ブラック オア ホワイト (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
2.84
  • (7)
  • (20)
  • (54)
  • (36)
  • (9)
本棚登録 : 491
感想 : 45
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101019284

作品紹介・あらすじ

「どうぞお試しくださいませ。ブラック・オア・ホワイト?」スイスの湖畔のホテルで、バトラーが差し出した二つの枕。パラオ、ジ ャイプール、北京、そして京都。エリート商社マンに人生の転機が訪れる度に、黒と白の枕が現れる。悪夢、それとも美しい夢。それは、実現しなかった人生の一部分なのか。夢と現の境は曖昧になり、夢が現実を呑み込んでいく。現代日本の実像に迫る、渾身の長編小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 夢ネタ!イマイチ(笑)
    そもそも、夢ネタ系は嫌いなのですが、本作は、夢そのものを語るというもの。

    ストーリとしては、
    ブラックの枕とホワイトの枕で見る夢が異なる設定。
    エリート商社マンがスイス、パラオ、ジャイプール、北京、京都それぞれで見た夢を語ります。

    見る夢は美しい夢、悪夢。
    また、それぞれの地域で見る夢は、ラブロマンスであったり、インドの言い伝えであったり、戦争だったり..

    そして、徐々に夢と現実の境があいまいになっていきます。
    最後、京都のエピソードはミステリー感があって深かった..

    しかし、やはり、全体的にはふわふわっとした内容で、登場人物たちの関係や事象の結果など、あいまいなままでスッキリしません。
    こういう読者に判断・解釈をお任せするのは好きじゃないんです。

  • 好みではなかったけど、面白かった。
    ブラックとホワイトの比較がなかなか…
    比較をするような内容の本はあまり読まないからとても新鮮だった。たまにはこの感じもいいかもしれない。

  • 買った時はなんだか入り込めずずっと読んでいませんでした。
    読み始めたらすごくのめり込んで、面白くてあっという間に読み終わりました。夢と現実が混ざり合う感じもリアルで面白かったです。

  • 物語は夢と現を行ったり来たり。
    この物語を読み終えた自分は今どちら側だろう。

  • タイトルから夢の話だと想像していなかった。
    ストーリーにどんどん引き込まれてしまった。
    主人公は、どんな気持ちで彼の話を聞いてたのだろう?どこかで誰かに
    ブラックorホワイト?と聞かれたら、どちらを選ぶだろう?
    枕があったら、どっち?
    と思わずにはいられない。
    面白かった。

  • 仕事をしくじった商社マンの夢と現の話。
    浅田次郎の小説は思わず泣いてしまったり、吹き出してしまったり感情豊かに読むことが多いがこのブラックオアホワイトは哲学的で理解するのが難しかった。

  • 黒い夢か白い夢か、最初に書いてあるんだけど黒は嫌だなぁって思うから黒枕が続いたら白枕欲しいなぁって思った。私もよく黒枕見るから、白枕欲しいヨォ。
    迷うって漢字、夢中になる・惑わす・陶酔させるって意味あるんだって。前向きな意味で好き。
    落ち着いた大人な小説だなって印象。

  • 夢十夜の長編版?

    商社あるある混じりなのが、近代文学感を消してる気がする。

    白と黒の枕、それぞれで違う夢をみて、
    どんどん現実と混同ってあったけど
    そこまで現実と混同してる?
    あんまりそこまで思わなかった。

  • 最初話がどこへ向かっているのかよくわからず、段々と死んだ級友は殺されたのではないか?というところへ落ち着いていく。でいいのか・・・と1回読んだくらいではわからないですねぇ。

  • 引退した商社マンが友人に語る夢譚。エリート商社マンが仕事に挫折していくさまと、折々に見る不思議な夢が絡み合って、幻想的な雰囲気を醸し出している。

    白と黒の枕が、それぞれ良い夢、悪い夢に誘う、という設定はちょっとなあ。

  • 浅田さんの作品の中では、真ん中位かな?

