ふぞろいの林檎たち〈2〉 (新潮文庫)

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著者 : 山田太一
  • 新潮社 (1990年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (674ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101018157

ふぞろいの林檎たち〈2〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評



  • 全13話それぞれの話も面白かったが、第一話の最初のシーンが特に強烈だった。

    健一と実が、富士山麓で新入社員研修を受ける場面である。

    この中で彼らは軍隊調の挨拶訓練や深夜の行軍、わけのわからない踊りなどをやらされる。

    そして研修の指導官がこう言うのだ。(このセリフはもちろんシナリオ本より抜粋)

    「こんな研修は、何の役にもたたない。しかしおまえらは、何の役にもたたねえことに全力を尽くすんだよ!」

    「世の中、やりがいがぎっしり詰まった、公平な職場なんてものもありゃしねえ」



    自分の研修は、ここまでの過酷な研修ではなかったものの、たいがいは軍隊調の規律訓練だった。

    モラトリアム状態の大学生の頭の中を、「社会人」に切り替えさせることが重要だったのだろうと今は理解できる。

    (実はその後、研修の事務局の仕事に就いたオレは、同様の研修を新入社員にやるハメになった・・)



    そして次に印象に残っているのは、仲手川良雄の上役であるセクハラ・パワハラ満載の課長だ。

    この役は、今は亡き俳優の室田日出男なのだが、これが本当にイヤな演技がはまり役だった。



    その他にも、大学時代のムカつく後輩に仕事のあっせんの依頼をする・・重要な取引先に賄賂を渡す・・

    親の死・・嫁姑問題・・初めての体験・・等々。何だか自分に投影させて夢中になった。



    その後「ふぞろい・・」はパート3、パート4.パート5と続いていくが、このパート2までがよかったな。

    清純だった陽子(手塚里美)が汚れ役となり、春江(石原真理子)いたっては、公私共にどんどん不気味な存在になっていく。

    (「ふぞろいな秘密」なんて本や映画で暴露話を公開するし・・・)



    もちろん、今のテレビドラマも若い人には印象に残る作品も多いことだろう。

    しかし、ちょうどこの「ふぞろい・・」が放映されていた頃に多感な時代を送った40代に与えた影響には及ばないと思う・・。

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