学問 (新潮文庫)

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著者 : 山田詠美
  • 新潮社 (2012年2月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036267

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有効な左矢印 無効な左矢印
山田 詠美
有効な右矢印 無効な右矢印

学問 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 山田詠美の主人公って、いっつも、すごい共感を取りにくるけど、実際は絶対こんなやついないって思うから、なんか近いふりして見下ろされてる感じで、思い出して嫌いになるタイプだ。

  • 性と生きることはひとつのものなんだろうと思う。
    山田詠美の本は、いつもそこのとこ突きつけてくる。
    いやらしいとか、何言ってるの? あたりまえのことなのに? って。



    7歳の主人公たちが出会って、心が通って、大きくなって、
    小学生になって、中学生になって、高校生になって。
    その一瞬一瞬どれもが、いつかどこかで経験したようなことなの。

    よくぞここまで、幼少期の感性を、大人が思うよりもずっと見えていた世界を、
    こんなに綺麗な文章で描けるなぁって。
    ただただ、感嘆。



    わたしたちって、
    自分中心の一対一の関係しか目に入らない幼い頃があって、
    大勢の中での自分、多人数の中での力動が中心の思春期がきて、
    それから、自分にとってのひとりを見つけて、また一対一の関係に戻ってく。

    でも、この本の主人公たちは、
    どの子もどこかで、一対一の関係につながれたままのような感じがする。
    幼い頃から解き放たれないままで。
    なんか、そこがあやうくて、緊張感をあおる感じ。



    「まっとうに死んだ人間が好き」 っていう言葉が出てくる。
    なんだか、それもドキドキするような台詞だ。

  • 静岡県の架空の町、美流間市に東京から引越してきた
    仁美。
    美流間市に住む
    カリスマ的存在の心太、食いしん坊の無量、眠るのが好きな
    千穂。
    四人は、友人というには長い時間濃密な日々を過ごし
    大人に近づいていく。
    仁美が無意識のうちに性に関心を持つと同様に
    三人の幼馴染もそれぞれの性に目覚めていく。
    なじんだ土地への愛着と、幼馴染への複雑な絡み合う気持ち

    ずっと心太に心を繋がれていた仁美は、
    最終的には結ばれない人生のようだけど二人が幼馴染がだけではない関係で終わりそうもない物語の最後が良かった。

    ただ、二つ引っかかるところがあった。
    一つ目は、心太と千穂が肉体関係を持ったところから
    なぜか仁美や無量までもが
    安易に関係持つ様になった様な気がします。
    これが、大人になるってことかも知れませんが・・。

    二つ目は、遠州弁?の様な方言が「だら」や「だに」
    が多すぎて私は静岡で生まれ育ったので
    最初違和感を抱いた。

  • 海辺の田舎町で幼なじみの男女4人が織り成す、キラキラした生と性の物語。
    幼い心を通して初めて感じる性の感覚がとても共感できた。
    登場人物みんなが感情移入できるほどよく描かれていた。
    2015/03

  • 固いタイトルと、性愛の目覚めをメインとした内容のギャップ。一人で読むべし。電車では読む勿れ。

  • 何よりタイトルが良いなあ。ある意味『僕は勉強ができない』と対になっているかのような、見た目の意味は正反対のようで、テーマは同じというか、ざっくり簡単にまとめてしまえば、学校で習う勉強だけが学問じゃなくて、人生そのものが学問なんだよってことだと思います。うん、良かった。

  • 小学生の時、親の仕事の都合で美流間という田舎町に越してきた仁美。そこで知り合った同じ社宅のチーホと学校でも町でも一目置かれている心太、食べることが大好きなムリョ。主にこの四人の子供らしい仲の良さや何気ない遊びの中に見出せるきらめきを描いている。でも、いずれも大人から観た子供像という枠を出ない。性の目覚めについても描かれているけど、性の目覚めを赤裸々に描くこと自体がもう定型化しちゃっているから今更山田詠美でこんなの読むとはな、と期待はずれ間を抱いて読み勧めていた。
    ところが突如間欠泉みたいに沸きあがる心太の僻みっぽさとかむなしさが出てくる(三)あたりから夢中になり、すっかり子供じゃなくなった彼らのやり取りに夢中になり。そして語られることがない冒頭の死と最後の死の間に横たわる関係。気になる。でも、気になったままでいいかなと思う。「ずっとついていく」と決めた仁美の言葉だけで十分だ。人の一生をこんなふうに語ることも出来るんだな。