  • 様々な時代、様々なロケーションでの心の有り様を夢を通じて映し出す非常に凝った小説だなという印象。やや突飛すぎて感情いにゅうはしにくかったが、愉しめました。

  • 人間なんて、ちっぽけな生き物さ。僕らが表示できる幸せなんて、金と暇のあるなしにかかわらず、しれているんだ
    よしよしはともかく、男は男らしくて、女は女らしかった、つまり互いに意思としての神秘を尊重していた
    ある程度の地位までは実績と能力で出世しても、その先はつぶし合いになって、結局は目立たない代わりにミスもない奴が生き残る
    世の中に偶然の方など窓はないと思うのだが、少なくとも浅慮で勘の悪い人間に、偶然が味方しないのは確かだね
    赤道から遠ざかると人間の身長が伸びる。ヨーロッパで言うなら、南のラテン系は小さくて、北欧が大きい

  • 商社マンが見る夢の小説。黒い枕を使うと悪い夢、白の方だとよい夢を見るのだが、国や時期を変えながら話が進む。だんだん訳が分からなくなって夢を見ているような感じになる。

  • 夢をテーマにした小説。夢の内容は結構深くて面白い。パラオ白い夢が最も好き。ただ同じパターンが何度も繰り返されて飽きる。あと夢と現実の境目がわからなくなって混乱する。まあそれが作者の狙いの一つかもしれないが。

  • 2020年、9冊目です。

  • なんか疲れる読後感。夢が現実を引き寄せるのか、それとも逆か。成功と失墜。夢に現れる恋人は理想的でままならない。ちらちらと姿を見せては助けたり忠告したりする祖父。読んでる間はそれなりに退屈もしないのだが、読み終わってみると、意味深な含蓄が面倒でつまらない。多分読解力が乏しいんだろう。それぞれの国の歴史や背景を理解していればもう少し楽しめたのかも。とりあえず枕は白一択で。

  • 世界各地で黒か白の枕を選び、悪夢と良い夢を繰り返し見ていく話し。
    現世で起こったことが夢の中でつながっていく。

    出落ち感。
    元々浅田次郎作品が好きで久しぶりに作品読んだけどこういうのだっけ?と感じた。かも。

  • 浅田次郎ならハズレはないだろうと思って買ったのだが女性描写とか古くてあんまりだった バブルの頃をあのときは良かったと言い続ける内容で、最後に取って付けたようなオチもあんまり
    夢のようにもやもやした読み心地ではあった
    天切り松とか蒼穹の昴はとてもよかったのにな

  • 異質な浅田作品。
    ひとつひとつの夢話には、色濃く浅田次郎の色がでているのだが、全体的に夢と現の境界が曖昧になる不思議な物語。

  • 3.5 モチーフが素晴らしい。人生は、悪夢か良い夢かの積み重ね。悪い時の方が多いか!

  • 北京、枕、黒、白

  • 友人の夢の話と現実世界の失態を延々と聞かされる物語。
    時は流れるけれど動きが無く、一人の男の夢物語を兼ねた懺悔を聞かされ続けている状態でした。
    浅田作品は読みやすく頁を繰るのが楽しいのですがこの本はなかなか読み終えられませんでした…。

  • 特殊な枕で幸せな夢や悪夢を見る話。ストーリー性があまりないんだけど、純粋に夢の内容が面白かった。

  • 夢を語るうちに見た話か語っているうちに創った話かわからなくなる。理屈に合わせようとすると無理がでるからだ。一方、現実の世界で白日夢を経験することがある。しばらく醒めるまで時を要する。夢を題材に小説を作るのは難しいと思う。本書でも読み始めてしばらくはかったるかった。が、そこは一流の著者である。終盤は人生について考えさせられてしまった。2018.7.11

  • 浅田次郎らしさが出過ぎた感じ。出過ぎるとよくないという典型的な例。それでも好きという人はいるのかもしれないが。眠れない夜に、眠らないと覚悟を決めた人におすすめ。

  • 久しぶりの浅田次郎作品。ひきこむ文章は相変わらずの爽快感でさすが。ラストの辺りが怒濤過ぎて少し。

  • オチが読めなかった

  • 面白くない

  • う~~ん、話の筋は面白かったですが、なんかモヤモヤします。

全45件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

浅田次郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×