村上ラヂオ2: おおきなかぶ、むずかしいアボカド (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001654

作品紹介・あらすじ

なぜ、アボカドはむずかしい? 究極のジョギング・コースってどこだろう。アザラシのくちづけの味、ギリシャの幽霊、ロシアと日本のかぶをめぐる昔話の違い……etc。小説家の抽斗(ひきだし)から飛び出す愉しいエピソードの数々。長編小説『1Q84』刊行後、雑誌「アンアン」に連載された人気エッセイ・シリーズ52編を収録する。『おおきなかぶ、むずかしいアボカド――村上ラヂオ2』改題。

感想・レビュー・書評

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  • 小説の村上春樹もいいけどエッセイの村上春樹はさらにいい。
    クスッと笑えるエッセイに、今週の村上というおまけ付き。
    今週の疲れがどどっと出て、テレビの画面を見て思い切り受け身で過ごそうと思ったけど、この本読んでたら疲れが抜けていった!
    あまりにも可笑しくて、ばかばかしくて、脱力感。
    本人曰く、ビール会社が作るウーロン茶。
    これがまた味わい深い。
    実際のオリンピック、ドイツとパキスタンのホッケーの試合を観て純粋にスポーツの醍醐味を味わったり、メジャーリーグの試合を観戦し、Aロッドの一挙手一投足を観察したり、毎度のことながら視点が面白い。ヒノマルの数とか結果とかに無縁な観戦姿勢が村上流。
    最後は真面目に決めてた。
    「小説も音楽も、心の痛みや悲しみを、深いところで誰かと担い合える。」
    まさにその通りだと思う。
    小説て音楽に救われている。

  • 面と向かうと饒舌ではないのだろうけど、内面はすごく奥深く、話題豊富で楽しい人。
    そんな魅力がいっぱい詰まったエッセイ。
    いつまでも読んでいたい気がする。

  • 疲れていて、ちょっと軽いものが読みたいとき、
    日常を、ちょっと別の視点でみたいときにサッと読める気楽な短編エッセイ。

  • ananに連載されていたエッセイ集。

    サラサラと読み終わった。中身はほぼない。書いてあるのは、単なる独り言や、軽い冗談のようなものだ。読み終わった後には何も残らない。でもそこがいい。文体もいい。読んでいる間は脳みそを空っぽにできる。気持ちよく読める。春樹のいくつかのナンセンスな短編と似た味わいがある。寝る前に読むといいかもしれない。

    今のポリコレ過激派なら突っ込みそうな箇所が少々あって、10年という時代の長さを感じた。

  • 1の時期から、時間を置いた連載だったよう。やはりおもしろかった。
    最後の章、いい。救われる

  • 村上春樹だいすきなので、エッセイはいくらでも読んでいられる。
    でもファンでなくとも、この軽快な文章はほんと楽しめると思う。
    長編小説が苦手なら、短編とエッセイをぜひ読んでみてください◎◎

  • 雑談エッセイ。当たり障りのない内容だけど、自分の知らない外国の話だったり、時代背景を思い起こされるような内容だったりするので、とても新鮮な気持ちで読める。

    印象的だったのは、三島由紀夫が太宰治に会いに行って「僕は太宰さんの文学はきらいです」と言った話。長嶋茂雄氏のミート・グッドバイ。アイスランドの健全なセックス・チャンネル。今昔物語の大きな蕪で妊娠してしまった話。

    そして、人生で辛かった時に、その時たまたま一緒に過ごした音楽の話。ベネチアで小泉今日子。

    「人はときとして、抱え込んだ悲しみや辛さを音楽に付着させ、自分自身がその重みでばらばらになってしまうのを防ごうとする。音楽にはそういう実用の機能がそなわってる。
    小説にもまた同じような機能がそなわってる。心の痛みや悲しみは個人的な、孤立したものではあるけれど、同時にまたもっと深いところで誰かと担いあえるものであり、共通の広い風景の中にそっと組み込んでいけるものだということを、それらは教えてくれる。」

  • ある程度 いろんな物事が終わった時(〆切に追われていた仕事とか)
    私の場合 ふと読みたくなる。そして、その後村上春樹さんの文章のリズムが
    頭の中に残って、こう言う風に感想にも(  )とか使いたくなるのだ。

    なんて心地の良い言葉のリズムと比喩なんだろう。
    いつも思う。

    そして、新鮮なサラダをボールいっぱいバリバリと食べたくなる。

  • 村上春樹のエッセイ集『村上ラヂオ2―おおきなかぶ、むずかしいアボカド―』を読みました。
    村上春樹の作品は3年前に読んだ『村上さんのところ』以来ですね。

