地図 初期作品集 (新潮文庫)

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著者 : 太宰治
  • 新潮社 (2009年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006185

地図 初期作品集 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 2016/9/28

  •  旧制中学・高校時代の習作から、20代半ばの作まで、最初期の短編を集めた作品集。
    ※30代の3短編も含むが、主に10代~20代前半の短編作品を集めている。

     荒削りで、ゴツゴツしたぎこちなさがあるものの、
    10代の作にして既に文芸作品の趣を備えていることに驚く。典雅で教養ある語句や言葉使いも多く、学生離れした教養を感じさせる。

     さらに、作品『此の夫婦』では、19にして、夫婦の機微を描いている。
    この頃から、登場する女性は、粋ではすっぱな女や、
    不埒な感じの女である。 太宰の好みが伺える。
    そういう部分をはじめ、青年期の生身の津島修治なる人物をまるごと感じて受け止める…、という読書を味わえる。

     作品集の終盤『断崖の錯覚』は、24歳当時の作品。既にして“心中物”である。また、作家への気負い、自負と虚勢、それが次第に虚実ないまぜになっていく構造・設計が巧く、面白い。
    『洋之助の気焔』も24歳頃の作。会話体のねっとりした手ざわり感といい、女の存在感といい、既に太宰治のスタイルが出来上がっている。

  • ここに収められる作品のほとんどは太宰が中学生・高校生だった頃の作品。10代の頃の作品が、全集ではなく文庫として出版されるとは……太宰がいまだに現代のトップランナーであるか、その人気がわかる。

  • 自分を客観視して何を欲したのか?

  • 保有状況:譲渡&購入日:40179&購入金額:540

  • 太宰の初期作品集。

    やっぱり初期の作品って、多くの作家やアーティストにも言えると思いますが、荒削りの中勢いがあって攻撃的。

    「生きる為に生きて居る人間も悲惨だろうが、世間体の為に生きて居る人間は、もっと悲惨だ」「世間体の為に生きて居る人間—それは中産階級に最も多い」(『彼等と其のいとしき母』より)

    これは紛れもなく太宰の世界。

  • 太宰治の初期の作品。

  • これが中学生?これが太宰?
    と、探り探り読んだ一冊です。

  • 図書館で借りて読了。

    中学時代の同人誌など、太宰治誕生以前の初期作品22篇と、太宰治以外の筆名で発表された2篇、それ以外に太宰治名義の4篇、計28篇の短編集。

    十代の頃に書いたものもあるというのに驚いた。
    習作なのか、同じようなテーマの作品が続いていることもあり、自尊心とその屈折、疑心暗鬼、ひたすらの自意識に、気が滅入ってしまったりもして、少しずつしか読めなかった。
    けれど、これらの作品からより修練されていくうちにのちのちの作品があるのだろうなぁというのははっきりわかった。「太宰治」としての作品ももっと読みたくなった。

    「角力」、「名君」、「虎徹宵話」、「断崖の錯覚」、「貨幣」が好き。

  • 太宰治の初期作品集。一つ一つの作品が短いため読みやすい。だからといって内容が薄いというわけではなくそれぞれ深さを持っている。表題になっている地図をはじめ、彼等と其のいとしき母、断崖の錯覚、律子と貞子、貨幣、洋之助の気焔などが面白かった。

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地図 初期作品集 (新潮文庫)の作品紹介

石垣島制圧に沸く琉球国を、祝賀のため訪れた蘭人たち。彼らが献上した軸物を見るや国王はたちまち顔面蒼白になった…。表題作「地図」をはじめ、「怪談」「花火」など同人誌等掲載の初期作品を通して、中学生津島修治から作家太宰治誕生までのドラマを読む特別篇。後年、太宰の筆と確認された「断涯の錯覚」や、文庫初収録の「貨幣」「律子と貞子」など文豪への出発点を刻印する作品群。

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