- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101042022
感想・レビュー・書評
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上巻★3、下巻★5。
上巻は「こういう女いるんだよな、嫌いだけど逆に好き」みたいな感じだったけど、下巻で猜疑心に侵され、だんだん狂気じみてくる辺りに引き込まれた。
周りから見るとただのキチガイかもしれないけど、本人的には至って普通というか、不安だから愛情や自分の存在を確かめたいだけなんだよね。
それがとても悲しく、憎らしく、でも憎み切れない。そこが葉子の魅力だった。
私はこんな風に生きたいとは思わないけれど、何処かで憧れと嫉妬がある。
徐々にみんなが愛想を尽かすところで、ザマアミロという気持ちも、誰かこの子の側に居てあげてと切願する気持ちも、どちらも生じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
下巻は略奪愛に成功した明治の肉食系我儘娘が、猜疑心の固まりになり病死していく姿を描く。最愛の妹達や愛人の前で頭蓋骨が割れんばかりのヒステリーを起こす様は哀れである。この話、女性目線で読んだらどう映るのか興味がある。
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上巻の続きで、「早月葉子」がアメリカから帰国してからの話です。
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(1969.08.05読了)(1969.07.26購入)
(「BOOK」データベースより)
日清戦争前後、時代の高揚のなかで、自我の芽生えを自覚した葉子。旧弊な社会に反発し、自らの情念に忠実に生きようとした気丈で才知溢れる女性の、多感な性情と苦痛にみちた運命、その肉体と精神の相克を描き、リアリズム文学の傑作と称される不朽の名篇。
☆関連図書(既読)
「カインの末裔・他一篇」有島武郎著、角川文庫、1954.01.10
「或る女(上)」有島武郎著、新潮文庫、1948.05.15 -
ニセコなどを舞台とした作品です。