新しい環境問題の教科書 (新潮文庫)

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著者 : 池田清彦
  • 新潮社 (2010年11月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101035253

新しい環境問題の教科書 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「排出権を金銭で取引」なんて、全くもっておかしい。普天間も、雇用も、尖閣もなにも進展しないのになんで日本が率先してCO2削減なのか。私も理解に苦しむ。

  • 【本の内容】
    「温暖化防止」の名のもとに、いまなお空前の盛り上がりを見せる環境ブーム。

    実際に自然界で起こっていることに目もむけず、科学的な見地も理解せず、ただ声高に異を唱える現状は、本当に正しいのだろうか。

    世界中を巻き込む一大ムーブメントに隠された、陰謀やウソや偽善を暴き、私たちの愁活に本質的に関わる真の環境問題を考える。

    話題の生物学者が提唱する、画期的な一冊。

    [ 目次 ]
    1 環境問題の錯覚(何が「環境」の「問題」なのか;身の回りの環境問題―ゴミとリサイクルをめぐる誤謬;ほんとうの環境問題―エネルギーと食料;環境問題は「人間の問題」である―人口問題のジレンマ;地球温暖化の何が問題か)
    2 ニセモノの環境問題(「地球温暖化脅威論」こそ脅威;北海道洞爺湖サミットでわかったこと;日本にエネルギー戦略はあるか;生物多様性の保全という「正義」;人口―ほんとうにほんとうの環境問題)

    [ POP ]
    ペットボトルのリサイクルはゴミ減量に本当に役立つのか。

    温暖化防止は多額の国家予算をかけて取り組むべき問題か。

    生物学者が専門的知識と柔軟な思考で本質をあばく。

    人間が生きられる世界を存続させるために私たちが今やるべきこととは。

    イメージで危機感をあおるメディアや利権絡みの政治に左右される問題を、自分自身で考え直すための1冊。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 温暖化はCO2排出のせいではない。京都議定書で日本が背負った馬鹿げた負担。世間の情報に惑わされて常識を勘違いしている。目からウロコの環境問題の教科書。2014.8.1

  • CO2削減に拘泥し過ぎている現状への警鐘、間違った生物多様性への理解の是正、あたりを中心に論が進められる。相変わらずの本作者節で、ファンとしては安心の内容。国やマスコミがこぞって危機感を煽ってやっていることが、実は更なる危機を招く結果になるって観点、しっかり持っているようにしたいす。

  • 煽情的な文章で、そこはあんまり好きじゃない。多くの人に見えていないことに光を当てようとしていることは間違いないし、それ自体は意味のあることではある。人間も「自然」のうちであると思えば、その人間の営為によって地球の環境が変わっていってもそのことそのものに善悪はなく、大事なのは我々人間という種が生き延びていること。その上で、後世に残す世界としてどこもかしこも荒廃して砂漠みたいになった世界より、緑が残ってて人に飼われていない動物も住んでる世界の方がいいとわたしは思ってる。

