写楽 閉じた国の幻〈上〉 (新潮文庫)

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著者 : 島田荘司
  • 新潮社 (2013年1月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101033129

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写楽 閉じた国の幻〈上〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 島田荘司の斜め屋敷の犯罪を初めて読んだときの衝撃、奇想天を動かすを読んでこれ以上の奇想なんてあり得ないと思った事実は変わりません。
    島田作品を先に読んでいたので、続く新本格ブームも目新しくもなかった。これほどの奇想には出会えませんでしたから。
    が、御手洗がなりをひそめ、石岡くんばかりががんばるずっこけ探偵みたいなものを連作されたあたりで島田作品から離れました。社会派にもなってほしくなかった。
    しかし写楽ということで、興味を惹かれて久しぶりに手にとりましたが、正直残念です。読まなければよかったなあ…(T_T)
    江戸編はまあよい。蔦重は好ましく、読み物として普通に面白かった。
    でも現代編のとっちらかりようはハンパないです。最初の事故、妻との確執、いりますか? 教授が美人である必要性ありますか? 事故のその後も、教授の思わせぶりな態度も、肝心の写楽説も、全部結果はなしですか?
    作家らしい妄想力で一つ作品をまとめることはもちろん上手に仕上げていますけど、所詮フィクションなんだったらそれでいいからちゃんと話を書ききってほしい。歴史書だったら物足りなさ過ぎる。どっちつかずなんです。
    島田氏はミステリー作家でいてくれればよかった。歴史に手を出すなら自分を信じ過ぎだと感じます
    ついでに解説の方、10年以上前に弘兼けんしさんが漫画の中で写楽=西欧人説で描かれてますが、きちんと面白かったし、漫画家さんが取り上げるくらいだからヨーロッパ人説が今回初めて!なんてあり得ないでしょ…。解説ならある程度責任ある発言してほしいです。
    一番腹立つのは写楽の絵を一枚も載せていない本の作りです。誰も言い出さなかったのか、真剣に理解しがたい。せめて奴江戸兵衛と、比較対象の歌麿絵一枚くらいは載せろよ!
    いくら文庫だからって、読者不在で本を作り過ぎじゃないですか? この内容で絵無しは「本」という存在として許し難いです。

  •  いやまさに島田荘司。謎の浮世絵師東洲斎写楽にまつわるミステリは前にも読んだことがあるけれど、こういう独創性というか破壊的な前人未踏の構想をどんどん押し切る腕力は、余人の追随するところではない。独擅場ということばはこの人のためにあるのだろう。それにしても「閉じた国の幻」とはよくぞつけたものだ。こういう事実はほとんどありえないとは思いつつ、ひょっとしたらとチラとでも読者に思わせたら大成功。まったくすごい筆力だ。
     全然関係ない六本木ヒルズの回転ドア事故を発端とした在野の浮世絵研究家佐藤貞三を主人公とする現代の話の中に、版元蔦屋重三郎を中心とした江戸時代の浮世絵作家たちの日常がタイムスリップしてはさまる。一方で後年の写楽の正体推理が進むにつれ、その実態はかくあろうという当時のありさまが種明かしのように進んでゆく。何でも取り締まろうというお上の政策に反逆する江戸っ子の心意気。それを代表する蔦屋のとんでもない企て、それこそが前代未聞の斬新絵師写楽誕生の鍵であった。無理は承知の上だけど話としてはよくできている。幻というか夢なんじゃないかなこれは。可能性はごく低いにしてもそんなことがあったらすごい。論文ならば穴だらけだろうけどミステリとしては最高だ。
     ただ、島田本人が後書きで述べているけれど、主題が大きすぎてしかも連載という制約のせいで、ひとつの完結した作品というにはかなり未整理な部分がある。終始あらわれる現代のキーパーソンの一人片桐教授の謎めいた言動。ひょっとしてどこかでどんでん返しがあるのでは、とつい勘繰ってしまう。前半部の回転ドア事故にしてもその後どっかへいってしまうので、片桐を引っ張り出すためと、佐藤の追い詰められた状況を作り出すためだけにしては、とってつけたような不自然感しか残らない。この後書きが著者の正直なところなのはよくわかるが、作家は作品で勝負すべきなのであって所詮は言い訳に過ぎない。島田ファンとしてはぜひ続篇を書いてすべてにケリをつけてほしいと思う。そのときまで5個目の★はお預けにしておこう。

  • レビューは下巻で

  • 序盤は想像していた話と全然違くてどうなるかと思ったが、どんどん面白くなってきた。

  • 江戸編はとても面白い!
    のに、現代編では同じ考察が何度も繰り返されていい加減げんなり…頑張って読み切ったので下巻に期待大!

