細雪 (中) (新潮文庫)

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著者 : 谷崎潤一郎
  • 新潮社 (1955年11月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101005133

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細雪 (中) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 夢中で読みふけってしまった。まだ中巻、そしてこれで谷崎の本は4冊目だというのに、外国の人に日本の作家を紹介するんなら、谷崎だろうと思うところまできた。この縦横無尽さは何だろう。この人は何だって書けるんじゃないかという気がする。

    さて中巻は日本の(娘さんの)美だけではなく水害やある人の死などもあり、緊迫したシーンもあって飽きさせない。面白いのは妙子。今だったら、自分の考えを持った自立志向の女の子とたたえられてもいいところを、姉に「こんなに迷惑をかけて」と思われてしまって気の毒というかもったいないというか。

    幸子視点で話が進むから、妙子が男二人をどう比べて決断したのか気になる。計算しているようで純粋なようで、謎な女の子。

  • (旺文社文庫特製版)
    上巻のゆったりとした日常感から一転して、ドキハラ展開が続きました。妙子とその周辺が中心で、近代的で時代の先を行こうとする妙子と旧態依然とした姉たちの対比から、当時の価値観が知れて面白かった。妙子みたいな人はこういう旧家に生まれたら窮屈なやろなー。
    上巻で空気やった鶴子も結構出てきたよ。

    妙子が奥畑のことを言った、「浪費家であるとか、浮気者であるとか、甲斐性なしであるとか、いう程度のことだけなら、何も縁であるから辛抱しようという考えがないでもなかったが、未来の妻のためにズボンを汚すことさえも厭う軽薄さを見ては、すっかり望みを失ったのであった。」
    は名言(?)やと思うよ。よく分かるよ。ただ、何であなたたち姉妹はみんな「浮気者」は許容範囲やと言えるのか理解できん。そんくらい懐の深い女性がいいという、谷崎の趣味か?こいつ(奥畑)余所で子ども作っとるんぞ。わたしには無理やわ。それ以外は全面的に同意。笑
    あと貞之助が好きです。洪水のときにあんなに体張って動いてくれて、旧家のお婿さんなのに進歩的な考え方をしていて、有能やけどめんどくさい関わりたくないと思ったらそそくさと逃げる

    中巻の陰の主役はお春どんやと思っている。上巻であんだけ株が下がっていたのに、洪水で汚名返上して、おおこのこすごい!有能!と思わせといてなんというズボラ女子。

  • ★評価は再読了後に。
    滑稽な感じを受けるのは当方だけなんでしょうか、関西とか血筋とか。作家の狙いとか意図とは別にあまりに時代が遠くになってしまった感じがして、これではあまり今では読まれないのかな?とふと思った次第。
    そんなことはないかな?それが作家の意図なんでしょうか?世に出回る谷崎評を念頭に置くと、そうではないなと思う。関西出身の人の独り相撲的意識を何気に理解できるだけに猶更その感ありです。

  • なかなか話が膨らんできて面白い。中だるみしない。

  • 中途半端な終わり方やと思ったが、三部に分けたのは筆者の知るところではないハズなので仕方ないか。
    「上→中→下と、どんどん引き込まれる。」とは言えないダラダラ感。
    さて、「下巻」に感動をもらえるのでしょうか・・・?

  • 中巻、ページ数が増える。
    大半は大水でのお話が大半。丁稚奉公を前にしていた板倉が妙子を助けることから急展開になる。しかし、終盤に病に陥ることになる。下巻へ続く。

  • 四姉妹の物語であると、それぞれの女性の性格の違いによって読者が肩入れしたり気に入らないと思ったりしながら読むことは必定だろう。

    長女鶴子は関西の本宅から東京へ転居することもあり、物語で取り上げられることは少な目となる。堅実で控えめといった印象の鶴子が、わたしは個人的には嫌いでないので残念ではある。

    次女幸子は物語の中心であり、性格としても姉の鶴子への気遣いと共に妹たちへの目配りといったことが細やかに行える幸子が一般には好まれるだろう。

    三女雪子の縁談がまとまるかどうかが、雪子自身にとっても姉たちにとっても気がかりであるのに、煮え切らないというかグズグズはっきりしない雪子は読んでいてももどかしい。

    四女妙子は末っ子とはこういうものといった奔放さ。やりたいことを好きにやって自分が一番という身勝手ともいえる様は、同じ末っ子であってもこんな自由気儘に生きたことがないわたしには羨ましいやら呆れるやら。

