細雪(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101005126

感想・レビュー・書評

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  • なんと上中下巻それぞれ108円で古本を見つけた。それが読むきっかけ。
    こいさん?きあんちゃん?のっけから誰が誰なの???なスタートだったが、すぐになんてことなくなった。どちらかというと、上巻はのんびりしたテンポ。

  • 2・30年前に一気読み。しかも数年を経て再読。
    今また再々読。
    生涯、何度もページをめくる本ですね、きっと。

    やっぱり、映画よりこちらのほうがいい。

  •  文章が美しいので、どこからでも読むことができる。最初から最後まで一通り読んで、「ああ面白かった」で終わるような作品ではありません。小説ではありますが、詩に近いと思います。

     日本的な美しさとは何か、この一冊を深く読めば理解できるのではないでしょうか。「年増美」という言葉を見るにつけ、年をとるのも悪くないなと思ったりします。
     新潮文庫の上・中・下まで読んで、終わると寂しくなって、また上から、あるいは気に入ったところから読みはじめる。それを何度繰り返したことか。文学史に残る作品とはこういうものなのかと、しみじみ思う今日このごろ。

  • 上・中・下巻とあるが、読んでいて一度も飽きることはない。
    一文が長い。読点で文を繋いでいく。
    しかし、言葉を選び抜いている。だらだらと締りがない印象は全く受けない。文体に心地いいリズムを与えている。それが読み手を物語へと引き込む。

    関西の上流階級の姉妹達がいろんな騒動を起こす。
    見合い。結婚。出産。病気。事故。本家との反目や確執。恋愛。女性の自由・・・・。
    人物描写だけでもおもしろいが、作中に描写される季節の行事や行楽も情感がたっぷりでいい。

  • 谷崎潤一郎という文豪が、「細雪」という文豪の代表作が、とか色々言われているが、小難しとか難解ということは全くなく、素直にオモシロい!たしかに「上」「中」「下」と長いが谷崎の美文ですらすら読める。

    最初にとっとと四姉妹の名前さえ覚えてしまえばこちらのものだ!読める!

    あ、唯一、いかにもなお嬢様感(特に「雪子」の)が少しだけ鼻につくかも。それはそれでオモシロいけど。

  • 「こいさん、頼むわ。―」

  • なんて上手い描写だ、などと意識する事もなく、ふとした折に流れる文章に驚嘆する、これが小説が優れているということではないか

  • 上中下三巻。男の作家が描く女性像は大抵気に入らないのだが、谷崎は別だ。打算的で人目が気になる、でも情の深い生きものとして描き出された女性像には、よく知ってんなあとほとほと感心するしかない。無口で強情なモテキャラ雪子よりも、時に妹を憎いと思いながらつい心配してしまう幸子の方が、正直で魅力的に映る。
    日本人のあけすけさ、したたかさ、慎み深さが思い出されて、まんざら日本人も捨てたもんじゃないと思える。

  • 春になると読みたくなる
    三姉妹の京都の桜見物が圧巻
    あまりの華やかさに息がつまりそう
    その流麗な世界にいつまでもずっとこの本読んでいられる

  • 2023.12.29 読了。
    大阪では名の知れた名家、蒔岡家の4姉妹が織り成す日常を綴った長編小説上巻。4人姉妹の三女の雪子の縁談がなかなかまとまらず次女の幸子夫婦は心配し色々と話を持ちかける。


    谷崎潤一郎作品は「春琴抄」しか読んだことがなかったので、そちらに比べるとドタバタと様々なことも起こるが日々を描いた作品なので穏やかな気持ちで読めた。
    作品の大部分は幸子目線で語られている。
    この時代は結婚の順番さえも上からでなければならなかったり、四女の妙子がお金を稼ぐという行為も職業婦人は貧困な家庭のものがやることだったり、上流階級の家では現代と色々異なり大変そうだなぁと感じた。
    現代でもニュースなどで未婚率や子どものいない家庭の多さを話題にするということは、細雪程は格式ばっていないが「結婚することがステイタス」という考え方は未だに続いているのだなと感じた。

    幸子・貞之助夫婦は互いに思いやりがある夫婦で素敵だと感じた。

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著者プロフィール

1886年7月24日~1965年7月30日。日本の小説家。代表作に『細雪』『痴人の愛』『蓼食う虫』『春琴抄』など。

「2020年 『魔術師  谷崎潤一郎妖美幻想傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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