雁 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101020013

感想・レビュー・書評

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  • 話の構成も、お玉の心理描写もとても良く描かれている。

    のだが、どうしてものめり込めなかった。
    合わなかった。 で片付けたくない作品。
    暫く時を置いて読んでみたい。

    猪瀬直樹氏がある記事で、太宰、漱石ら比較して鴎外の作品は
    貧困をニヒリズムではなく、家長的な視点での生活臭を感じさせる
    と評していたが、初めて読んだ鴎外作品である本作からも、
    その一端は感じられた。 鴎外は女性視点の葛藤を描くのが上手いね。

  •  物語のバランスが悪い。あれだけ面白要素を詰め込んだ末造を何故千葉に出張させて終わらせてしまうのか。それなら前半でダラダラ末造の設定に凝る必要はなかったではないか。勿体ない。
     私は末造のキャラクターが好きだ。女房にはケチで妾に甘い典型的クソオヤジながら、自分なりの人生観を持ち世知辛い世の中を高利貸しの汚名を背負って渡ってきたクセの強いキャラクターだ。そんな彼のクセが、岡田とお玉の関係にどんな横槍を入れてくるのか、というところが物語の核心だと期待していた。が、裏切られた。

  • 特に面白いこともなく・当時の時世が分からないと判断しかねる感じ。

  • 09.11.15

  • 哀愁漂う、いやらしい切なさが不思議な質感を生み出している。
    このいやらしさは、たぶん森鴎外のエリート的自意識過剰によるものだろう。
    女性に人格を認めてないのが面白いな〜。お玉はそれなりに考えたり、行動したりするわけだが、その根本であるはずの「性格」というのが見えてこない。

    まああんまりこういうことを考えずに、全体の寂しい雰囲気を味わうための作品なのかもしれない。

    女性の自我の芽生え、エリートのあり方、運命の歯車、云々…

著者プロフィール

森鷗外(1862~1922)
小説家、評論家、翻訳家、陸軍軍医。本名は森林太郎。明治中期から大正期にかけて活躍し、近代日本文学において、夏目漱石とともに双璧を成す。代表作は『舞姫』『雁』『阿部一族』など。『高瀬舟』は今も教科書で親しまれている後期の傑作で、そのテーマ性は現在に通じている。『最後の一句』『山椒大夫』も歴史に取材しながら、近代小説の相貌を持つ。

「2022年 『大活字本 高瀬舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森鴎外の作品

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