    この作品が映画化されるのもよくわかる。
    美しい四姉妹というだけで十分華やかなところへ、昔ほどの繁栄はなくとも経済的に豊かな日常は、まさに絵巻物といった風で、映像として見せたら映えること間違いなしだ。
    原作を読むまでは映画は観ないと決めていたが、この美しい物語を映像で観てみたくなってきた。

    雪子と妙子がどうなるのか気になる下巻へ。

  • 洪水に巻き込まれるやら次々に見合い話に翻弄されたりドラマティックすぎる展開。再再読。

  • (2016.06.13読了)(2013.01.25購入)(2009.09.10・93刷)
    中巻は、四姉妹の末っ子の妙子さんがメインでした。
    奥畑の啓坊(啓三郎)と結婚するにしても、経済的に自立できるようにしておきたいので、人形制作ではなく、洋裁をメインにしていきたいと、洋裁学校に通い始めています。
    さらには、洋裁学校の先生の勧めもあって、フランスのパリへの留学を考え始めています。そのためには、まとまったお金が必要です。両親が妙子さんの結婚に際して必要なお金を本家に残しているという話があったので、そのお金を留学費用に充てようと、本家にお願いするのですが、了承してもらえませんでした。
    他には、神戸を襲った洪水の話、東京を襲った台風の話、舞の発表会の話、など、ドキドキハラハラさせられる話が満載です。
    隣人のドイツ人一家(シュトルツ)の帰国の話もありました。時代を反映した話でもあります。
    女中のお春さんの活躍も大変なものでした。ご褒美に日光まで観光に行ってきました。
    奥畑さんのライバルとして、板倉さんが登場するのですが、哀しい結末が待っていました。さて下巻はどうなるのでしょうか?

    シュトルツ、シュトルツ夫人(ヒルダ)、ペータア、ローゼマリー、フリッツ
    本家の子供、輝雄、哲雄、秀雄九つ、正雄、芳雄、梅子四つ、
    十五を頭に、十二、九つ、七つ、六つ、四つという六人の子女
    奥畑啓三郎(啓坊)
    板倉勇作(米吉、米やん) 写真屋
    山村さく 舞の師匠
    ボッシュ 瑞西人

    ●恋愛(16頁)
    恋愛と云うものは、相手の男が見込みがあるからとか、下らないからとか云うことのみで、成立ったり破れたりするものではあるまい、少なくとも自分は、なつかしい初恋の人をそう云う功利的な理由で嫌いになれない、自分は啓ちゃんのような下らない人を恋するようになったのも何かの因縁と思うばかりで、後悔はしていない、
    ●山津波(55頁)
    此処ばかりはそんな山津波の痕跡などは何処にもない。電気と、瓦斯と、水道が停まったことだけは、被害地並みであるけれども、ここの家には水道の外に井戸もあって、飲料その他の使い水には不自由をしない
    ●山津波の記録(84頁)
    阪神間には大体六七十年目毎に山津波の起こる記録があり、今年がその年に当たっていると云うことを、既に春頃に予言した老人があって、板倉はそれを聞き込んでいた。
    ●阪神間と東京(164頁)
    此処に彳んで松の樹の多い空気の匂を嗅ぎ、六甲方面の山々を望み、澄んだ空を仰ぐだけでも、阪神間ほど住み心地のよい和やかな土地はないように感じる。それにしてもあのざわざわした、埃っぽい、白っちゃけた東京という所は何と云う厭な都会であろう。東京と此方とでは風の肌触りからして違う、
    ●夫の条件(216頁)
    彼女はもう、家柄とか、親譲りの財産とか、肩書だけの教養とか云うものには少しも誘惑されなくなった、
    自分の夫となるべき人は、強健なる肉体の持主であることと、腕に職を持っていることと、自分を心から愛してくれ、自分のためには生命をも捧げる熱情を有していること、この三つの条件にさえ叶う人なら、他のことは問わないと云うのであった。
    ●自由結婚(337頁)
    父母の同意を得ないでする結婚。戦前の民法では、男子は三十歳、女子は二十五歳に達すると、父母の同意なしに結婚することも出来た。が、親の意志に背くことは、すべて親不孝であり、道徳的な非難の対象になった。