    山田詠美を読んだのは3年以上振り。デビュー作から順を追って貪るように読んでいた頃とは違うときめきを味わえた。

  • 少年少女4人の青春物語。小学生から高校生ぐらいまでの時間が語られる。

    詠美さんの作品は本を読みだした頃よく読んでいた。わりと久しぶりに読んだけど、ストレスなく物語を読むための言葉の配置とか持っていきかたが上手くてこれは天性のものだなと思えるようなところがある。

    詠美さんなので性の芽生えとか、そういったことが物語の大きな構成要素になっている。「このエピソード他の著作にも似たようなのがあったな」と思ったけど思い出せなかった。なんだったろう。

    「他の人を心理的に支配してしまう」心太という存在がとても興味深い。こういうのを読むと人と人との関係で対等、ってのは幻想にすぎないんじゃないかと思ってしまう。どんな関係にも少々のずれがあるんじゃないだろうか。

    詠美さんの異性の捉え方がずっと印象的だ。どの小説か忘れたが「こういう時に男は便利な存在だ」「セックスで埋まらないところを埋めてくれる」というような意味の一節があって、どこかで詠美さんの作品を思い出す時に常にひっかかっているのである。この作品でもそれが出てきた。『ベッドタイムアイズ』の「スプーンは私をかわいがるのがとてもうまい」というフレーズが輻輳する。

    この本の解説は村田沙耶香さんが担当している。村田さんもご自身の性体験からのこの本および詠美作品への接し方を語っていたのが印象的だ。村田さんのものは『授乳』しか読んでないので2作目を読む時に念頭に入れようと思う。

  • 山田詠美の学問を読みました。

    東京から静岡に転校してきた仁美、人気者でリーダーシップのある心太、医者の息子で食いしん坊の無量、眠るのが大好きな千穂、彼らが小学生から中学生、高校生に成長していく過程が官能的な表現を含めながら描かれます。

    のびのびと生活していく登場人物たちの成長の物語を楽しみました。
    そして彼らがいつどのようにこの世を去るのかということも章のとびらに書かれていて、人生のはかなさも感じてしまいます。

  • 東京から静岡の郊外美流間に父親の転勤で引っ越してきた仁美。そこで出会った心太。家が貧乏だけど人の心を惹きつけて止まない不思議な魅力を持っている。そんな心太に仁美は心を捉えられていく。いつでもどこでも眠ってしまう千穂と食べることが大好きな無量、幼馴染四人の小2から高3までをとてもエロティックに描いていく。久しぶりに山田詠美を読んだ。大人じゃない主人公たちをどう描いていくのかとても興味があった。やはり!こう描いてくれた!という嬉しさと山田詠美はやっぱりすごい!という嬉しさとでぐちゃぐちゃになった。

  • 子供から思春期までの心と性の葛藤を描いた物語。男女の関係って様々あるけど確かに主人公とテンちゃんのような関係もありそう。作者の小説は表現豊かな印象だけど、思春期の後半で発揮されますね。
    表題とマッチせずその方向になると期待して読んでいたので少し残念。
    主要4名のその後の生き方と死を章のはじめに読ませる事でどんな狙いがあるのかは不明だけどそれを念頭において読み進めるので印象には残った。

  • 踏み出せなかったことと、踏み出さなかったことは全然違う。テンちゃんとフトミの感情のゆらめきを外から見ていると、言い出せなかった恋やら愛やらという感情も、優しく肯定できるような気がしてくる。生も、性も、まるごと受け止めて、甘んじて、いっしょにいてやろうって気分。
    学問。このタイトルの秀逸さったらない。

  • 「学問」というちょっと敬遠したくなる名前の小説だけど、その実は、学校の勉強というより性の目覚めから大人になっていく、生きた学問がテーマだな。ノスタルジックな香りただよう時代の仁美、心太、無量、千穂という仲良しの4人が大人になるにつれ、それぞれの人生を歩んでいく姿も何だか感慨深い。ひとつ抜きん出て魅力的だった心太も大人になるとただの男になってしまったという感じ。性がかかわると男ってバカでしか生きられない?

