。

  • めちゃくちゃ面白い!引き込まれて引き込まれてあっという間に読了。

    冒頭のユングの引用「人が自らの容量を超えて完全になろうとするとき、影は地獄に降りて悪魔となる。なぜならばこの自然界において、人が自分自身以上のものになることは、自分自身以下のものになるのと同じくらい罪深いことであるからだ」。
    この部分は村上作品全体に通底するテーマ。自分以外の何者かになろうとするけれど自分は自分にしかなれないということをどこかで突きつけられる。

    天吾にはこの点がピンときていなかったからこそ、ある意味刹那的というかどこにも行き着かない生き方をしてきたのだし、自分のルーツを辿ったり、青豆を探したりしなかったのだと思う。しかし、最後に病床の父に話しかけるシーンで父を客体しながら言葉を紡ぐことで自分が自分にしかなれないことを深く実感する。(このあたりはノルウェイの森のミドリの父とのシーンに似たところがある)だからこそ、天吾は青豆を探そうと決意する。

  • 物語は核心に近づいて行く。
    いや、近づくというよりは、その輪郭をなで、くすぐり、さらにその奥に手を伸ばして行く。
    観念的で、SF的だが、そこには現実の「1984年」と地続きの物語がある。

    リトル・ピープルによる監視と、彼らの物語の行く先が楽しみすぎる。

  • お父さん‥‥

  • 2冊目、3冊目よりも物語のテンポが
    落ち着いた気がする。
    再読すれば物語の深みとかわかるがまずは
    全部読み切りたい。

    かなり先が気になります。
    学生の頃に読みたかった。

  • 全部で6冊あるうちの4冊目。
    308ページ。先が気になる度★4。

    謎がどんどん解明されていく。









    以下ネタバレ!!!
























    ふかえりの小説「空気さなぎ」の詳細がようやく出てきた。
    宗教団体の生活の話。
    少女は山羊を死なせてしまい罰を受けた。
    死んだ山羊と一緒に閉じ込められて三日目の夜に、ヤギの口から謎の小人が現れた。
    小人は空気の中から糸を取り出してサナギを作った。
    サナギから生まれたのは少女の分身だった。
    分身は少女の心の影的存在で、分身が目覚めると月が2つになるらしい。
    少女は怖くなり父親の友人の家へ逃げた。
    中学の時トオルと仲良くなったが小人達の仕業で離れ離れになってしまった。
    小人達は少女に直接手を出すことができないが、まわりの弱い人間には害を及ぼし滅ぼすことができるらしい。
    小人達は分身の近くに戻れと少女に警告する。
    少女は分身の謎やトオルの救い方を知るために小人達の場所に行くことを決心し、その場所に行く通路を作るために空気さなぎを作成する。

    分身が生まれて月が2つになって、1984年が消えて1Q84年になったらしい。


    【登場人物のメモ】
    つばさ
    ふかえりの分身。

    【内容メモ】
    青豆と天吾視点。

    青豆は宗教団体のリーダーから、1Q84年はパラレルワールドではないこと、天吾と両想いだということ、どちらかが死ぬ運命であることを聞く。
    青豆は天吾を生かす道を選ぶ。
    マンションのベランダから天吾を見つけ、急いでその場所に行ったがもういなかった。

    天吾は金縛りみたいな感覚の中ふかえりと寝た。
    公園で月が2つあることに気づく。
    青豆を探すことを決意する。






    次へ続く!!!

  • ここまで読んで面白かった。1番面白いと思うのは全てが全部繋がっている感じと、孤独な人の願いと希望。ストーリーの設定に無駄なく伝えたいことが絡み合って一つの作品としてできてる感じがする。

  • ここまで読んで、ストーリーが進んでいくのを感じている。もちろん次が読みたい。たまたま長期休暇に入ったので、つぎの5巻に進もうとしてるのだが、本がない。ここまでブックオフで買ってきたから、次もブックオフでと思ったんだが、なぜか旅先のブックオフにない。2件目にもない。ええい、もう新しいのでいいから本屋に、、、ない!!こりゃどうも、いまは次へ進んではならないという啓示なのかも??きっと、必ず読むべきときに、5巻に出会えるはず。村上春樹の長編は、いったいどこまで示唆的なのだ。

  • 青豆と天吾がこれからどうなっていくのか。
    他にも不思議な点がいくつかでてきた、それがBOOK3でわかるようになるのかな?
    現実世界のようでなんかちょっと違う世界が面白い。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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