- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101050034
感想・レビュー・書評
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内容を全く覚えていない。
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純粋さゆえに愛という感情を持たない三郎。作者はこの青年をとても肉感的に描写しています。三島由紀夫の捉える美しさが伝わってきました。
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悦子に本当に『幸せな』夫婦生活などあったのだろうか。嫉妬によってしか愛の実感が湧かない彼女に、果たして愛されることが幸福であったのだろうか。いざ三郎に抱かれようとするときに彼女にそれを拒ませたものはなんだろう。
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これぞ三島由紀夫です。キラキラと輝くような究極の文章が、嫉妬に狂う婦人の精神構造とどんどんと飛躍してゆくさまを論理的に武装しています。予想を覆す展開と結末。どうしてもゆっくり読みたくなってしまいます。いや〜、流石です。
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三島再読第5弾。
初めて読んだ時にはそれほど印象に残らなかった(というか、実際にストーリー以上の記憶がない)けれど、年をとったせいか、味わい深く感じた。。。悦子さんのラストはやっぱり悲しい。 -
悦子は幸福になりたいと切に願うが、実は、不幸であることを求めていて、それ故、嫉妬心に半ば生き甲斐を感じ、最後、愛した(と思っている)男に襲われて、それを感情とは逆に、拒み、終いには殺してしまったのだろうか。
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幸せの実感、愛の実感、確かな、確固たるものの不在
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不毛な愛に生きる女性を描いた恋愛心理劇。少し距離を置いて客観的に、シニカルに描写しているのはフランス映画のよう。
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愛について回る醜い感情を、登場人物4人によって辛辣に描いた作品。愛に深い価値観を置くことの恐ろしさが透けて見えて背筋が凍る。ただ、それを俯瞰してみると一種の喜劇性も見えて面白い。冷静な人間から見ると滑稽にしか思えない愛憎の様。
また、「愛の乾き」というシンプルだが強烈なメッセージ性のある題名からも、三島自身の抜群のセンスがうかがえる。