他人と深く関わらずに生きるには (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 397
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101035222

感想・レビュー・書評

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  • とにかくそんな気分。

  • 著者は、国家のパターナリズムを「好コントロール装置」と呼んで批判し、他人を当てにすることなく、たがいの自由を最大限に尊重する生き方を説いています。

    著者の立場はリバタリアニズムに近いものですが、著者の立場に賛同できるかどうかはべつにして、一度はこうした徹底的な機能主義の考え方を突き詰めてみるのもよいのではないでしょうか。そうした思考をくぐり抜けることで、自分にとってたいせつなもの、どうしても譲れないものがなんであるのかということが、はっきり見えてくることもあるのではないかと思います。

  • 逆説ぽく過激なことを語るが本質的に訴えていることは手前の頭で考えろということ。

    他人に深く関わらずに生きるというのは世間という実態が見えない何かに依存せずに生きろと言う個人主義の薦めと読んだ。

  • 全部知ってた。

    そんな目次だけみてみるとインパクトのあるものが並ぶ。他人と深く関わらず楽な生き方をするための考え方とそのために最適な社会制度を考察している。

    この本を読んでいて私が気がついたことは、一人で生きられない人は他人と関わって生きていかなければならないということである。

    力なきものは、他人の力を借りて自分の力の一部のにしなければ生きられないのである。それを平均化するための社会で、他人と関わるのが苦手だけど他の能力は人間としって平均以上あれば生きられることを示している。かけているものがあり、メシが食えないのであれば死んでしまうほうがいっそ清々しいかの書かれていた。

    読者を怒らせないように控えめな言い回しが目立って誰にでも同意を得られるわけではないというのを踏まえた優しさも感じた。

    楽に生きるか、楽しく生きるか、を選択するのは自分である。こういった考えを知っておくのも悪くないだろう。

    知ってたとしても感情的になって忘れてしまうこともあるけども。

  • 「他人と深く関わらずに生きるには」3

    著者 池田清彦
    出版 新潮社

    p81より引用
    “最初から無理をしなければならない頼みは、
    どんな親友の頼みでも聞かなければよいのである。”

    構造主義生物学者である著者による、
    世界との距離をうまく取りながら生きる為の人生訓。
    他人と自分の関係のあり方から、
    その関係を保って生きる為のシステムまで、
    今の世の中に対して非常にクールな視点でかかれています。

    上記の引用は、
    他人に頼みごとをする事に関しての一文。
    自分の身の丈を良く知り、
    無理をして恩を売った気分にならない事が、
    頼みごとを聞くときのコツのようです。
    他人に無理な頼みをするくらいならば、
    その事は最初から諦めるというのはどうでしょうか?
    あまりにも消極的だとは思いますけれども。
    著者は過去に山道から谷に落ちた経験があるようで、
    その事がこの本に書かれているような、
    人生観を持つきっかけになったのでしょうか。
    「自力で生きて野垂れ死のう」の章を読んでいると、
    一種悟りのような物を感じます。
    p174に書かれている内容は、
    今現在この時点に直結している困った状態で、
    とほほです。

    ーーーーー

  • 正に今、知りたいと思う事柄ずばりのタイトル!

  • なかなか面白い観点の本だった。結局のところ、一人一人が賢くならねばならないというところか?。不況脱出のために相続税増税に目を付けているのは、なかなかだと思った。

  • 他人と深く関わらずに生きたいなら、自給自足の農耕をするか採取生活をするか。
    どうして人と関わりたくないのか?
    生きるためにいやいやながらでも仕事をしなければならないのは、現在、将来に不安があるから。
    なぜ不安になるかといえば、長引く不況に雇用不安、年金や医療制度の破綻を考えるからである。
    世間、常識という枠の中にいる限り、現状からの脱却はできない。
    ひとりひとりが究極の完全個人主義を貫くこと。
    その完全個人主義が実行できるシステムを社会が構築していくこと。
    それは理想であるが、一人一人が賢くなければならないし、そのためには教育制度から見直さなくては始まらない。
    個人消費を促し、既得権益を排除し、構造改革を進め、雇用不安をなくすのは並大抵ではない。
    でも、こういう方法があるよ、とスパッと提案していて痛快だ。

  • 前半と後半のギャップが大きく、読めば読むほど面白くなくなるのが残念。特に後半はほぼ筆者の想像中の桃源郷を(極端の例だとは承知の上だが...)、愚痴を交えてる語るのが、いささか投げやりという風にも感じられた。けれども初めの主張はなかなか素晴らしい。結局のところ人は皆孤独であり自分だけが一番頼りになるから。一番感心したのは親と子供の関係の部分。

  • 車もこないのに赤信号で待っているのはバカである

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著者プロフィール

池田清彦(いけだ・きよひこ) 1947年生まれ。生物学者。

「2020年 『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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