- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101025070
感想・レビュー・書評
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「唯ぼんやりした不安」に至るまで。
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★3.5
"人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのは莫迦々々しい。重大に扱わなければ危険である。"
"弱者とは友人を恐れぬ代わりに、敵を恐れるものである。この故に又至る処に架空の敵ばかり発見するものである。" -
30数年ぶりに読んだ。
僕は芥川龍之介の経験することのなかった年齢を生きているわけだが、それでもはっとするような言葉がいくつもある。若い頃こうした作品に心奪われたのも、よく分かる気がする。 -
何年も経って再読したら、また面白そう。今の私にはあまりピンと来ない。
とは言え、ハッとする言葉も多かった。
あと、芥川は、生きるの大変だったろうなって思った。
友達だったら、めんどくせーなこいつって思いそう。 -
(04.10.2017)
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「侏儒の言葉」
ここまで人や世界が見てしまうと、そりゃぁ自殺したくもなるわなぁ…という感想。
「西方の人」
キリスト教的な前提知識が無きに等しいこともあり、晦渋過ぎて意味が全くわからなかった。 -
伊坂幸太郎「チルドレン」にある同表題の短編に登場したので、読んでみることにした。冒頭で、彼はこう言う。
「侏儒の言葉」は必しもわたしの思想を伝えるものではない。唯わたしの思想の変化を時々窺わせるのに過ぎぬものである。一本の草よりも一すじの蔓草、――しかもその蔓草は幾すじも蔓を伸ばしているかも知れない。
言ってみれば、芸人がお題を振られて面白いことを言ってみる、それと同じだ。彼の思想を探ることも人生について考えることもせず、唯楽しむことに努めるべき一つの作品であるのだろう。 しかしそこから、私たちの思想や人生に影響を与えるのだから全くすごい。 -
『侏儒の言葉』は日常の事柄を別の視点からみた短文を収録してある。ハッとする文章あり。
『西方の人』は芥川のキリスト観を記述。難解ではあるが、解説が秀逸なため勉強になった。