アニマル・ロジック (新潮文庫)

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著者 : 山田詠美
  • 新潮社 (1999年10月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (629ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036199

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山田 詠美
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山田 詠美
山田 詠美
山田 詠美
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アニマル・ロジック (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 謎の生態「私」。
    棲家は「ヤスミン」という黒人女性の体内。
    ヤスミンの魂と体を通して「私」視点で様々な繋がりを共有していく。
    それらは、人種差別であったり、性癖であったり、貧富であったり・・・。


    人は“感じる”ことで様々なものを生み出すのだなぁと感じた。

    そして、感じるままに「囲い」や「差」を無意識に飾りつけてしまうのかもしれない。

    けれど、ヤスミンはそうじゃない。
    人というのは実はとてもシンプルな回路なんだと感じさせてくれる。そのスタンスに純粋に憧れる。

    (ヤスミンと)同じにはなれないけれど、
    一瞬でも真摯な眼で自分を捉えられた事は、
    私にとって読了後のご褒美でした。

    できるなら、ヤスミンのように真摯な眼を常に持っていたいのだけれど・・・。(男性への嗅覚も。笑)


    最後の描写もとても印象的でした。

    ああ、好きです。(この物語への告白)

  • 前から一度は読みたいと思ってたんだけど、
    長くてなかなかふみきれなかった本。
    ちょっとだらだらしてる感じもあるけど、読み応えはある。


    山田詠美のこのテのテーマはよく見られるけど、これが最も真摯に向き合った作品なんだと思う。

    人種
    貧富
    性癖
    病気
    人を分ける様々な要素。
    日本でこの時代に生きてきたあやには、にわかには実感がわかないくらいに、その要素で人を嫌いになれる人がいる(みたい)。

    でも人間という動物としてみたとき、ハードをとりさったとき、
    残るロジックは同じ。
    人間社会で生きていると、そのロジックは本当に小さくてゆがみやすいものだけど、
    忘れかけそうなときにはそのロジックを見直したい。


    そのロジックのひとつに、愛し愛される、同類の仲間を作ることがあるんじゃないかなと思う。
    いくらヤスミンが自由でも、ソウルが必要だったように。

  • 実に長い間、自分のバイブル的存在であった本の一つ。主人公がどうしても脳内でナオミ・キャンベルでしょうがないんだけども、どうですかね。ボクは勉強ができないの方を推す人も多い気がするけど、自分は山田詠美の極みってのはこれだと思ってる。

  • 実力発揮、必読書。

  • 2016/12/10読了。
    彼らは血液の中にいる、なにか。
    住処であるヤスミンは最初20pごとに色々な男と関係を持っていて、なんてビッチなんだろうか、と笑
    すごく独特な作品だったと思う。
    人種差別は単一民族の日本ではなかなか身近なものではなく、世界の中のリアルさがわかりにくいけど、この作品でなかなかにリアルなものを見ることができたように思う。
    それにしても、ヤスミンを蝕んだ病気はHIVではなくなんだったんだろう?

  • 読みづらかった記憶。

  • 読むの4回目くらいかな
    でも久しぶりだったのでストーリーを結構忘れていてとても楽しめた。
    こんなに面白い小説滅多に無い!

    アメリカの人種差別に真っ向から取り組んだ話であるが、主人公は人間ではない。
    人間の血液に棲み、人間の様子を血管の襞を通じて観察することが出来、そこに豊富な語彙力で考察を加え、尻尾と角を持ち、泣いたり笑ったり叫んだりする生き物が、主人公である。
    この発想って天才的じゃね?

    アメリカの人種差別って今でもこんな感じなのかな。アメリカ人の感想が知りたい。

    年とともに固くなった頭が解きほぐされました。
    定期的に読むと脳みそのメンテナンスになります。

  • まさに分類不能。読んだことの無いタイプの作品だった。
    ヤスミンが純粋にかっこいい。
    まったくぶれない。
    読んでいて自分も背筋がしゃんとするような・・・

    人種差別、死、などいろいろな軸が据えられているが、
    何か説教くさい感じというのはまったくなくて、ヤスミンの視点を通してすごくシンプルな物事の見方が語られる。そこには人にどう見られるかなんか気にしない、すごく毅然とした態度があって、ともかくかっこいい。これは作者の価値観なのか?!
    他の作品もすごく読んでみたくなった。

  • 『僕は勉強ができない』・『フリーク・ショウ』と並んで好きな作品。

  • 前任者の置き土産で、昔山田詠美好きだったので、読んでみた。短編集みたいだけど全体に繋がりが散りばめられていて楽しい。最後の結末にもう少しひねりがほしいかなぁ。

  • こうゆう書き方の作品は初めてで最初は戸惑った。
    けどヤスミンの自由な生き方や人種差別について読み進めるうちにハマった。
    最後まで読み切れなかったけど時間がたったらまた読みたい。

  • 本能に言葉が要らないことを、どれだけ言葉を尽くして繊細で粗雑で鋭い感覚を語ったのだろうか。
    謎の語り手からして、なかなか奇妙な話でした。


    アメリカー

  • 発売当初から何度か読み返している本。
    読むたびに印象が変わる。
    自分が歳を重ねているからか。

    昔はヤスミンの美しさや強さに、
    ただただ彼女の恋愛スタイルに憧れたもの。
    今はどうだろう・・

    愛情などの執着をもたない生活・・ちょっと理解の範囲からずれてきた
    わかる、執着をせずに生きていたい。
    ただ、それだけでは恋愛や人との関わりは語り尽くせないのが人生。