    ☆関連図書(既読)
    「細雪(上)」谷崎潤一郎著、新潮文庫、1997.04.10(1955.10.30)
    「痴人の愛」谷崎潤一郎著、新潮文庫、1947.11.10
    「鍵・瘋癲老人日記」谷崎潤一郎著、新潮文庫、1968.10.25
    「源氏物語 巻一」紫式部著・谷崎潤一郎... 続きを読む

  • 中巻は何といっても豪雨による大水害の描写が圧倒的でこの場面は一気に読み切ってしまった。読みながら昨年の関東・東北豪雨の様子が思い出されて、妙子が無事だとわかるまで本当にハラハラしながら読んだ。
    この巻の中心は妙子だが、視点は幸子なので妙子自身がどう考えているかはあまり出てこない。そんな彼女が幸子に自分の気持ちを打ち明けるシーンが印象的だった。この姉妹は単なる仲良し姉妹ではなくて、旧家ということもあるしそれぞれの立場で損得勘定も持っており、利害の対立する時もあるのだけど、それを踏まえた上で相手の気持ちも慮っている。妙子もただの不良娘ではなく、「こういう事情で」「自分はこう考えるから」と筋道立てて説明し、出来る限り家族に迷惑をかけないよう自立の道を進もうとする。合理的なものの考え方をする、現代のキャリアウーマンに通じるものがある。
    幸子が雪子と妙子という二人の妹を「悦子にも劣らぬ可愛い娘であったと同時に、無二の友人でもあった」と気が付く場面も好きだ。こういう姉妹関係って理想の極致じゃない?強烈に憧れるんですけど。
    おとなりのシュトルツさん家の子どもたちと遊ぶ悦ちゃんの「アオギリギリ」のやり取りもすごく微笑ましくて、雪子ちゃんと同じく笑いがこぼれた。

  • 愛しき関西。

    大水害と、東京の嵐と、四女・妙子の恋愛事件のすったもんだの顛末。生まれ育ちというのは、そんなに尊いものかと思いますが、でもやっぱり最終的に気が合う・気が合わないの、理屈では通らない部分があるのかもしれない。けれど、姉妹として同じ家に生まれても、理解し合えない部分があるのも本当のことで。幸子の苦労がしのばれます。むしろ、貞之助の方だろうか。雪子、結婚できるの?

  • んもう、最後なんなのよ。

  • 上巻の静けさが嘘のようだった。
    中巻はやや分厚くなり、話の中心は四姉妹の末娘妙子、こいさん、当時における現代っ子である。
    タブーであった身分差の恋愛がテーマであり、こいさんの相手である写真家板倉について使われる言葉がすごい。
    家柄、財産、教養が強健、腕に職、情熱とおもいきり対比較される。

    東京へ移った長女一家への行き来も多々あり、当時の東京が描写される。目に浮かぶその風景は今とあまりかわらないようでおもしろい。

    次女幸子の一人娘悦子とお隣さんドイツ一家の子供達のエピソードがかわいらしい。
    そして遊ぶ子供達の言葉遣いの綺麗さに驚く。

  • 上巻より濃密な中巻です。この巻のお気に入りシーンは、酢豆腐というギャグを言ったにも関わらず姉妹たちに全く通じずにスルーされた貞之助です。貞之助兄さん好きなキャラです。冷静で頭の回転も早く、何より妻の幸子のことをとっても大切にしてる感じ。幸子はほんと良い旦那さん捕まえましたね。
    今回はあまり雪子に目立った動きがないかわりに、怒涛の展開だったのが妙子。この時代に妙子ような性格の女性は窮屈だっただろうなぁと思いました。妙子の言い分は現実的で理にかなってるし、板倉も蒔岡家の皆様が反対するほど悪い男でもない気がします。妙子が事件ばっかり起こすのは、雪子が片付かないのに妙子は結婚しちゃだめ!っていう古い蒔岡の考え方のせいでもあると思いますし。妙子四姉妹の中で一人だけ毛色が違うので一番魅力的にみえます。そりゃモテるだろうなという感じです。
    しかし水害のシーンは迫力ありましたね。実際に水浸しになった町を見ている気分でした。

  • 上巻からさらに4姉妹の立像が明確になっていく。4姉妹の中で現代的な妙子の話が中巻の筋。大正、昭和初期の上流階級の中で異端といえる行動、発言をする妙子。いつの時代でも、四人も兄弟がいると一番下は強くなるのだなと、自分が4兄弟の中で育ったので、一番下の妹を思い出しながら読み進めた。この話し、どうやって終わるんだろう。雪子が結婚する以外にはエンディングが思い付かないがどうなんだろう。下巻が凄く楽しみ。そして下巻が終わればこの美しい世界が終わると思うと今から残念な気分になっている。

