四十八歳の抵抗 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 128
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101015149

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが気になって、手にとって、いったん本棚に戻し、、一度通り過ぎてからまた戻ってきて購入した1冊。
    結局、1日で読んでしまった。
    「わたなべじゅんいち」的な展開を予想したが、なんというかお行儀のよい展開。それもそのはず。古き良き時代?の新聞連載小説だったのですね。時代的な感覚が、給与の額とか男性女性の考え方などでずれていることが分かるのに、なぜか、主人公のもつ悲哀の部分には共感できるんですよね。
    いつの時代も、家庭をもつ中年おやじはこんな感じなのかな。いままでも、そしてこれからも。

  • 作者はなぜ、ちょっと余韻を残す終わり方をしたのか。ファウストかぶれのジジー西村はどうなるのか。そういう意味で、ファウストを読んでみたいと思った。今と昔いつでも気持ちは変わらないし、うまくいかないことの方が多いという、世知辛い世の中だ



    人間が本心から望むことは、大抵恥ずかしいことばかりです。恥ずかしい事が人生では、一番大切なことなんです。恥ずかしい行為を我慢するのは、腸の排泄が止まったような物で、1番衛星にわるいんです。(p.69)

    実に無邪気と罪のなさとが、自分を知らずに、自分の神聖な値打ちを知らずにいるのが不思議です。それを知らないのが本当の無邪気というものかも知れない。(p.194)

    彼女はいつも全身で誰かを待っている。待っている時の女はみずから匂いやかな蜜にぬれているのだ。(p203)


    「どうぞ御自由に。しかし御忠告しておきますが、女を約束で縛ろうと思っても、それは無理ですよ。女は水みたいなもので、縄でも縛れない、鉄の輪をはめても縛れない、釘で止めるわけにもいかない、石で押さえつけるわけにも行かない…」
    「じゃ、どうすればいいんだ」
    「こっちが水びたしになるんでしょうな」p.237

  • 初の石川達三.私が中高生だった昔,本屋の本棚では新潮文庫が今よりもずっと幅をきかせて並んでいて,その中で石川達三は小難しそうなタイトルの本が何十冊も並んでいて存在感があった.今は数冊しか手に入らない模様.

    この小説は昭和30年読売新聞連載で,読みやすい.

    内容はなんともまあ身につまされるというか,中年男のどうしようなもない部分をうまく描いている.客観的に読めば醜悪だが,そうとばかりいえないのが悲しいところ.
    女性が読めば男の身勝手さに腹が立つだろう.出版社が絶版にしたがるのもこのご時世わかる気がする.

  • 読了。戦後の恋愛観、結婚観に照らすと現代はまさにカオスなのだなと実感。しかし時代背景が変わろうと火遊びをしようとする男の心理は変わってない(笑)

  • 読んでてツラい、男としてツラい。面白かったけど。

  • 09.7.19

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