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    なぜ、アボカドはむずかしい? 
    究極のジョギング・コースってどこだろう。
    アザラシのくちづけの味、ギリシャの幽霊、ロシアと日本のかぶをめぐる昔話の違い……etc。
    小説家の抽斗(ひきだし)から飛び出す愉しいエピソードの数々。
    長編小説『1Q84』刊行後、雑誌「アンアン」に連載された人気エッセイ・シリーズ52編を収録する。
    『おおきなかぶ、むずかしいアボカド―村上ラヂオ2―』改題。
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    マガジンハウスの発行している雑誌『anan』の2009年(平成21年)10月21日号、2010年(平成22年)3月3日号、2010年(平成22年)3月24日号から2011年(平成23年)3月23日号に連載されたコラムを加筆修正してまとめて2011年(平成23年)に刊行された「村上ラヂオ」シリーズの2作目となる作品… 雑誌連載時に毎回ついていた「今週の村上」という一行コメントもすべて収録されています。

     ■十年ぶりに戻ってきて 村上春樹
     ■野菜の気持ち
     ■ハンバーガー
     ■ローマ市に感謝しなくては
     ■パーティーが苦手
     ■体型について
     ■エッセイはむずかしい
     ■医師なき国境団
     ■ホテルの金魚
     ■アンガー・マネージメント
     ■シーザーズ・サラダ
     ■いわゆるミート・グッドバイ
     ■オリンピックはつまらない?
     ■右か左か
     ■究極のジョギング・コース
     ■夢を見る必要がない
     ■手紙が書けない
     ■オフィス・アワー
     ■無考えなこびと
     ■やあ暗闇、僕の旧友
     ■三十歳を過ぎたやつら
     ■オキーフのパイナップル
     ■まるで豹のように
     ■もうやめちまおうか
     ■悪魔と青く深い海のあいだで
     ■タクシーの屋根とか
     ■ちょうどいい
     ■新聞ってなに?
     ■コミュニケーションが必要なんだ
     ■月夜のキツネ
     ■太宰治は好きですか?
     ■他人のセックスを笑えない
     ■本が好きだった
     ■携帯電話とか、栓抜きとか
     ■キャラメル・マキアートのトール
     ■おいしいカクテルの作り方
     ■あざらしのくちづけ
     ■うなぎ屋の猫
     ■ガラスの家に住む人は
     ■ギリシャの幽霊
     ■お一人様の牡蠣フライ
     ■自由で孤独で、実用的ではない
     ■おおきなかぶ
     ■こっちのドアから入ってきて
     ■アボカドはむずかしい
     ■スーツを着なくちゃな
     ■並外れた頭脳
     ■『スキタイ組曲』知ってますか?
     ■決闘とサクランボ
     ■カラスに挑む子猫
     ■男性作家と女性作家
     ■ジューン・ムーン・ソング
     ■ベネチアの小泉今日子
     ■挿絵をさせてもらって 大橋歩
     ■文庫版あとがき 大橋歩

    1.人の悪口を具体的に書かない 2.言い訳や自慢をなるべく書かない 3.時事的な話題は避ける… これが村上春樹さんがエッセイを書く時に自ら課したルールだそうです、、、

    そんな法則に則って書かれた、どうでもいいようだけど、やっぱりどうにも読み過ごすことが出来ない、心に沁みる興味津々のエピソード… 究極のジョギング・コース、オキーフのパイナップル、ギリシアの幽霊、あざらしのくちづけ――うーん、なるほど。

    いやあ、ほんとに。マッサージのように、心のこりをときほぐしてくれるハートウォーミングな語り口… それに彩りを添えてくれるのは、大橋さんの美しい銅版画、、、

    10年ぶりに帰ってきた、アンアン連載の伝説のエッセイ『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』… 村上さん曰く「“日本でいちばんおいしいウーロン茶”を目指して書いた」エッセイ。

    肩の力を抜いて、気楽にご賞味ください。

    大橋歩のイラスト(銅版画)と一緒に愉しみました… 村上春樹のエッセイや紀行って、心地良く、そして愉しく読めるんですよね、、、

    考え方に共感できるからなんでしょうねー 価値観が近いのかな… 憧れもあるんでしょうね、きっと。

    豊富な経験で得られた蘊蓄や寸止めされた下ネタの巧さが堪らないですね… 「今週の村上」という一行コメント(つぶやき?)もイイ感じでした、、、

    もっともっと読みたくなるエッセイですね。

  • とても読みやすい。面白かった。
    一つ二ついいこと言っていたが忘れてしまった。なんだっけな、もう一回読もうかなと思う本。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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