赤猫異聞 (新潮文庫)

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著者 : 浅田次郎
  • 新潮社 (2014年12月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101019277

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赤猫異聞 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 浅田節全開。
    長編が多い浅田さんですが、ほどほどの厚みの一冊できれいにまとまっていて完成度が高いなと思いました。

    明治元年、火の手の迫る牢屋敷から解き放ちとなった罪人たち。
    中でも重罪人とされている三人は、全員戻れば無罪放免、一人でも戻らなければ戻った者も死罪、一人も戻らなければ役人が代わりに腹を切る。

    関係者への取材という形は浅田作品ではお馴染みの手法で、スッと物語に入れます。
    ちょっと地味だけど、ラストはエンタメとしての驚きも用意されている。
    二時間の映画にちょうど良さそう。

    「法は民の父母なり」

  •  おお、これはアタリでした……! ストーリー云々の前に、牢屋敷のシステムや解き放ちのことなど、大層詳しく解説されていて、まずそこに感心するやら感動するやら。
     登場人物各々の視点で語られる解き放ちの顛末が、ゆったりとしていながら深みがあって良かったです。
     序盤ではさほど重要視されていない丸山小兵衛が、語りが進むにつれて存在感を増していくので、最後の語り手が彼なのだろうと見当をつけていましたが……ううむ、こう来たか。
     誰もの生き様も、それぞれに見事です。

  • 推理小説みたい

  • 浅田節炸裂の一冊。時代の終わりと始まりの狭間における不条理の中「生きる」と言うことを鮮やかに描いた作品。骨太且つ読みやすい、ストーリー以外にも毎度ながら緻密に描かれた下級武士や町人の暮らしぶりや苦悩には舌を巻く。

  • 一気読みしました。
    巧みな手法、構成、展開、そして内容・結末に引き込まれました。

  • 最期が畳み掛けるように切なすぎます。

  • 御一新の混乱期の江戸の話。展開は読めたけど、最後があの人の視点で語られるとは思ってなかったので、やられたーと思った。

  • 明治元年の暮に起こった火事による類焼を逃れて小伝馬町牢屋敷から解き放たれた囚人たち。博奕打ちの繁松、旗本次男坊の岩瀬七之丞、夜鷹元締めの大年増白魚のお仙の3名はそれぞれに意趣返しを果たそうとするが…。エンターテインメント小説として楽しめた。

  • 2016年6月22日読了

  • 日本を代表する小説家、浅田次郎。
    僕も、その作品の発表を楽しみにしている、読者のひとりです。
    書店巡りをしていたら、未読の文庫が置かれていたので、さっそく読んでみることにしました。
    舞台は明治元年年末の、江戸小伝馬町の牢屋敷。
    罪人がぎっしり詰め込まれた牢屋敷に、火事を知らせる半鐘が鳴り響きます。
    いくら罪人とはいえ、動けない状態で焼け死にさせるのは忍びない。
    火事が多かった江戸ではこのような場合、役人の判断で罪人を解放する「解き放ち」が行われていた。
    火が迫る中、解き放ちを決断する、役人たち。
    しかし、罪人の中でも3人の「重罪人」をどうするか、意見が分かれます。
    結果的に解き放たれることになった、3人の重罪人。
    しかしそれには条件がつけられて・・・という展開。
    後年になって、関係者5人から聞き取りをするという形で、物語が語られていきます。
    それぞれの立場で話をするので、読者には少しずつ、事件における謎が、明かされる構成になっています。
    その謎解きとともに、罪人同士や罪人と役人との間の人情味あふれる交流の描き方が、「さすが、浅田次郎だな」と感心してしまう小説でした。
    さらに江戸時代の牢屋の運営について、例えば、牢内の管理は囚人の中から選ばれた”牢名主”に采配が任されていた、囚人が多くなりすぎると間引きが黙認されていた・・・等々、日本史の教科書には出てくることのない江戸時代の習わしも、物語の中に散りばめられています。
    まだまだ、旺盛に作品を発表をしている作家さんなので、次に文庫化される作品を楽しみに待ちたいと思います。

  • 明治初期の粋な(鯔背な)人々の話。描写が本当に美しい。風光明媚を愛した昔の日々を肌に感じます。面白く読めましたが、記憶に強く残る、というほどでもなかったかなぁ。

  • 浅田次郎、流石です!不勉強で、赤猫の意味を知らなかったから、妖怪系の話かと思ってた。時代の狭間で起きた大火事の際のドラマ。日本人としての矜持を正されているように感じた。いいものを読んだ。こんな男たちにはついて行きたい。

  • 私が読んだ浅田作品2作目、こちらもすごく面白かったです。赤猫・・・伝馬町牢屋敷に火事が押し迫った際の囚人の解き放し。ラストは感動。 最後に明かされる丸山小兵衛と杉浦の絆にはじんときました。

  • 少々出来過ぎな気もしますが世の中の道理を問う浅田さんらしい作品かな、とも思います。

  • 「生きていてよかった」
    江戸と明治の狭間で理不尽な罪を抱えた三人の罪人。
    暮れも迫ったある日、解き放ちとなった。
    この三人に生きる希望を、輝かしい未来を与えたのは神でも仏でも新政府でもなく、武士と言っても不浄な存在として先祖代々牢役人を務めた一人の武士だった。
    罪人とはいえ、生身の人間を斬ってきた自分自身、先祖の罪を一身んに背負い、自分の命と引き換えに三人の罪人に生を与えたのだと思う。

  • 新しい!浅田さんらしくて浅田さんらしくない!
    複数人の独白によってその人々の視点から描くっていうおなじみの構成、厚みのある人物や風景の描写は浅田次郎っぽく、後半に突然隆起し、速度を上げるミステリー感は浅田次郎っぽくない。
    また好きになった。

  • 火事による解き放ちとなった3人の囚人。
    悲しい結末。

  • 得意の幕末期モノでした。
    筋は読めたもののやはりと言うか
    最後の盛り上げ方に熟練の技が。
    映画になるとすれば西田敏行さんあたりっすかねー。

  • 赤猫によって解き放たれた三人の囚人がその後どんな行動を取りどう生きたか。一度は負け組となった人々の、筋を通し仁義を通して生きる姿は見ていて胸がすく思いがします。同時に牢屋同心の武士としての生きざまには心打たれました。
    全編が登場人物の回想という形で綴られていますが、徳川の時代から明治となった世の中の変化を語るそれぞれの口ぶりには随所に江戸っ子の皮肉が感じられ、それもとても面白く興味深い視点でした。

  • 話の設定が何とも絶妙なので、引き込まれてあっという間に読了。

  • 読後、すっきり。3人がその後成功したのは、一度死んで命をもらったと思ったからか。本当の主人公はだれか、最後わかった。

  • これはこれで良い
    昔のような純粋なピカレスク読みたし

  • 「赤猫」とは放火犯の俗称、総じて火事を指すそうです。厄介な囚人の3人の解き放ち前後の人間性を浅田流の詳細さで調べ、描く。

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赤猫異聞 (新潮文庫)の作品紹介

時は、明治元年暮。火の手の迫る伝馬町牢屋敷から解き放ちとなった訳ありの重罪人たち――博打打ちの信州無宿繁松、旗本の倅岩瀬七之丞、夜鷹の元締め白魚のお仙。牢屋同心の「三人のうち一人でも戻らなければ戻った者も死罪、三人とも戻れば全員が無罪」の言葉を胸に、自由の身となった三人の向う先には……。幕末から明治へ、激動の時代をいかに生きるかを描いた、傑作時代長編。

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