マイマイ新子 (新潮文庫)

  • 186人登録
  • 3.49評価
    • (6)
    • (34)
    • (25)
    • (6)
    • (2)
  • 34レビュー
著者 : 高樹のぶ子
  • 新潮社 (2009年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101024226

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヘルマン ヘッセ
村上 春樹
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印

マイマイ新子 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 唱和30年の、田舎に住む9歳のお転婆娘・新子の日常と成長を描いた作品。

    雰囲気としては「となりのトトロ」でしょうか。はっきり言って地味な作品です。なかなかこうした小説を楽しめるという人は、特に若い人には少ないのではないでしょうか。

    ただ、子どもを描いた作品にありがちな、「甘ったるさ」はありません。新子が感じている世界はひたすらに無邪気できらきらしているのだけれど、世界の「残酷さ」といったらいいのでしょうか、容赦のなさも同時に描かれており、その対比に私は悲しさを感じます。
    他者にやさしく、両目をいっぱいに広げて世界を見る新子が、いずれこうした世界の中で生きていかなくてはならないのかと思うと感傷的になってしまうのですが、それは私自身がそうした世界に立ち向かう勇気が足りていないからなのでしょうか。

  • 映画では描かれていなかった新子ちゃんの日常。夏休みにぴったり。

  • 新子が今の時代では見たことも無いようなタイプの子供でびっくり。
    元気いっぱいで、好奇心にあふれてて、お馬鹿なくらい真っ直ぐで、新鮮過ぎて羨ましくなってくる。
    自然に囲まれているのも良いなぁ。
    戦後間もない時なので、戦争というものも身近に見えるのにすごく豊かな物語。

  • 9歳の主人公・新子をとりまく日常。ただそれだけを淡々と描いた作品。
     
    だけど、その無垢な目を通した世の中の、なんと瑞々しく、時に切なく、そして哀しいことか。子供にしか分からない世界、大人たちが忘れてしまった世界、読み手に郷愁や感傷を抱かせ、胸がちくりと痛む、印象深い作品です。
     
    昭和30年という時代設定が、また絶妙。戦後の世相の激変が、戦争を知らない新子の目によって鮮やかに、あるいは残酷に描き出されています。
     
    自らの幼少期と経験がかぶるわけでも無いのに、何かが呼び起こされる不可思議な一作。コレを大人になってから書ける作者も、ある意味凄いです。

  • 戦争の匂いが消えない日本でのはなしですが、人々のたくましさがたくましく描かれた明るい作品です。それにしても、マイマイがきになります。

  • 印象的な場面や言葉が山ほどある。

  • 日本の「赤毛のアン」云々さえ書かなかったら、もっとあっさり読了出来たのだが、その一言が余計なばかりに、あれこれと比較されてしまうはめになっている。
    ジブリなどが人気の出ないアニメ映画に作り上げそうな感じだね。

  • 昭和30年で9歳。偶然にもうちの亡くなった父と同じ歳の新子ちゃん。
    同時に、私の娘も今9歳。

    うちの父も、こんな風景を見ながら子ども時代を過ごしたんだろうか。どんな子どもだったんだろうと、そんな感傷を抱きながら、また、うちの娘もお友達とこんな会話してるんだろうかとか思いながら読んだ。

    私とは全然育っている時代・環境が違って、でも子どもたちの関係性とか空気感というのは意外と普遍的だったりするのかもしれない、なぜか懐かしい気持ちになる作品。

    私が特に好きだったのは、友達がケンカしてお互いのお父さんを罵った時、新子は父親に言われた「自分の目で見たほうがいい」という言葉を信じて、友達の父親が本当に噂通りの人なのか確かめに行く話だ。
    結果的に大人に嘘をつくことになり、親にこっぴどく怒られる新子だけど、理由をうまく説明できなくて家出することになる。
    この辺りの新子の気持ちが切なくて、でも親である身として私が新子の母でもついこんな風に叱ってしまうかもと反省させられたり。

    最後、誰もが通る「近しい人の死」を9歳なりの感性で受け止める新子に涙が出た。

  • 田舎でのびのび暮らす少女の生活をいきいきと描き出した本なのだろうけど、なぜだろう、いまいち好きになれずに終わってしまった。

  • 山口の片田舎を舞台にオテンバな主人公、新子が思い感じて考えたり悩んだり…
    和製「赤毛のアン」をめざして書いたとのことですがまったくそのとおりな作品。
    麦畑や川のせせらぎなど自然の描写が美しいこともモンゴメリの作品に通じます。
    おとなの誰もが子供のころ感じたことのある日常が描かれています。
    もちろん今のこども達にも新子の暮らしを感じてもらいたい作品です。

