1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉後編 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001647

感想・レビュー・書評

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  • ふぅ、読み終わった…
    読み終わったという事実そのものが感想になっている。

  • 【長く滑らかな指、そして強い芯を持っている。青豆、と天吾は思った。青豆と天吾、二人は「物語」の深い森を抜けてめぐり逢い、その手を結び合わせることができるのか。ひとつきりの月が浮かぶ夜空に向かって…】

    謎が残って気になる~。
    でもハッピーエンドでよかった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「謎が残って気になる~」
      続きを期待しましょう~
      「謎が残って気になる~」
      続きを期待しましょう~
      2012/12/08
  • 久しぶりに、ただ一つの(ような)がちがちの現実から開放される感覚。
    こういう男女がいてもいいし、こういう世界があってもおかしくないし、真実がどうであるにせよ、想像していたほうが素敵だな。これぞ物語。
    しかしどんどん観念的になっていくんだなあ、村上春樹。
    それとも、もうこういうの書いてもいいよねって感じなのかな?

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「どんどん観念的になって」
      今の世界を描こうとすると、単純に割り切れないから、こんな風になるのでしょうね。
      面白いからドンドン読み進めてしま...
      「どんどん観念的になって」
      今の世界を描こうとすると、単純に割り切れないから、こんな風になるのでしょうね。
      面白いからドンドン読み進めてしまうけど、「アレ?」とか「う~ん」と思ってしまうコトも多々ありました。。。
      2013/01/04
  • 当たり前と思っている日常に潜んでいる小さなズレ、あるいは違和感。それが当たり前だと思っていると、それは過ぎていくのだけれど。それらによって自分たちが強いられていること、それは実は見過ごせない何かであり。
    そのような違和感を感じることができるか、それに向けて声や行動を発することができるか。そして、そういった自らの動きを支えるものは、祈り、すなわち自らを貫く信念である。青豆と天吾は、紆余曲折しながらも、それを貫いた。

    「これはこういうふうだから仕方がないものだ」と思考を停止させてしまったら、そこですべては止まってしまう。”リトルピープルに暗示されるもの”は、人々をそのように巧妙なやり方で仕向ける。
    この現実世界において、リトルピープル的なものごとは、本当にたくさんあるのではないか?

  • 少女と少年は手を繋ぐ。永久と思われて距離と世界が二人を引き剥がしていたが、それをかいくぐりやっと繋がった"ひとつ"のものが融合し出会う。
    青豆の心と天吾の心はお互いに錯綜しながら、それでも偶然に合わさっていく。ピアノの調律を合わせるようにじっくりと。その様をスローモーションで見ているような物語だった。結果から言えば「再会」だが、それまでの青豆、天吾、そして忘れてはならない牛河の存在と心情、そして「さきがけ」の思惑と最後まで全て明かされなかった「リトル・ピープル」の存在がある。青豆が置いて行ったマダムやタマルはどうなるのだろう。寂しさに打ちひしがれて、あの静謐な空間を退廃へと落としていないだろうか。

    全ての事象はある程度の抽象的な解釈は与えられても、具象については読者に投げかけられて、自由に任せている。
    総じてストーリもキャラクターも難解で、これまでたいした量ではないがいくらか小説を読んできた私にも解釈に困惑する。だが全体としてはまん丸の球を描くようにまとまっていた。これが世界が認める村上春樹という人の実力と世界観だ。独特な台詞と独特な文章、独特な世界観の魔力に、大衆は懐疑的ながら、それに惹かれた。だからメディアは1Q84に沸いたのだろう。

    疑問を示すQを抱えながら、神聖というにはあまりに純粋すぎて虚構的な青豆と天吾のつながりは、淡い思い出のなかで生きづいていて、とても信じることはできなかった。けれどそこまで奇跡的で非現実な「愛すべきただひとつ」を待ち臨んでいることはどこか神秘的だ。
    それでいて、ふいに村上さんが紡ぐことばが一閃に切り裂く。
    「見かけにだまされないように。現実は常にひとつきりです」
    冷酷な言葉だが、それは紛れもなくひとつの真実だ。そして心優しいひとつの真相でもある。
    青豆と天吾が最後に訪れた左側を見せるタイガーの世界でも同じことが言えるだろう。
    しかし青豆はこう返すに違いない。
    「何を怯えることがあるだろう。新たな試練がそこにあるのなら、もう一度乗り越えればいい。それだけのことだ。少なくとも私たちはもう孤独ではない」
    内容は難しいし、私には天吾も青豆も牛河も全て理解できることはない。物語を全て解釈できるはずもない。だけど、少なくとも1Q84は素敵な物語の薫りがする。

  • 文庫で6巻もあるのに、一気に読めてしまった。
    不思議な世界観にすっかり引き込まれました。
    もう一回、じっくりとその世界観を味わいながら、読み直したいとさえ思っています。

  • ついに完結……!
    あっという間だったけど、6冊も読んできたなんて。
    不思議と引き込まれる物語でした。
    今では青豆にぞっこん。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「不思議と引き込まれる物語でした」
      私にとって村上春樹の作品て、どれもそうなんです。途中で止められずになるので、読むのはいつも長期休暇。
      何...
      「不思議と引き込まれる物語でした」
      私にとって村上春樹の作品て、どれもそうなんです。途中で止められずになるので、読むのはいつも長期休暇。
      何だかよく判らない部分があるけど、気になって仕方無い。。。やっぱり上手いのでしょうね。。。
      2012/12/07
  • 全巻読んだけど、たいしたことなかった。村上さんにしたら・・・って感じかな。ある意味、村上春樹への評価の裏返しかな~

  • 寝る前にちょっとずつ読み進めてようやく読了!
    村上春樹さんの今までの好きなエッセンスがぎゅっと詰まってて、その上でミステリとかホラー色もあっておもしろかったです。
    ノックの音はなかなかにホラー。
    好きなのであんまり映像化はして欲しくないなぁ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「映像化はして欲しくないなぁ。」
      特に「1Q84」は、映像化は難しいでしょうね、、、「ノルウェイの森」「神の子どもたちはみな踊る」ともに監督...
      「映像化はして欲しくないなぁ。」
      特に「1Q84」は、映像化は難しいでしょうね、、、「ノルウェイの森」「神の子どもたちはみな踊る」ともに監督が日本人じゃないのが面白い。。。次名乗りを上げるのは誰だろう?
      2013/03/02
  • とても疾走感のあるお話でした。3部構成もそれぞれのテーマがあり、最後はラブロマンスでしたね。(笑)
    良くも悪くも村上春樹。この世界観を読者の主観では説明はできない。論理的な解釈も求めちゃいけないのだろうと。

    3部からは牛ちゃんの目線が挟まれましたが、それとは別の第3者の説明や描写が目立ちます。「もし青豆がもう少し早く滑り台に目を向けていれば…」というナレーション側のような描写はあまり村上春樹の小説にはなかったように思える。ちょっと違和感がありました。

    ただ、停滞した時間を先に先に進めようとする力はさすがでした。

    1984の世界で、二人が話す経験、未来を想像するだけで、この小説の余韻が力強かったと思えます。

    ともあれ、久々の長編小説に、今は感無量!

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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