青春の蹉跌 (新潮文庫)

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著者 : 石川達三
  • 新潮社 (1971年5月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101015224

青春の蹉跌 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 読みそびれ・昔のベストセラーで、一種の妊娠小説(斎藤美奈子)だが、俺ら等には大抵無関係な話。作中に「情事の責任」(p.230)なる語が現れるが意味は転轍させられる。図書館本。 16

  •  金持ちのいとこと結婚するため邪魔になった恋人と別れようとするが彼女が妊娠してしまい……、というありがちなプロットながら司法試験に合格するエリート法科学生である主人公のあまりに冷めたリアリストの視点が面白く、読みごたえはありました。また、叙述トリックものというわけではないですが、『イニシエーション・ラブ』を彷彿させるような「女こわっ」ってなるラストのどんでん返し(?)もヒヤッとしました。

  • P253
    人間の隠された心理を汚く描いた小説、理由なく面白く読めた。

  • 幸せとはなにか、本当の愛とはなにか?
    後半から徐々にスリルあふれる展開。
    そして衝撃のラストが待つ。

  • 社会、結婚、資本主義、罪、死、幸せ、これらは一体何なのか考えさせられた。完璧なんてないんだから、できることなら蹉跌につまづいても「つまづいちゃったよー」ってヘラヘラしていたいなー、と。

  • 女優の橋本愛さんのInstagramがきっかけでこの小説の存在を知り、即本棚に登録。
    そこから約半年、急に読みたい意欲にかられAmazonから中古で取り寄せ、読み始めたら止まらなくなり一気読みで読了。
    無駄な描写が一切無く読みやすく引き込まれる。
    高校生くらいで読んでおきたかった。
    若者に読んで欲しい作品。

    司法試験に合格し資産家の令嬢との婚約も… 描いた通りの将来が約束されていたのに…。
    婚約の内祝言で主人公の江藤賢一郎:「つまり法律というものは人間のあらゆる欲求を、正当な欲求と不正な欲求とに分類してるわけですよ…」

    昭和文学、法律、司法試験、男と女…。

  • 時代的な背景や世情が現在と異なるとはいえ、ドンドン引き込まれるストーリー展開。結末は、何とも虚しい…。

  • 「決心を実行することよりも、妥協することの方が、ずっと容易だった」

  • 【本の内容】
    生きることは闘いだ、他人はみな敵だ――貧しさゆえに充たされぬ野望をもって社会に挑戦し、挫折していく青年の悲劇を描く長編。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    生きることは闘争だ。

    平和を叫ぶやつの大部分は敗北者だ。

    頭脳明晰で野心家の法学生江藤は、司法試験に合格し、資産家の娘との結婚話を進める。

    だが、愛人の登美子との関係をやめられず、ある悲劇を招いた。

    大学紛争の激しかった1968年に出版された一冊は、萩原健一主演で映画化され、文庫は累計208万部を数える。

    テレビ朝日系の「スーパーモーニング」で先月紹介され、増刷された。

    番組の中で作家の吉永みち子さんは「登場人物と同じ年ごろに読み、恋愛観が変わった」と語った。

    政財官の癒着に切り込む『金環蝕』や『蒼氓』などで知られる著者(1905~85年)の作品は今年3月、中年会社員の危機を描く『四十八歳の抵抗』も復刊された。

    人間の内面を描くその言葉は稠密だ。

    「あなたは犯人の男と被害者の女の、どちらに同情しますか」と、宣伝文に書かれている。

    ちなみに記者は、13年前、女の愛欲の気高さと怖さに共感した。

    34歳の今は、男の幼さにもひかれる。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 江藤は精神面であまりに幼かったのだろう。追い詰められて観念的になってしまった。そういう意味では冒頭に出てきた左翼学生の三宅と同じであった。
    まったくもって,人間は危うい期間を,人生の中で過ごさなくてはいけないのだなあと思った。

  • キャラクターは極端にデフォルメされつつ、動かし方がリアルなのであまり不自然さは感じさせない。小説の根底に流れる問題意識は現代にも通じるものがある~な~どとそれっぽいこと言いつつ
    頭のいい男がかくもお粗末な愚行に走るとは。ラストは物悲しさすら感じる…………

  • こういう内容が取り上げられていること自体にはとても共感できるのですが、私には書かれ方が少し明快すぎました。ハッとさせられる感じがなかったです。

  • 中国人の友人から、読んだことがある日本の小説として紹介されたので読む。問題の当事者になると、周りが見えなくなり、判断を誤り、過ちを犯してしまう、難しい。

  • 司法試験に挑まんとする大学生の賢一郎。家庭教師の教え子である登美子と、裕福な家庭に育つ伯父の娘・康子、どちらと結婚すれば有利に働くか算段するが…

  • 鼻持ちならない自信家の秀才が女を二股したあげく
    のっぴきならない状況に追い込まれて道を踏み外す…
    そう書くと、なんだか溜飲の下がるような話だが
    実際の読後感は、吹雪の夜に裸で外へ放り出されたようなものだった

    彼はみずからの力を信じ、世界の秩序を信じていた
    世界は己の意思による働きかけで変えてゆけるものだと、
    素直に信じてしまったんだ
    その一方で彼は、人を疑うということをよくわかっていなかった
    考えたくなかったんだと思う、自分が他人にあざむかれ、踊らされている
    ただの滑稽な人形かもしれない、なんてことは
    だからこそ、逆に彼は
    他者を人形のように扱い、始末をつけることで
    世界に対するみずからの誠実さを証明しようとしたんではなかろうか

  • 第1回芥川賞受賞作家石川達三さんの作品。
    司法試験受験生を中心とした人間模様が書かれており、時代の違いはあれど普遍的な思いがなげかけられているような気がする。

    文学作品として構えて入ったものの、文体は読みやすく、内容にすぐ入り込めてしまった。
    結局だれが悪かったのか私にはわからなかった。

  • 自分はエリートになり、他の人間とは違うのだと思いあがった学生の転落する様。思い上がりや嘘や不義理、計略によって自らが破滅していく。
    古い本なので、ちょっと読みにくいかなと思ったけれど、後半に行くにつれて面白く、意外とさらりと読めました。

    面白かった。

  • この本を読んで、人は欺き、欺かれて生きていくことを感じずにはいられない。

  • *学内図書館にて借りる
    主人公が自身を客観視し、冷静であるように見せつつも、結局はエゴイズムに負けて身を滅ぼす話。
    大きな問題のせいで、目の前の小さな疑問が見えなくなる。人間ってきっとそういうもの。

    学生運動というともはや現実的ではない現在であるにもかかわらず文章がすっと読み込めたし、何よりも熱中してすぐに読み切ってしまった。

  • 学生運動の中、貧しい生活を抜け出すべく野心に燃え、司法試験合格を目指す主人公。令嬢との縁談と教え子の女生徒との関係は、司法試験の進捗と共に複雑かつ深刻になっていく。
    主人公が必死に周りとの関係に対し、冷静に論理的思考でいようと、もがき苦しむ様は、読む方の胸を締め付け、ある種の共感すら覚えてしまう。
    周囲の人間をひたすらエゴと判断する法律的、論理的展開も読みどころの一つ。

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