    うまく理解をしないと、
    美しく気高い、クールなビッチの、
    「こういうオンナがカッコいいよね」な、奔放な恋愛の話で終わりそう。


    その中で、生き生きとした表現を得て光るのが、
    山田詠美らしさと、その視点で描かれる、ソウル。
    彼が成長していく過程は、
    多分彼女の理想とする「美しい男の子」への成長過程そのもの。

    ソウルによって変化するヤスミン。
    終盤の終盤にならないと文章としては現れないけれど、
    それが、この本の理解どころだと思う。

  • 最初はわけがわからず読んでいた。
    途中から引き込まれ差別について考えさせられる本。かといって、100%理解したかと聞かれるとそうでない気がする。二度目に読んだら、また違う感想を持ちそうな、そんな本。

  • 山田詠美と聞くと、やはり恋愛小説を考えてしまう。
    もちろんこの「アニマルロジック」もその一つなのだが、

    私は、恋愛小説というものがもともとあまり好きなほうではなかったので、自分からこの分野の本を読もうと思うことはまずなかった。

    しかし、知り合いに「読め!!」と渡され、必死に読みました。
    めっちゃ分厚い文庫本。

    だけど、読み終わった後の気分は、悪くない。

    色々考えされる本。読むたびに様々な刺激がありそう。

  • 差別について考えさせられる作品。人種、さらには一個人のレベルでも語られている。読んでいて人種の数ではなく『人』の数だけ価値観があるのだと改めて思う。この話の中心人物であるアフリカ系アメリカ人のヤスミンは、肌の色での差別をしない。でも自分を幸せな気分にするかどうかで他者に差をつける。そこにあるのは、人の尊厳を貶めるための差別ではなく、自分の尊厳を保ち幸福で身を包むためにする差別化である。自分の幸福のために生きる姿がシンプルで、反対に、複雑な人の心から生まれる暗いものの存在を痛烈に印象付けられる作品だった。

  • 人間は物事を複雑に捉えたがる動物なんだな、と。

    しかも、「愛」なんてものに関しては、そりゃあもうあらゆる表現をくっつけてはこねくり回して、もう本質なんてほとんど見えやしない。
    もはやその本質があるかどうかすら定かではない。

    でもそうやって自分たちで創り上げた混沌の中で人間は必死に生きているわけで、そのことを馬鹿にしてはいけないとも思う。


    「私」の存在はもっとフラットなものだと思って読み進めていたけど、違った。
    それがこの小説の魅力の一つかもしれないけど、少し不満。

    ヤスミンとソウルの関係が大好き。
    やっぱり私も人間という動物なのだと実感。


    とりあえず何回か読み直さないとなぁ。

  • 動物園には人間という動物が檻の中にいません。セックスと差別しかしない人間はもはや動物と言う枠組みから外れてしまったのでしょうか?エロティズムと激しさと人種問題を孕んだ問題集。解答は人類のこれからの歴史未來というところでしょうか?

  • 放課後の音符がものすごく気持ち良くこぢんまりとまとまっていたので、ちょっと長く感じた。
    最初はずっと色んな短編の連続かと思ったら、後半は色々と交錯してくる。

    自由は何かと(例えば命と)引き換えなければならないものなのか?なんて考えたり。

  • 山田詠美の本で唯一読みきるのに
    時間がかかってしまった本です

    実にテーマが深く重い。
    決して読みやすい本ではない。
    けど引き寄せられるなにかがある。
    それが山田詠美の凄いところだと思う。

    ヤスミンの様にしなやかに
    凛として前に進めるような女になりたい。

  • 山田詠美どくとくの倫理観を持った、ふしだらな女ヤスミンが主人公。ヤスミンの体の中に住む?私が語り手。なんとも不思議な設定だけど面白い。ヤスミンが好き。

  • 差別する人間とされる人間

    差別する側は、本人も気づかないうちに上から目線になり、差別なんてしないと熱く語る。
    そして、恋愛する。自分と同じ側にいる人間とだけ。

    差別される側は、甘んじて受け容れ反抗するか、差別されることを受け付けない。
    差別する人間を罵りながらも、同時に彼らに抱かれたいと思う。


    ヤスミンはそのちっぽけな愛を、バカバカしくも愛おしいと思いながら社会(動物たち)を眺めてる。

    差別される側のはずなのに、誰よりも高みに立つヤスミンがカッコよすぎて、だんだん差別されているはずの人達が美しく見えてくる。

    愛は色んなものを変える。ヤスミン以外のたくさんのものを。

  • 昔の自分には厚かったけど、すとーんと読んだ。
    ピクミンみたいなイメージだけど全然違うかも。

  • 性別・人種・身分…そんなことでモノゴトを決めるのは下らない。読むと、いつも考える。世間的にみたら主人公はふしだらな女かもしれない。だが、私は彼女がとても大好きだ。強くて自由。そんな女に憧れる。

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アニマル・ロジック (新潮文庫)の作品紹介

主人公は、ヤスミン。黒い肌の美しき野獣。人間の動物園、マンハッタンに棲息中。あらゆる本能を手下にして幸福をむさぼる彼女は、言葉よりも、愛の理論よりも、とりこになった五感のせつなさを信じている。物語るのは、私。かねてヤスミンとは、一喜一憂を共にしてきた。なにせ彼女の中を巡り流れる「無垢」に、棲みついている私だから…。小説の奔流、1000枚の至福。泉鏡花賞。

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