  • 上に比べて、大きな事件が何度か発生。その臨場感あふれる様子が文章で描写されてる。昭和10年ごろ、世界が不穏な方向に向かうことに触れられつつ、まだ平和な日本の様子が伝わってくる。

  • 関西特に神戸・芦屋の生活体験無いと実感分かりにくいかもしれないけれど、知ってる者にとっては、「そうそう!」の連続です。

  • 姉妹の中で一人浮いた存在に思えた妙子ですが、だんだん好きになってきました。現代的で自立した女性だから。職業婦人として生きようとする、現代ではもしかしたら女性から一番共感を呼ぶかもしれない妙子が、物語の中では若干疎んじられていて、そこに時代(と家柄)を感じます…。
    登場人物が書いた手紙はどれも文章が綺麗で整っていて、自分もこんな手紙を書けるようになりたいと何度も思いました。

  • 上巻、優雅な文章を楽しんでいたら、この巻ては大水害や姉妹の差別意識など、同じ調子ではとても読み続けられない展開。悪気なく「身分が違う」「低級な人間」と言う蒔岡家、なんぼのもんじゃい。ときに小説は当時を伝える記録として優れた論文を超える。

  • 中巻。奔放な妙子とつつましいお嬢さん雪子のふたりのキャラクターのコンストラクトが良い。妙子の奔放な生きざまは少しうらやましいなー。時代が違うのもあるけど、上流階級の優雅な暮らしって感じだ。姉妹の生活に少し変化も出てきたけど。大阪住まいだからあー、ここあのへんだなぁと想像しながら読めるのが楽しい。いいなぁ、谷崎。2012/617

  • 挑戦と挫折を繰り返し、ようやく中巻読了……。
    世界情勢に関係なく姉妹の暮らしは優雅で呑気。
    人の死が関わってる局面でも悠長だし、考え方も上流階級的で何か嫌だなあ、と思った。

  • 登場人物たちと同目線にて物語を読み進められ、その臨場感が面白い小説。昭和初期の日本人の人間関係や心理描写が面白い。

  • 妙子はこれも名家の奥畑と付き合っている。勿論この時代であるから、結婚が前提である。しかしこの男は只の金持ちのぼんくらであり、自由奔放で職業婦人となり自活したい妙子には耐えられない男であった。しかも結婚が延び延びになっていることを言い訳に、花柳界やカフェで遊んでいるのである。そこに発生した大水害により、妙子は写真館の板倉に助けられて九死に一生を得る。板倉は奥畑の家で丁稚だった男で身分は高くないが、単身アメリカに渡り写真の技術を身に付け写真館を経営しているという、当時としてはかなり先進的な男であった。その奥畑の許婚である妙子は、板倉にしても主従的な関係であったわけだが、お互い好ましく思っていたこともあり急速に接近し遂には結婚を誓い合う。しかしそんなことを認めるわけにはいかない幸子・雪子・本家や奥畑らは翻意を迫る。そして泥沼化しそうなところに、残念ながら板倉は病により帰らぬ人となってしまうのであった。最終刊でこの姉妹はどのような運命となるのであろうか…

  • 2014/11/15完讀
    這卷一開始就是大水災,妙子差點遇難,在板倉青年的勇敢相救下救回一條命,兩人之間開始滋生愛苗。不過幸子、雪子都堅決反對,認為身份差異太大,對方水準太低(竟然寧可讓妙子和在外面亂搞又有私生子的啓ちゃん結婚!!)。本家反對妙子成為職業婦女,認為這樣很丟臉,更拒絕讓妙子去巴黎學洋裁,甚至不願承認妙子有一筆錢寄在他們那裡。正在一切無解之中,沒想到最後急轉直下,板倉居然因為一場手術的細菌感染就突然離開人世,幸子雖然覺得不該這樣想,但放下了心中的一棵大石頭。(讀最後那幾十頁實在很難過,從東京鶴子夫婦的裝模作樣到板倉驟逝為止)

  • さすがに板倉が逝去する展開には驚き。妙子との関係を反対していた人々が内心ほっとしていたのも、わかってしまうのが切なかった……芝居や外食、現代のようにせかせかしたご時世と違いゆったりと文化を楽しむ姉妹が羨ましくてなりません……(笑)今でも上級階級の生活はこんな感じかな。

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