  • <「新しい環境問題の教科書」読了> 2013年4月10日
     
    ・アメリカの生物学者レイチェル・カーソンは1962年に「沈黙の春」を書いて、DDT(有機塩素系の殺虫剤)などの農薬に含まれる合成化学物質の蓄積が環境悪化を招くことを告発した。
    ・ today bird, tomorrow man
    ・ 最近では、フロンガスがオゾン層を破壊する主たる原因なのか、どうも怪しくなってきた。どうやら、南極の温度が下がるとその上空のオゾンが破壊されるという説が近年、有力になって来たらしい。つまり、オゾンホールの増大は、太陽活動に関連した南極の気温の低下が主因だったのではないか、ということ
    ・ 「環境ホルモン」が野生動物のメス化を促進するとして大きな問題になっていたが、これも最近ではどうやらガセネタらしいことが分かり、言及されなくなった。
    ・ 環境問題にはある種の「流行」のようなものがある
    ・ 日本の食糧自給率は現在、40%弱である。つまり、60%今日の食糧を他国から輸入していることになるわけだが、実は食べ物全体の3割程度は食べ残しとして捨てられている。すなわち、有効利用されている食べ物は7割だけということになる
    ・ カラスは、有機物のゴミの処理と言う観点からすると、環境にとても良い
    ・ 江戸はリサイクルが高度に発達していた都市である。江戸は当時の世界最大の都市だが、そんな大都市が、下肥までをも組み込む形で物質循環をうまくやっていた。その結果、約300年にわたって世界最大の人口を養うことが出来た。
    ・ 生態系の中で一番増えているのは窒素である。本来、生態系に組み込まれないような料の窒素肥料がつくられたことによって、この100年で生態系のなかに流通している窒素の量は2倍になった。
    ・ 「ペットボトルは、生ゴミと混ぜて捨ててしまって下さい」ほうがほんとうは環境にいい
    ・ リサイクルのための回収という名の下に行われている一種のペテンのような商売がある。最近よく、テレビ、パソコンは壊れていてもただで引き取りますと言ったような廃品回収の車がやってくるが、実際はリサイクルせずに新興国に販売している点を盛ると、ただで引き取っても儲かるものを金をとって引き取るシステムは明らかにインチキであるといえる
    ・ ダイオキシンの量が増えた原因の大半は農薬であって、重大な健康被害を引き起こすような量のダイオキシンはゴミの焼却によっては生じない
    ・ 農耕が始まってから、世界の人口は年に0.07%の増加率となり、以降、だいたいコンスタントにその増加率が続いて行く。そして、化石燃料の使用を契機として人口増加率は7倍に跳ね上がった。人口増加率は年に0.5%になった。そして石油を使い始めると、人口増加率はもっと上がって1%近くになった。この100年程の間に、世界の人口は16億人から64億人へと4倍に増えたことになる。
    ・ 持続可能なエネルギーというのは根本的には存在し得ない
    ・ 太陽はおそらく、あと50億年もすれば、その寿命が尽きる。最もその前に、あと10億年から20億年もたつと太陽は熱くなりすぎて地球上に人類は住めなくなるだろう
    ・ 石油の場合、生物が8000万〜1億年もかけてつくったエネルギーであって、それを、たかだかこの200〜300年の間に全部使ってしまおうとしている
    ・ どんなバイオマスをエネルギーにするにしても、ちゃんとある程度は持続可能なことをやらない限りは、破滅を招いてしまうことになるだろう
    ・ 発電で一番効率がいいのは、水力発電
    ・ アメリカがいまなぜバイオ燃料の有効性を強調しているかといえば、アメリカは穀物自給率が100%を超えているからである。穀物を、食糧としてだけでなく、バイオエネルギーとして使うことになれば、穀物の価格は上昇する。まずそれだけでもアメリカは儲かることになる。
    ・ 中国はブラジルのバイオ資源を買い占めようとしている。
    ・ 人口が増加して行く中で穀物の価格が上昇するとなると、第三世界の人々の間にかなりの数の餓死者が出て来る。
    ・ さまざまなエコグッズもそうだけども、その「環境に優しい」と言っている製品を作るために、それだけのエネルギーが投入されたのか、使われたエネルギーにそのエコグッツは見合っているのか、ということはあまり考えられていない。
    ・ 京都議定書では、日本の場合は、1990年実績に比べて2008〜2012年のCO2等の温室効果ガスの排出量を6%削減しなければならないことになった。カナダでも6%、EUは8%、排出量を削減するということになった。
    ・ 人間が何をしようがするまいが、放っておいても地球の気温や気候というのは変動する。そして、気候の変動の要因は何かというのは、実はあまりよく分かっていない。
    ・ 温暖化すると伝染病も拡大するとか、水不足になるとか、逆に洪水が増えるとか、降りんなき木を煽る人がいる。しかし、根拠が薄弱な言説はあまりに多い。近年騒がれている新しい伝染病はいずれも温暖化とは関係がない。
    ・ CO2は毎年265億トンずつ排出されて行くわけで、京都議定書を守ろうが守るまいがCO2の総量は増え続ける。
    ・ 国民の危機感に乗じて環境税を導入する等と言っているのは、恐喝か詐欺のような話である。環境省は、もともと弱小の省庁で予算があまりないから、何か大きな予算がつく大義名義が欲しいのである。地球温暖化の問題は格好の大義となったのかもしれない。



    ・ 環境省も日本政府も、近い将来起こるであろう問題である食糧の問題やエネルギーの問題の対策よりも、地球温暖化による問題の発生をほんのすこしわずか遅らせられるかもしれないという瑣末な予防策ばかりに腐心して、金を注ぎ込んでいるのである。
    ・ 地球温暖化というのはそもそも1988年の6月下旬にアメリカ上院の絵練りg−委員会の公聴会でNASAのジェームズ・ハンセンが「最近の異様気象、とりわけ暑い気象が地球温暖化と関係していることは99%の確率で正しい」と発言したことが大きなきっかけになっている。
    ・ 今ある状態をベストだと保守的に考える人は、あらゆる変化を「異常」ととらえてしまう。しかし変化に適応する智恵や技術を開発した方が合理的である。
    ・ 排出量取引は「キャップ・アンド・トレード」と呼ばれている。国ごとに排出していい枠(キャップ)を決めて、排出枠が余った国と、排出枠を超えて排出してしまった国とのあいだで、取引(トレード)をするからである。しかし、排出量取引ではCO2の削減という点での根本的な効果は見込めない。
    ・ 環境保全に向けた「トレード」はダメである。トレードをやればかならずマネーゲームになってしまう。マネーゲームは実質的にはエネルギー消費に繋がる。
    ・ CO2排出による地球温暖化という話は、その話を利用して金を儲けようとした者や、省益を得ようとした官庁や、「勝ち戦」に乗らなければならないと思った人たちによって、どんどん大きくなった。
    ・ 環境問題とは「エネルギーと食糧」の問題である。
    ・ イギリスのジャーナリストのデイヴィット・ストローンが著した「地球最後のオイルショック」によれば、あと10年程で石油はピークアウト(生産の頂点)を迎える
    ・ 生物多様性とは、あらゆる生物種の多さと、それらによって成り立っている生態系の豊かさやバランスが保たれている状態をいい、さらに、生物が過去から未来へと伝える遺伝子の多様さまでを含めた幅広い概念である。
    ・ 現代は恐竜の絶滅以来の第6の大絶滅時代
    ・ 生物38億年の歴史の中でいえば今の時代が生物種の数は最多である
    ・ 生物多様性の保全はアメリカの学者が言い出したことだが、アメリカは生物多様性条約がバイオテクノロジー産業に影響するかもしれないらしく、いまだに条約を批准していない。開発途上国の遺伝資源を利用するバイオテクノロジー産業の発展に「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で均衡な配分」という条約の趣旨が邪魔だという理由である。アメリカは自国の産業の保護のために生物多様性条約を批准しない。
    ・ 開発と生態系の保全は矛盾する



