他人と深く関わらずに生きるには (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 397
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101035222

感想・レビュー・書評

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  • 池田先生が好きすぎて、ついに本まで読んでしまいました。
    ずいぶんと前に書かれた本ですが、この中で指摘されている内容が、まだ改善されていないことに諦念と失望とを感じます。いつになったら目が覚めるのやら。

    2部構成になっていて、個人的には第1部の方がウィットに富んでいて好きでした。立場や国籍、性別や年齢はどうであれ、本当の意味で知恵のあるひとたちは、似たようなメッセージを繰り出すのだなと思いました。
    お酒が体に合う人もいれば合わない人もいる。合うなら飲めばいい。ただし、自己責任で。というようなことの根底に流れる、自己責任、自己決定は、この時の日本人にも、今の日本人にも足りないことなのだろうなと。

    ちょくちょくあらわれる、〜しようね、という語尾が大変可愛らしかったです。某テレビでよくお声を聴いているからか、脳内で池田先生の声に変換されるので、可愛らしいなと感じたのですが、知らずに読んだら嫌味に聞こえるのかもしれません。声とか顔の表情から得られる情報って、文章にも影響するのですね。

    第1部だけで終わっていたら、痛快だったのですが、2部で少々、説教くさくなってしまったのが残念。もっとさらっと、あっけらかんと、飄々としていて欲しかった、というのは一ファンのただの願いでしょうか。

  • 【本の内容】
    「濃厚なつき合いはしない」「社会的ルールは信用しない」「心を込めないで働く」「ボランティアはしない」「病院には行かない」―。

    息苦しい現代を乗り切る新しい生き方、“完全個人主義”。

    こんな時代だからこその、他人とウマくやっていくための新提案とは?

    思わず膝を打つ、読めば納得、目からウロコの18の視点。

    疲弊した全てのニッポン人に贈る、今日から使える新・人生訓。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 前半は役に立った
    後半は政治に絡むので興味がない
    タイトルが素敵

  • 読書レポート:他人と深く関わらずに生きるには | デジたろうとピアノ http://digitaropiano.luna.ddns.vc/digitaropiano/?p=3069

  • この人の考えには僕は70%ぐらい共感する。

    特に、
    「車も来ないのに赤信号で待っている人はバカである」というのと、
    「病院にはなるべく行かない」
    というところとか(笑)

    しかし、たまに文体が「だよね」になる部分は嫌らしくて好きになれない。
    普通でいいと思うんだけど…。

  • 「わたしの意見なんてどうせきいてはもらえない」という諦めを前提に、弾の飛んでこないところでたたかっている。近所の良識のある初老の人と話しているような本。「病院へはなるべく行くな」とか「赤信号でも車が来ないのに待っているのは、悪しきパターナリズムだ。渡ろう」とか「友達や恋人とべたべたするな(「女(男)とどうつき合うか」までの内容)」いう個人レベルのことには大いに共感。インディアンも同じようなことをいいそう。しかし、国家に話が及ぶと、言っていることは正しくても、所詮コネクションやカリスマのない個人の意見は愚痴でしかない感じがした。カミキリムシを収集・研究し(p94)、虫を見ていて車ごと谷に落ちた(p42)ムシ博士のご意見。

  • ・他人と深く関わって生きていると、イザというときに機転がきかない
    ・全く関わらずに生きるのは不可能
    ・したたかに生きるには深く関わらずに生きるのがベスト
    ・他人と深く関わらずに生きる、とは自分勝手に生きるということではない
    ・自分も自由に生きるかわりに、他人の自由な生き方も認めるということ
    ・他人に自分の心の中に侵入されたくない人は、自分も他人に甘えてはいけない
    ・相手をコントロールしないことが、他人と付き合う上で大切
    ・結婚相手は自分と最も親しい友人であり、幻想を共有する同士だ
    ・車もこないのに赤信号で止まるやつはバカだ
    ・患者はお客様で、医者はサービス業だ
    ・納得のいく説明をしない医者は信用するな
    ・心をこめないで働く
    ・心を込めないで働けば腹も立たないし、疲れない
    ・他人を当てにしないで生きるとは、自分の人生は自分で決定するということ
    ・自由に自力だけで生きようとする人は、最後は野垂れ死にを覚悟しなければならない
    ・自由に生きたいけど、最後は助けてくれという人間には自由に生きる資格はない
    ・不自由に生きて、不自由に死ねばよい

  • あまりにもストレートすぎるタイトルで、手に取っていいものかどうか躊躇われる本。主張はやや極端だけど、(特に本書の前半に)書いてあることは基本的に正しい。身も蓋もない、ってだけの話で。後半の社会システムの話は的外れな感じだが…。
    著者の池田清彦さんは、吉田兼好のような人なんだと思う。「退屈こそ人生最大の楽しみである」という見出しの節は、「徒然草」の序文を意識しているとしか思えないし。

  • タイトルだけ見るとドキッとするけど、内容は決して投げやりな感じでない。肝心の主張に関しては、結構自分と相容れる部分が多く、“そうそう!”といった具合に読み進めることができた。特に前半は、同調できるところが多かったように感じる。

  • 20120304 これだけ全てに渡って自分の意見を持つのは疲れないのだろうか?こんな考え方もあるという所で止めておくほうがいいのかも。ただ個人的にはもう一冊位読んでみようと思う。

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著者プロフィール

池田清彦(いけだ・きよひこ) 1947年生まれ。生物学者。

「2020年 『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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