  • 繰り返し読むことで、心臓と心に刷り込んでいく小説なんだろうなと思いました。

  • 子供の頃は、女が男よりも大人びて見える理由がなんとなくわかった気がする。

    少女にして、様々な性的な喜びを感じている。
    男のように単純ではない、もっと複雑で神秘的かつ儀式めいた喜びを少女たちは知っている。

  • 幼馴染4人による生と性の物語。時折、挟み込まれる、それぞれの終末に関する情報が、物語に奥行きを与え、生きている今の大切さを伝えている。
    題名と内容の関連性は、、、、読み取れない。

  • 少女の成長と「自慰行為」の意味を見出していく物語。相変わらず簡素な言葉を使ってはいるものの、その使いまわしがうまいせいで技巧が光る文章は素晴らしい。まぁ、周りの子どもたちと比べても彼ら4人組が相当早熟であることは否めないが、下品にならないエロスがいい塩梅でまぶされた完成度の高い青春小説だった。『ぼくは勉強ができない』と比べるとなかなかおもしろい。

  • 男女の性について、主人公たちが学んでいくことが中心になっていて、それを「学問」という大層なタイトルで表すところにやはり山田詠美は最高だと感じた。読んでいると、確かに性は大層なものだという気がしてくる。
    仁美と心太の関係が読んでいてとても心地よかった。最初の仁美のおもらしのシーンと、最後の心太のおもらしのシーンがリンクしているのが面白かった。

  • この本から何を得られた?と聞かれたら、その問いには答えられない。

    しかし読み終えたあと、誰しもが幼い頃の自分を思い出してみようとするのではないだろうか。

    私も思い出した。東京から博多へ移り住んで数日。すぐに近所の年上の男の子とその兄弟たちと、仲良くなった。

    秘密基地を作った。クラスの男の子たちに、信じられないくらいからかわれたとき、彼らだけは私のことをからかわなかった。

    でも、中学にあがるとみんなバラバラになった。あんなに仲良かった一個上の男の子は、部活の先輩になった。敬語を使うようになった。一番仲の良かったその彼は、高校受験に失敗して何故かアメリカへ行くことになった。数年後に帰国したとき、彼はドレスヘアになってた。

    いくら昔、仲がよくても離れてくものなんだなと彼らの存在も忘れかけていた頃、彼から連絡が来た。飲みに行こうと言われた。

    幼なじみって、きっといろいろあるもの。当時の私は幼くて幼すぎて、何もわからなかったけれど。付き合うことだって、いまだにわからないし。

    学問とは、勉強のことだけじゃない。学ぶことは、人生の上でこの上なく溢れている。それを掴もうとするか否か、また、そこから何を学ぼうとするのかは、自分次第なのだ。

  • 僕は勉強ができないをよんでから山田詠美の本を読みたくて買った一冊。僕は勉強、、とは違ってわくわくはしないけどどきりとするような感じだった

  • 「ぼくは勉強ができない」で気に入った山田詠美さん。2作目として読んだけどやはりどこか惹きつけるものがあり、いいなぁと思う。この人の作品を読みたいって思って読んで、確かな満足感が得られる。

  • 思春期のうちにこれを読まなかった(読めなかった)ことを強烈に悔やんだ。もちろん、今読んでも文句なく素晴らしいと感じたが、あの頃に読んでいればきっと、いろいろなことが大きく変わっていただろう。それだけの力がある作品だと思う(『ぼくは勉強ができない』も、そうだ)。余談だが、読み終わってすぐに最初から見直し、喪主の伏線に気付いてジーンと来て、雛人形の伏線に気付いてドキッとした。

  • 2014.9.16
    ずっと読もうと思っててようやく手に取りました。新聞の書評でこの本を知ったので登場人物と欲望が対応することを知った上で読みました。
    何も知らずに読んだ方が面白かったかも。
    テンちゃんがかっこよかった!
    他の登場人物もみんな好きになります。
    山田詠美さんの本をもっと読みたいとおもいました。

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学問 (新潮文庫)の作品紹介

東京から引っ越してきた仁美、リーダー格で人気者の心太、食いしん坊な無量、眠るのが生き甲斐の千穂。4人は友情とも恋愛ともつかない、特別な絆で結ばれていた。一歩一歩、大人の世界に近づく彼らの毎日を彩る生と性の輝き。そして訪れる、それぞれの人生の終わり。高度成長期の海辺の街を舞台に4人が過ごしたかけがえのない時間を、この上なく官能的な言葉で紡ぐ、渾身の長編。

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