  • 作者の高樹さんはあとがきでこの物語を書くにあたって、日本版"赤毛のアン"を目指したと語っています。なるほど主人公の新子は9歳、つむじが二つあり、その片方が額の真上にありピンと立つ厄介なクセがあり家族から"マイマイ"と呼ばれていることやおてんばで空想好きな性格など"アン"と似通っています。
    そしておじいちゃんの小太郎との秘密のやり取りはアンとマシュウを連想させました。
    時代は昭和30年。山口県の自然が豊かな土地柄。今ではお目にかかれない品物や暮らしが蘇ります。私たちの年代にとってはああそう言えば‥と遠い記憶を辿る回想物語のようです。
    考えてみれば、子供時代には誰でも心に暖めている物語があります。その意味ではみんなマイマイ新子の世界の住人です。でも、残念なことに大抵の方は忘れてしまっています。

  • 時は昭和30年、9歳の新子は、きもちがざわざわすると、額の真上のつむじ(まいまい)が立ち上がる。おてんばで空想好きな新子は毎日がきらめいていて…。
    「となりのトトロ」を思い出しました。
    その年代を生きていたわけではないけれど、なぜだか懐かしく感じます。

  • 防府、山口などを舞台とした作品です。

  • 「すごくはまって一気に読んだ!」という本ではないけれど、一つ一つのお話が心に響くやさしいものでした。
    そして、子どもの頃の言葉にはあらわせない疑問や切なさがたくさんつまっています。
    寝る前に、2〜3話読むペースで読み終えました。
    昭和30年、私は生まれていないどころか、その年代の日常生活を容易に想像できる程の年齢でもありませんが、それでも新子ちゃんと新子ちゃんをとりまく世界が大好きになりました。
    時代は違くとも共感する部分も、「そういえば似た様なことあったな」と思う事もありました。
    昭和30年代はまさに古き良き日本の姿なんでしょうね。
    人間は便利になればなるほどもっと上、
    さらに上を目指してしまうのを改めて感じてしまいます。

  • 2011年1月20日購入。
    2016年6月7日読了。

  • 昭和30年くらいのお話。
    新子という女の子が主人公。

    新子は何度も「素直じゃない」って怒られていたけれど、とても自分に素直な子だと感じた。

    顕微鏡でいろいろなものを見るのってすごく楽しい。
    私も今度実家に帰ったときには、顕微鏡を出してみようと思った。

    顕微鏡、緑のハンモック、千年の川・・・。
    たくさんの素敵なものに囲まれいて、ちょっとうらやましかった。

  • 英語でヒューヒュー笑えたぁ
    赤毛のアン というより ちびまる子ちゃんとか ムーミンを見ている感覚で 読みました

  • 子供の頃の、素直な感性を思い出させる物語です。一つずつ新しい感情を覚えていく新子ちゃんの、説明のつかないフクザツな思いに、揺さぶられました。
    病院の待合室で読んで没頭していて、うっかり看護婦さんに探しに来られました。呼ばれているのに気づかない程、没頭していたみたい・・(笑)。
    読んでる間、新子ちゃんにシンクロしてしまってました。

  • 高樹のぶ子「マイマイ新子」読了。

    昨年公開されたアニメ映画「マイマイ新子と千年の魔法」の原作です。
    上野の古本屋にて100円で売られていたので買いました。


    この映画を観た人は…いないだろうな。
    興行成績が振るわなかったのか、あっという間に上映時間が短縮され、
    打ち切りになってしまったから。
    でも、一部では高い評価を受けた作品でした。
    「50代のおじさんがアニメで泣いている」なんて評されてました。
    でも、僕の個人的感想を言うと、非常に質の高いアニメーション、
    だが脚本に、やや脈絡がない。転校生との友情が核となっていたが、
    僕が観た限り、それよりも祖父との関係を掘り下げた方が良かったんじゃないか、という印象。
    少なくとも、僕は泣かなかった。



    マイマイとは額の真上にあるつむじのこと。
    昭和30年、山口県の港町。マイマイを持つ9歳の女の子、新子の日常を綴った物語。
    空想好きでお転婆な新子は毎日が冒険。友人たちと野原をどこまでも駆けていく。


    原作者の高樹のぶ子さんは昭和21年山口県生まれ。
    かなり自伝的要素を含んだ作品と考えて間違いないでしょう。

    映画版がそうであったように、とりとめもないエピソードの羅列なんだろうな、と思いながら読み始めました。
    予想通り、短いお話が26章に分かれています。
    さまざまな出来事がありますが、そこは子どもの視点。
    新子にとっては大事件でも、まあささやかなものです。
    そんな小波の積み重ねなのに…、
    最後のページをめくったとき、僕の眼は涙でいっぱいでした。
    この涙は、なんだ?