  • 久しぶりの島田荘司ワールド。さくさく読めるし展開が面白い。

  • 写楽とはだれか?

    その人物がその年の江戸に来ているのか
    その確証もないまま執筆を開始したという作者のあとがきを読む限り、
    ほんとうにその勘と執念だけで掴み取ったんだなぁ、と深い感動に包まれます。

    以前いちど挫折してるから
    読んだタイミングが良かったのかもしれない。

    主人公の佐藤同様に
    私も相当に打ちのめされていた時期でした。
    なにもかも酷く打つ手なしだと感じていたから
    やりたいことに対しても
    これになんの意味があるんだ、対価の保証はないって感じでとても苦しかったけれど

    半ばで佐藤の息子が幻となって
    「パパ、こっちでいいんだよ」(だったかな?)方向性を示唆する部分など
    むしろ私が勇気付けられてしまいました。

    お陰さまで新規プロジェクトも立ち上げられました。

    本当に資料と戦いながら掴み取った結末。
    手探りでなにかを作る職業の方は手に汗握ります。

  • またも歴史にアクロバティックに切り込む。
    いつもの日本人批判も含みつつ。
    現代編の答え合わせをするかのような江戸編。
    現代編の回収されない要素たち。
    構成の粗がやや眼につく。

    備忘録。
    どうしてだか、写楽=シャーロック・ホームズだった! というネタバレをどこかで読んだ気になっていたが、これは自分の夢だったのね。

  • 下巻まで完了してから上巻の感想を振り返ると
    全体を通した作品の粗さ・構想の甘さが上巻に出てきていて
    下巻の面白さを考えると、もったいない印象を持った。

    一番大きなところは、
    上巻における現代編の致命的なまでのつまらなさ。

    登場人物が揃って魅力に欠ける人物で、
    ストーリーとしても陰鬱で面白みにかける上に、
    ひたすらに主人公と片桐教授、常世田との会話による
    写楽の説明に終止していて、閉口する。

    会話も、「***」「そうですわね」
    「***」「ふーん」「***」「そうです」
    みたいな感じの素人のような会話文による説明が
    延々と続いていて、つまらない上に
    物語としてストーリーが動いていかない。

    下巻の後書きで色々書かれているが、
    要はダラダラと書き連ねていく書き方で、
    後になって書いた文章をきちんと見直して、
    不要な文章を削ったり、あるいは膨らませたり、
    言い回しを工夫したり、といった推敲的作業を
    ほとんどやっていないということなのだと思う。

    明らかに文章が練られていないし、
    全体の構想もきちんと考えられていなかった。

    知識の蒐集や事実関係の確認に
    力と時間を使い果たしてしまって、
    頭のなかにあるものを文章にするというところに
    力が回っておらず、余りにも未完成な作品だった。

  • 上下巻読了。
    蔦屋重三郎かっこええやん。友情やん。

  • 28年4月6日読了。
    上巻の半分ほどは主題の伏線だろうが、余り面白くなかった。しかし、写楽の話しがようやく進み始めて、江戸時代の出版の仕組みや浮世絵について、また幕府の密貿易に対する考え方、江戸と大阪の経済の違いなどが、良くわかった。掛川の天然寺のヘンミーの墓の事などは、初めて知った。思わずインターネットで調べてみた。事実?創作?と疑いながら読み進む。北斎の晩年の行動も、そういう繋がりできたか!と、面白かった。

  • 色々言いたいことはあるものの、
    総じては、面白かった本。

    江戸、寛政の時代、突然現れ世間をあっと驚かせ、10カ月という短い期間に多数の作品を残しながらも、忽然と消えた、「東洲斎写楽」。本名も生まれも、存在自体が謎、の写楽の正体について、フィクションとノンフィクションを織り交ぜながら、描いた意欲作。

    そう、意欲作、という言葉がぴったりだと思います、この作品は。「一番に伝えたいこと」がとても壮大で、スリリングだからこそ、その他のことが若干粗い仕上がりになっています。

    たとえば冒頭、写楽の肉筆画、に記載された欧文でのサイン。平賀源内?と思わせ、途中から一切でてこなくなったこの話はどこへ行ったのか?

