太陽のない街 (新潮文庫 草 43)

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著者 : 徳永直
  • 新潮社 (1970年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101043012

太陽のない街 (新潮文庫 草 43)の感想・レビュー・書評

  • (2014.07.20読了)(2014.07.12購入)
    1929年に書かれた小説です。
    内容は1926年1月から70日間に渡って行われた印刷会社の労働争議を扱ったものです。
    争議の概要は、解説に記されていますので、借用しておきましょう。(261頁)
    「1926年1月、共同印刷(旧博文館)の労働者は鋳造部38名馘首に抗議してストライキに入り、これが七十日も続く大争議となった。印刷資本側の陣営は他の財閥との協力のもとに警察、暴力団、ブルジョア思想団体、宗教団体等のあらゆる力をあげてこの革命的な労働組合をつぶそうとし、組合もまた評議会委員長野田律太、争議部長南喜一などを先頭に立て、中心には日本共産党員の中尾勝男や渡辺政之輔などの党首脳部が非合法化にアジトをつくって直接指導にあたり、労働者たちの中に「細胞」といわれる行動組織をつくり、これを中核として争議団の各班をかため、プロレタリア文芸連盟も「トランク劇場」をおくってストライキを支持応援し、いくつかの同情ストライキも行われる有様であった。いわば、当時の日本の労使陣営の闘争の最高潮の一つであり、その典型的な場面の一つであった。徳永直はこのストライキを行った争議団の幹部であったが、共産党員ではなく、ストライキ発展の情勢や見透しやその戦術については共産党員と全く同じであったとは言えないのであった。七十日間の大ストライキは警察の弾圧、会社からの買収、弱腰幹部の軟化などによって敗北し、徳永直たち多くの労働者は馘首された。」
    プロレタリア文学としての価値、労働者の歴史を学ぶ上での価値のある作品ですが、小説として、文学作品としての読む価値はあまりなさそうです。
    解説者の評価は以下の通りです。(263頁)
    「争議は客観的には労働者側の敗北に終わったものとして描かれてはいるけれども、敗北させられた労働者の憤りや鬱屈した反攻の心情は全作品をつらぬき、それが今日の読者を動かす主な力となっている。ストライキの発展のいろいろな段階と、それに応じた様々な闘争形態、『太陽のない街』の労働者の生活の実情、その家庭内の状況、青年労働者の恋愛、労働者階級の各層のちがいなど―当時の労働者の生活とその解放のための活動が、頭の中ででっち上げたものとしてではなく、それぞれ作者の実際体験にみっちり裏打ちされて描きだされている。」

    【見出し】
    街       5
    対峙する陣営  23
    任務      65
    仮面を脱ぐ   83
    戦線      103
    突風      153
    負傷      177
    桎梏      199
    旗影暗し    218
    解説  岩上順一  254

    ●講談社(90頁)
    全国の出版物総数20%を占むるといわれる講談社の各種の雑誌、単行本、教科書の類は、凡て大同印刷会社の製作であり、大同印刷会社壱千万円の資本は、この大顧客に拠って、その株価をつりあげてさえいた
    ●ストつぶし(194頁)
    「そう云って君たちを雇っておいて、そして争議が解決着くと、また君達ゃおっぽり出されるんだ。」
    「おっぽり出されるまで働きゃ、それでいいんだい、贅沢はいわねえ―。」
    ●シベリア問題(200頁)
    軍閥地主党といわるる政友会が内閣を組織し、果たして「シベリア問題」は、印綬を帯びて台閣に起った。

    ☆関連図書(既読)
    「党生活者・独房」小林多喜二著、岩波文庫、1950.09.25
    「蟹工船・1928.3.15」小林多喜二著、岩波文庫、1951.01.07
    (2014年8月8日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    東京小石川にあった大印刷会社が労働組合を無力化するため、1926年、労働者をリストラしたことによって始まった、有名な大労働争議が題材となっている。会社と... 続きを読む

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