PAY DAY!!! (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036229

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  • 「約束は未来を幸せにするものじゃない、今を幸せにするもの。」
    みたいなセリフにすごく納得!確かにね~。名言ごちそうさまです。

  • アメリカが舞台の双子ちゃんのお話。
    両親の離婚、恋煩い、人種問題、家族愛、そして9.11。双子ちゃんが少しずつ視野を広げ、少しずつ成長していく。
    アメリカの歴史や文化をぼんやりとしか分かっていなかったので、衝撃を受けた。

  • 色んなことは経験しながら成長していく10代。遠い昔の自分を見つめてみる。

  • ニューヨークに住む、どこにでもいる兄妹。
    ただ、両親の離婚で、住む場所が離れてしまっただけ。
    離婚してしまったからと言って、彼らの親である事、愛情の濃さが薄まるわけでは無い。
    世界中に衝撃を与えた「9.11」が題材になっているが、作者の義理の家族がN.Yに住んでいた事が、この小説を書くきっかけになった事は間違いないと思う。

    たまたま私の従姉妹が、N.Yに住んでいた時期に、「9.11」は起こった。
    そして、彼女の夫がたまたま仕事の都合で、一時帰国した日だった。
    従姉妹は一人で、現地に居る。
    彼女の安否を確認する間、彼女の身の安全を心配するのと、彼女の夫の気持ちを考えたら、居ても立ってもいられない時間を過ごした。
    結果、従姉妹は怪我もなく無事だったが、友人の何人かを失う事になった。

    全く知らない人間が、自分の大切にしている人に突然攻撃されたら?
    しかも、その時自分には何もしてあげられる事が見つからなかったら?
    そして期待を裏切って、悲劇が訪れる結末になってしまったら?
    だれもがパニックになるだろうと思う。
    結末を受け入れる事は、とても辛い事だと思う。
    でも、残された人は、うまく心を整理して、受け入れる努力をしなければならない。

    その時の気持ちのオチをどこにする?
    攻撃した犯人を恨むか?攻撃する原因を作った人・団体を恨むか?
    「9.11」に関して言えば、私は実行犯が悪いとは思うが、その状況を作った周囲の環境にも原因があると思うし、攻撃を受けた国が100%問題の無い国だとは思っていない。
    誰が一番悪いかが、分からないのである。
    私の中で、一生こたえがでない事かもしれない。

  • 山田さんのど真ん中。

  • (2007年以前読了)

  • 図書館でぶらぶらしていて何気なく読んでみた。
    こういう家族、友達、いいなあ。
    青春にもいろいろな形があるもんだなあ。
    家にある文庫版、読み込んで背表紙ぼろぼろになってる。

  • 初めて読む山田詠美。
    ちょっと気合い入れて読んでみたけど、実際はそんな気合い必要なくて、むしろ読み終わった後には不思議とパワーが湧いてきた。
    洗練された表現がかっこいい。
    海外ドラマを見てる気分になる。

  • 『ロビン、今のために将来をないがしろにはしてはいけないし、将来のために今をだいなしにしてはならないよ。』

    じゃあ、今と将来を大切にするにはどうしたらいいんだろう。

    山田詠美の言葉を読んでいて「うわっ」と思うのは、言葉にできない心の景色を素直な言葉で書けることだと思う。かっこいい文章でもなくて、正直に「あっ、それ。私、それを言葉にしたかったの」っていう気持ちをいともたやすく文章にしてみせるところが気持ちいいと思う。

    この小説の主人公たちはわたしよりも5歳も年下なのに、なんだか、気持ちが手に取るようにわかって、それは私がまだまだ精神的にコドモということなのかな。笑

    『笑い。素敵じゃないか。物事をうまくいかせるには、それが基本だ。笑からすべてを始めること。』

    いつも思うけど、私は物事をうまくいかせようと思って笑うわけじゃない。だけど、笑顔があったほうが、みんな良い気持ちになれることは間違いないと思って、みんなハッピーになれたらいいと思って、笑顔を大切にしている。


    『まるで甘いお菓子を口にしたときのようだ。けれど、たとえてみれば、そのお菓子の名は、チョコレートブラウニー。甘くて、苦くて、そして、あまりにも、やはり、悲しみに近い。』

    ハーモニーが恋した大人の女に対して思う切ない気持ち。これきたーって感じ。この物語の主人公のような感じ。相手を思う切ない気持ちがチョコレートブラウニーだなんて、ちょっといいんじゃないか。


    『ロビンは、自分が、その言葉を聞きたくて駄々をこねているのだと気付いた。子供の手段を使っている。それを知っている私は、大人だ。』

    痛いなぁという感じ。わかるなぁ、この、ロビンがわがままを言いたくなったり、ちょっと不機嫌になってみたりする心の内側が・・・・・。わかりすぎて、読んでいて自分が痛くなってきた。


    本当に、私が隠してしまいたいと思うちょっと自己中な気持ちとか、恋愛に対する考え方だとか、そういう表向きな言葉にしずらいものを、いともかんたんに言葉として紡ぎ出すことができるのって、すごいなぁ、と感じる。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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