    小説では、新子と祖父の小太郎の関係が核になっていました。
    小太郎は地主の息子でしたが、故郷を捨てて数学教師を続けていたものだから、不在地主になってしまい、戦後ほとんどの田んぼを取り上げられてしまったという過去があります。
    そのため、家族からは小太郎は苦労の種と考えられ、小太郎の言うことやることが気に入らない。
    だけど、新子は小太郎が大好き。


    おじいちゃんは何か決定的な失敗をしてしまったんだ。
    新子は不在地主という言葉を聞くたびに、悲しくなった。

    いざとなったら、おじいちゃんは私の味方をしてくれるし、私もおじいちゃんの味方をしようっと。(本文より)


    自宅の近くには小川が流れており、そこには小太郎が新子のために藤蔓で編んだハンモックが掛かっている。二人だけの秘密の場所だ。
    物語はここで始まり、ここで終わる。




    昭和30年というのは特別な年でした。「もはや戦後ではない」の言葉も生まれ、高度経済成長は、この直後から始まりました。(あとがきより)



    まさに、この昭和30年の空気を、作品は見事に描き出しています。
    子どもの眼に写る生活の、貧しくもなんと豊かなことか。
    そういう意味で、これはトトロだ。トトロのいない、トトロだ。

    もっとも強く感じたのは――、意外かもしれませんが「死」でした。
    いくつかのエピソードがそれを象徴しています。
    少なくともこの時代、死は生の一部として確かに存在していた。
    それゆえ、生きてることの実感が強く湧いてくるんだ。


    高樹さんはあとがきで、こうも記しています。
    「戦争の傷痕を片手で押さえながら、それでも日本中が遠く高いものに向かって、今にも駆け出そうとしていた時代。達成したい夢や願望、いや渇望は山ほどありました。
    あそこからの50年間に日本は見事に高度成長をとげました。しかしまた、何と多くのものを失ったことか」


    僕の涙は、感動ではなかった。
    悲しみでも、ない... 続きを読む

  • 誕生日に顕微鏡をくれるお父さんって素敵だなと思った。

  • 大人たちがまだ戦争を引きずっていた時代。冷蔵庫や洗濯機、テレビなんかが普及する前の時代。誰もが貧しかったけれど、貧しさを恥としなかった時代。人と人との関わりが濃密だった時代。昭和30年の田舎町が物語の舞台です。
    主人公の新子は9歳。マイマイというのはつむじのこと。新子のつむじは額にあって、嬉しかったり、悲しかったり、怒りがこみ上げてきたり、心がざわざわするときは、面白いことにそのつむじの毛がムズムズするのです。
    大人にとって些細なことが、子供にとっては大事件。新子は日々のちょっとした出来事や、家族や友人、そのほか自分を取り巻く人々との関わりの中で、少しずつ、少しずつ成長していきます。
    いま新子ちゃんがご健在ならば、60歳を越えています。素直で、正義感が強くて、お転婆だった女の子は、いったいどんな大人になっているのでしょう?
    それにしても、子供の頃の一日は、とても、とても長かったなぁ。

  • ほのぼのした話、一話、一話で完結!
    なにか感動することとかもとくにはないけれど・・・
    ちょっと中途半端な気もしないでもない。

全34件中 1 - 25件を表示

マイマイ新子 (新潮文庫)に関連する談話室の質問

マイマイ新子 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

マイマイ新子 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

マイマイ新子 (新潮文庫)の作品紹介

新子は九歳。気持がざわざわすると、額の真上のつむじ(マイマイ)が立ち上がる。社会が未来への希望に満ちていた昭和三十年、空想好きでお転婆の新子は、友達と一緒にどこまでも野原を駆けていく。毎日が終わらない冒険だ。けれどもきらめく少女の世界の向こうから、もっと複雑な大人の世界が囁きかけてきて…。誰もが成長期に感じる幸福と不安とを瑞々しく描く、鮮度100%の物語。

マイマイ新子 (新潮文庫)の単行本

ツイートする