文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101010182

感想・レビュー・書評

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  • 漱石の内側を覗き見られる作品
    思い出すことなど、はすごい引き込まれる

  • 大昔に読了。内容が薄れてるのでまた読みたい

    夢十夜は大前提として夢の中の話なので、少々ぶっ飛んでいる話も多数あって飽きない。

    もう死にますのお姉さんの話が好きだった

  • 阿吽像で知られる仏師、運慶が彫刻する描写にしびれた。

  • 折角紹介するならみんなが実際に読んでくれたらいいなと思ったので、だいぶ短めの小説を選びました。検索するとすぐに本文や、朗読動画などが出てくるのでオススメです!

    「夢十夜 」夏目漱石

    [作者について]
    作者は大正時代に活躍した作家である、皆さんご存知の夏目漱石です。代表作は「我輩は猫である」「坊っちゃん」「こゝろ」など、教科書に載っているものもあり一度は彼の作品を読んだことがあると思います。彼の手掛ける作品の特徴は、世俗を忘れて人生をゆったりと眺めようとする、当時では主流の自然主義と対立した「余裕派」と呼ばれたものです。
    知っている方も多いと思いますが、夏目漱石というのはペンネームで本名は夏目金之助と言います。故事の「漱石枕流(ざっくり言うと負け惜しみの強いことを表す)」から取ったということを、中学の授業で習ったのを未だに覚えています。頑固者で自分のことを変わり者と思っていた漱石は、こんなペンネームにしたそうです。

    [作品について]
    この作品は1908年に10日間にかけて東京朝日新聞で連載され、漱石にしては珍しいジャンルのファンタジー色の濃い作品です。なんとも説明しづらい内容ですが、新潮文庫版のあらすじには意識の内部に深くわだかまる恐怖、不安、虚無などの感情を内面から凝視し、〈裏切られた期待〉〈人間的意思の無力感〉を無気味な雰囲気を漂わせつつ描き出した。とあります。ちなみに、この小説を書いた前年に漱石は教職を辞して胃病を発症しています。本文は内容が全てバラバラのオムニバス作品になっていて、一夜一夜で全くの別作品で楽しめます。個人的には薄暗く、ぼんやりとしたイメージの作品だと思います。第一夜、第二夜、第三夜、第五夜の書き出しである「こんな夢を見た」というのが有名なフレーズだそうです。

    [感想]
    このお話は作品単体を楽しむだけでなく、作者のその時の境遇、時代背景を含めて内容に思いを巡らせることで二重にも三重にも考察できる作品になっていると感じました。正直あらすじにすると全く意味のわからない話だと思いますが、自分の想像力や思考力が試される作品だと思います。
    短編なのであらすじを詳しく書くと読む楽しさが半減してしまうためざっくりとした紹介しかできなかったので、気になる方は是非読んで頂ければと思います。個人的に好きなのは第二夜、第三夜、第九夜です。暗い話があまり好きではない方は、第一夜なら比較的読みやすい気がします。
    いま暗い世の中だからこそ生じる負の感情から逃げたりするのではなく、この作品を通して今の自分の負の感情と向き合ってみるのも良いのではないでしょうか。

  • 『文鳥』が好きです。文鳥の可憐な姿や愛らしい様子、昔の綺麗な女性に例えているところも秀逸。時間と共に鳴き声が変化する様や面倒と思いながらも文鳥の存在を意識する主人公(著者?)も可愛らしい。世話を怠ってしまい最後は死んでしまうのが何とも物悲しく、物語全体として美しいという印象。
    『思い出す事など』は、著者が修善寺での療養の間に危篤状態となり一度は『死んだ』事から生に対する思いなど感じるままに綴られている。世話をしてくれる人々や心配する身内などに対し優しい気持ちになったり、著名な外国の作家と自分を比べたり。病床にあってじっくり思いを巡らす様子が漱石独特の表現で味わう事が出来て、漱石の文学に触れる上で、その楽しさにより深みが増すように思われた。
    『永日小品』も日々の出来事が徒然に語られている感じが良かった。
    いずれにしても他の短編も含め、漱石が生きた時代にタイムスリップしてみたいような余韻が残る一冊。

  • 漱石は読みやすくて好き ユーモラスだけど切なかったり不穏だったり 夢十夜は幻想的で良かった

  • 第一夜、素敵

  • 『文鳥』★★
    川端康成の『禽獣』を思い出した。
    『夢十夜』
    第一夜 ★★★★★
    幻想的でとても好き。パロディ化された作品で見知った。オリンポス神話を想起されるような悠久の時の流れ。まさに夢のような光景。
    第二夜 ★★★
    江戸と明治の狭間に生まれた漱石。そんな漱石が生きた時代を抽象化したような夢。
    第三夜 ★★★★
    これは怖い。誰もが一度はふと思い至る、因果応報の逸話のような夢。
    第四夜 ★★
    中国の奇怪譚のような印象。
    第五夜 ★
    中国春秋時代の物語のような。
    第六夜 ★★
    鎌倉の仏師・運慶が明治まで生きている理由。廃仏毀釈の時代が投影されたような夢。

  • やはり文章がよい。目に映る光景の移動、音。

  • 久しぶりに漱石の本を手に取った。
    まだ読んだことのなかった、短編集。
    良かった!

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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