パンドラの匣 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006116

感想・レビュー・書評

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  • 青年の希望と未来を描いた生き生きとした作品。これも太宰。

  • 太宰作品に抵抗があり(暗いでしょう・・・?)
    なかなか挑戦できなかった私に
    「これはわりと明るいよ」と
    友人がプレゼントしてくれました。

    『正義と微笑』

    17歳の男の子の感情の機微、

    特に自分が他者よりも秀でて、
    特別であると信じ、特別でありたいと願っているーー

    そのもがく姿に共感が持てるなあ、と。
    少しのことで感情も思想も大きく変化していく一貫性の無さが
    少年期から青年期へ移行する期間のゆらゆらした感じがあって
    日記形式なのも相まってとてもリアルで面白かったです。

    「ゆったりと、真にカルチベートされた人間になれ!」

    教員を辞める黒田先生の言葉が印象的。

    『パンドラの匣』

    主人公目線での2人の女性の描写、
    友人への書簡形式ですすんでいく物語で
    最後の最後に書簡ならではの種明かしがあります。
    とても純粋な、青春小説であり、恋の物語。
    敗戦直後の若者は希望とは別に喪失感もあったのでしょうね。

  • 初めて読んだ時より面白くなかった

  • 正義と微笑は、冒頭近くの教師の言葉はすごく好きだけど、その先の展開にはあまり惹かれなかった。パンドラの匣は、甘酸っぱい気分になったし、文章が美しいと思った。どちらも日記とか手紙とかの変わった形式で書かれていて、実験的だな。

  • 笑える!爽やか!戦時中の作品とは思えません。
    ラストの
    「私はなんにも知りません。しかし、伸びて行く方向に陽が当たるようです」
    この文章が堪らなく大好きです。

  • 太宰治が永遠の青春文学だなんて知らなかった。
    ・正義と微笑
    タイトルからしてなんだか素敵だものな。
    帯にも書かれている先生の言葉も良いし、生活人には
    ロマンチシズムがもうないというお兄さんとの対比も
    印象に残っている。

    ・パンドラの匣
    人によって好みが違うから本当はどうなのかが最後まで
    分からなかった。

  • 演劇を目指す少年の日記と、結核と戦う若者の手紙をモチーフにした作品。
    どちらも若者特有の複雑で純粋な思考がすべて言葉になって表現されているようだった。
    日記、または手紙形式なので、読みやすかった。

    もう一度読んだら次は違うように感じるかもしれないので、また読みたい。

  • (Mixiより, 2010年)
    非常に読みやすいんだけど、あまり印象に残らなかった。 大きな物語の枠組みの中で共感ポイントがあると、「おっ」と足を止めてみるけど、この作品はお話にあまり広がりがないため、割とすらすらと流してしまったかな、って感じです。「斜陽」「人間失格」のような読み応えを期待すると、楽しめないかもしれません。

  • パンドラの匣:
    思春期ならではの、ちょっとした出来事で感情が180度回るみたいな、くるくると変わる機微が愉しい。こんなだったなぁって感じ。そして、手紙の方式での語り方なので、完全手紙の書き手の主観で物語は進む。事実かどうかはわからない。そこもおもしろいし、わりと肝なのでは。主人公は結核を患ってるはずですけど、普通の少年と変わらないような、むしろ明るくて、読後はなんとなく前向きな気持ちになれます

    正義と微笑:
    主人公の芹川進の行動にたまにびっくりします。面接の挑み方とか、あぁ、入試前に読んでたら、全然、違う面接してたかも‥とか思った。芹川進は面白い人間です。進路というか、本当にやりたいこと、について考えさせられますから、ああ高校の時に読んどけばよかったなぁって後悔しました。そうしたら今私はここにいないかもなぁって思いました。

  • 絶望を知っているからこそ希望を誰よりも愛おしく書くのが上手い

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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