    ・ 日本は役人の利権につながらないことはやらない国なのである。声高に「正義」を叫んで税金を使おうとする人たちは利権絡みだと考えて間違いない。役所というのはいったん予算がつくとその消化のために馬鹿なことを平気でやり続ける。役所が一度決めたことを覆させるのは大変なのである。
    ・ 人類にとっていちばん重要なことは、種の絶滅を防ぐことである。
    ・ 「外来種を駆除しないと日本の生態系は大変になる」と「CO2を削減しないと地球温暖化で世界は大変になる」は恐怖を煽る言説としては同型である。そして重要なことは、金をいくら注ぎ込んでも、外来種は駆除でいないし、地球温暖化はとまらないのだ。そして更に重要なことは、外来種がいても、温暖化が進んでも、そのことによって死ぬ人はいないのだ。こんなことに税金を使うのはやめてもらいたい。税金はもっと有効に使うべきだ。
    ・ この世界を人間にとって持続可能なものにするには、席あの人口は多過ぎる。だからサミットでも、真面目に考えるべきことは、人口をどう上手く減らすかどうかである。本当に必要なのは、代替エネルギーでどのくらいの人間をどう養えるかについての合理的な計算である。「CO2削減計画」よりも「人口削減計画」について考えるとこが、サステイナブルな世界を創るためにはずっと重要なことである。
    ・ 悲惨なことが起こらないようにするためには、キャリング・キャパシティが減る前に人口を減らすことを考えなければならないが、これはとんでもない難問なのである。
    ・ 「クライメートゲート事件」では、IPCCを主導した研究員たちの人為的温暖化懐疑派に対する言論封殺の陰謀や、データねつ造を疑わせるような文書が、多数含まれていた.特に「ホッケースティックグラフ」は真っ赤な嘘である。
    ・ ゴアの「不都合な真実」にあったような「アフリカでは温暖化が進めば2020年までに農業生産が半減する」「アマゾンの森が消えてしまう」「ハリケーンが激増する」「極地やヒマラヤの氷河が消滅する」と言った話は、科学的根拠の無いホラー話に類するものだということが分かった。

  • 「新しい環境問題の教科書」3

    著者 池田清彦
    出版 新潮社

    p114より引用
    “「私たちがCO2排出を止めなければ、地球は大変なことになる」
    などということを喋り続けるテレビのニュースキャスターは、自
    身が本気でそう考えているのなら、テレビ放送をやめたらいい。


     生物学者である著者による、環境問題の問題について記した一
    冊。過去同社より刊行された、「ほんとうの環境問題」「正義で
    地球は救えない」の著者執筆部分の合本加筆修正版。
     ゴミとリサイクルについてから人口問題についてまで、皮肉の
    効いた文章で書かれています。

     上記の引用は、地球温暖化についての新聞やテレビの動きにつ
    いて書かれた項での一文。計画停電が実施されていた時も、テレ
    ビを消しましょうとは言われてなかったように思います。
     著者の意見が全て正しいかはわかりませんが、自分に必要かど
    うかをよく考え、無駄なエネルギーを使い過ぎないようにした方
    がいいのではないかと思います。

    ーーーーー

  • 環境問題を通して、世の中の嘘に飲み込まれないための視点のひとつとなる。読みやすい。
    多角的な情報から本質を見極めたい。

  •  教科書というより環境問題に対する考え方の指南書のような感じです。これを読めば日本の環境政策がいかに無駄なのかということがわかります。
     日本のマスメディアは意図的に地球温暖化否定派の意見をシャットアウトしています。テレビや新聞がだめなら本しかありません。地球温暖化肯定派、否定派両者の主張を頭に入れて自分の意見を持つべきだと思います。

  • 元来、「環境問題」には批判的な視点を持っていたため、この本を読んで自分の感情が理論で補強されたように感じ、自信を持って環境問題を見つめることができるようになった。

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