    たとえば序盤、こどもが事故で亡くなる話。はたしてこれは必要だったのか?

    などなど、ミステリーものではよくある、「大きい謎」と「小さい謎」の組み合わせによって染み出すはずのその本の味が、「小さい謎」がまったく解明されないことで、ちぐはぐな出来になっているのは確かだと思います。

    写楽の正体、についてだけ言えば面白い作品なんです、ほんとうに。ここだけに絞って描く方法はなかったのかな、なんて考えてしまいます。

    浮世絵、写楽の正体に興味のある方はぜひ。

  • ぼちぼちですね。
    初めて島田さんの作品を読みますが、
    とても、惜しいような感じですね。
    とりあえず、上巻を読んだ時点での印象ですが、
    題材は面白そうですが、全体の方向性に対するしまったものが見えないように感じますね。
    とりあえず、下巻に期待します。

  • ページをめくる手が止まらないとはこのこと。有名すぎるくらいの浮世絵師なのに、その実ナゾだらけな人物だということはまったく知りませんでした。ノンフィクションとフィクションの融合ほど面白いものはない。

  • 下巻にまとめ。

  • 「写楽殺人事件」、「寂しい写楽」と比較できるかと思い、初めて手にした島田さんの本です。内容に関してはまだ上巻を読み終えたところですので触れませんが、説明の繰り返しが多い上に接続詞や読点を多用した文章で読みにくいです。
    新人賞を仕切るほどの作家が、正直これでいいのかとすら思います。
    自分も投稿する身です。これがプロかと打ちのめされるほどの作品を書かれる方とばかり思っておりました。あくまでこの作品を読んで、のことですけど。

  • 東洲斎写楽の正体に迫った歴史ミステリー。

    鎖国であった当時の江戸文化の様子、歌麿や京伝、そんな絵師などを取り仕切る蔦屋重三郎たちの交流の様子がとても良く伝わって来る。

    そして描き出される写楽の正体。

    「閉じた国の幻」まさのこの副題の通り、閉じられかつ規制された不満が高まっていた時代に、蔦重を中心に国内外関わった全ての者たちが紡ぎ出した幻こそが写楽だったのだろう。

    と面白かったのはこの作中にある「江戸編」まで。

    正直「現代編」はいらない、江戸編の合間に解説があるだけで良かった。

    説明を兼ねているが物語にしてしまったために冗長過ぎてわかりずらい。

    回転ドア事件も風化させてはいけないという思いはあろうが、それはそのテーマで書けば良いわけで、写楽とは一切関係ない。

    この現代編のせいでものすごくつまらない物語になってしまった。

    だって江戸編、全体の3分の1もないぐらい短いから。

    江戸編が非常に感動できる物語なだけに、ただただ残念。

    特に(上)は現代編の部分が多くほとんど楽しめず。

  • 写楽とは一体誰なんだ?
    ミステリアスな傑作だと思います。

  • 上巻は、説明がくどくて、しばらくすると「あれれ、また同じ説明しているけど?」の繰り返しで、とても読みずらい。
    超高速ななめ読みで、なんとか読了。

  • 思ったより長いので、上巻読後で一度感想を。
    写楽は誰かを探るストーリーだが、思いがけない人物を想定。高圧的な妻とその実家との争いをからめながら、江戸時代と現代を並行して話は進む。上巻の最後にまたもや思いがけない事実が。。さて、下巻に移るか。

  • 前半だからか、ちょっとダルい。
    島田さん、大好きなんですが、江戸編に入るまでが、長くて苦痛でした(^^;;

    上巻の最後1/3くらいからは、スルスル読めます!!
    下巻にも期待☆

  • 写楽は誰なのか、はらはらドキドキ。

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写楽 閉じた国の幻〈上〉 (新潮文庫)の作品紹介

世界三大肖像画家、写楽。彼は江戸時代を生きた。たった10ヵ月だけ。その前も、その後も、彼が何者だったのか、誰も知らない。歴史すら、覚えていない。残ったのは、謎、謎、謎-。発見された肉筆画。埋もれていた日記。そして、浮かび上がる「真犯人」。元大学講師が突き止めた写楽の正体とは…。構想20年、美術史上最大の「迷宮事件」を解決へと導く、究極のミステリー小説。

写楽 閉じた国の幻〈上〉 (新潮文庫)のKindle版

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