津軽通信 (新潮文庫)

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著者 : 太宰治
  • 新潮社 (2004年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006154

津軽通信 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 黄村先生集すっき。太宰の滑稽ものは面白いなあ。武蔵の独行道をひいていちいち書き直してるの、ほんとしみじみ同感するw
    短編もそれぞれ味があって、いやうまい。

  • 黄村先生のシリーズには笑った。
    特に「花吹雪」がお気に入り。
    それにしても、太宰を読むのは久し振り。
    他の作品は学生の頃一通り読んだけど、何となく自分が太宰より歳上になって作品を読むとは思ってなかったから。

  • 中期の安定してい時期から死の間際までの太宰の短篇を収録。死の近づいた時期の作品「酒の追憶」はそれを感じさせないほどユーモラスである。連作「短篇集」の「ア、秋」は詩情豊かな作品だ。「秋ハ夏ノ焼ケ残リサ。」なんてそりゃカブれます。「リイズ」がかなり胸キュン。女性にはぜひ読んでもらいたい。「黄村先生言行録」は風変わりな老人黄村先生の行動がおかしい。三編とも好きだ。「チャンス」は「恋愛はチャンスなんかではない。意志だと思う」に始まり据え膳食わない太宰がかわいい。太宰の短篇巧者ぶりが軽く楽しめる好著だ。

  •  表題の『津軽通信』は、戦時中、太宰が郷里津軽の生家に疎開した当時に書かれたという五編。他に『黄村先生言行録』シリーズとされる三篇も。全ニ十篇。

     新潮文庫の太宰の全作品を読み終えつつあるが、なかでもこの短編集は、最も気に入ったものになりそうだ。きゅっとコンパクトに仕上げた短編の面白さと巧さ、随筆の味わい深さを、併せ持つ。粒ぞろいだ。そして、おだやかな作風のものが多く、太宰の優しい人柄を感じられるものも多く入っている。

    以下、特に心に残った作品。
    「短編集」からの『デカダン抗議』と短編『チャンス』は、いずれも青森での青年時代、芸者の娘との思い出とエピソード。甘酸っぱい記憶と、艶っぽい味がある。

    『未帰還の友に』と『酒の追憶』は、いずれも、戦時中の友との邂逅を綴った随筆のような作品。『未帰還…』は、戦地に赴く青年と上野でつかのまの盃を交わした日のエピソード。太宰とその青年は、それまで高円寺のおでん屋「菊屋」に通っては、戦時下の物資不足で入手困難だった酒を呑もうと、あの手この手の悪知恵を働かせていた呑み仲間だった。そして、そのおでん屋の娘と出征学徒の青年の、その後のほろ苦い後日談。青年の誠実な人柄を愛している太宰、そして二人の恋に責任を感じる太宰の生真面目さ。せつなさが胸に迫る。

     『酒の追憶』は、戦前戦中を通じ、時勢によってお酒の飲み方が移り変わったことや、太宰自身が酒に呑まれた失敗談も織り交ぜてある。さらに、戦中、貴重なウイスキーの瓶を風呂敷包みに抱えて遠方より来たる友人、丸山君との思い出が描かれる。やはり、酒呑みの気持ちをよくわかっていて粋なはからいをしてくれた丸山君をいとおしむ太宰の気持ちが滲んでいる。友と再会し盃を交わす太宰は、ほんとうにうれしそうだ。太宰は友を大切にする優しい男だったように思う。解説によれば、丸山君はその後広島の原爆で帰らぬ人となったそうだ。

    『嘘』は、戦時下の青森で“脱走兵”(入営忌避)をかくまった妻のエピソード。『雀』は、伊豆伊東の射的屋で、看板娘の膝を思わず射ってしまった若い兵隊の苦い思い出を綴っている。このニ篇、切れ味見事な短編で巧い。面白い。

    この文庫、いつか再読したい、と思う。



     

  • 短編集。黄村先生言行録。戦時中で規制のある中風刺の効いた作品。もっと続けて欲しかった。2016.1.24

  • 2015.12.3 読了

  • こういう太宰治の作品もあるのかと、新しい発見になった本です。
    面白くて、あたたかい感じがします。いくつか太宰治の作品を読んだ後に読むと、もっと楽しく読めると思う。

  • 読むの疲れたー

  • 黄村先生シリーズを初めて読んだとき、これ本当に太宰の作品?というほど新鮮な気持ちになった。それでもサービス満天のユーモアが溢れている。「酒の追憶」は太宰が自殺する3ヵ月前に書かれたと知って、最後の最後まで読者に対してユーモアを忘れなかったと思わせる。自分の作家道を貫き通した太宰に感服。

  • 『津軽通信』
    これも太宰自身のことを書いているような小説です。
    『東京八景』のさらに後、太宰は疎開のため故郷の生家に戻ります。
    そして、その直後、敗戦が告げられます。そういう時代の作品です。
    『津軽通信』は『庭』『やんぬる哉』『親という二字』『嘘』『雀』の
    5作品の短編をまとめた作品集のタイトルで、
    生家で世話になっている兄のこと、同級生の友達のことなどが書かれています。
    なんかね、戦争の悲惨さを感じました。
    別に戦場の場面が書かれているわけではないんですが、
    戦争によって人々がどういう暮らしをしていたのかな、とか
    どういう風に変わってしまったのかな、とかそういうことを考えてしまいました。

    『チャンス』
    これはなんか面白くて笑ってしまいました。
    太宰的、恋愛論。
    とでも言うか、恋愛ってこんなものじゃないかなというのを書いています。
    前半部分で恋愛とはこういうものじゃないか、ということをつらつらと書いて、
    それを裏付けるような一夜の体験を後半に書いている作品です。
    解説では、前半部分を珍しく理屈っぽく長すぎる、という風に書いてあるのですが、
    私はこの前半部分が好きです。
    むしろ、これがあるから後半がより面白く感じるんでしょうね。
    今、恋愛指南書とかたくさん出版されてるし、
    ファッションでも異性を意識した特集とか組まれているようなご時世ですが、
    「モテ」を考えている人は読んでみると目が覚めるような感じがするかもしれませんね。

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