- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101050119
感想・レビュー・書評
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独特の世界観。愛を信じないイケメン貴公子×不感症の女 って題材が尖ってるが、けっこう人間味のある結末。あらすじから想像した話とは違ったが、三島由紀夫らしさのある作品だった。
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昇のモンスターぶりにクラクラしながら読み進めたが、最後に菊地っつうラスボスの登場で一面焼け野原って感じ。顕子の最期の描写があっけなかったかなぁー。
陰惨な誇りっていうフレーズに心刺された。 -
3.5
女の無理解について。その有機的な無神経さに蹂躙される美。一方で、有機はやがて無機に分解されゆくという機構も含む。有機と無機、女と男は互いに破壊し風化させゆくものである。ということ。 -
初めて三島由紀夫の作品を読んだ。物語としては大変面白かった。
ただ主題に関してはなかなか理解し難いものがあった。単純にそれは俺の感性の乏しさや稚拙さに原因がありそうだが・・・。
もう少し三島作品に触れ、改めて読み直してみることにする。 -
ネタバレありの個人的感想
初めて三島の作品を読んだ。
巻末の村松の解説にあったように、三島の作品は
「既成のものを信じないという立場に立って、
その荒廃の上に、あらためて夢なり美なりを、
人工的につくり出そうとするところに成り立つ」ものとして
特徴づけられるらしい。
本著も、「既成の愛を信じないという立場に立って、その荒廃の上にあらためて人工の愛の創造を試みた」作品やった。
こういう風に、
信じないことを肯定した上で物事を構築していこうとする考えがおもしろかった。
でもまあ顕子が変わってしまってただのめんどくさい女(言い方・笑)になったのが残念です(笑)
主人公晃の、特定化されず任意の一点になりたい、というのはよくわかる
(わかっていいものかどうか微妙やけど)
長距離通学をやめないのもここらへんの理由がからんでいるかと。
役割期待から離れて他人の他人になる時間は必要やと。
瀬山のキャラはおもしろかったな、うん。 -
意味がわからない。まだまだ読書する訓練が足りないと実感。
『反復を深化と取り違えないように』 -
顕子の気持ちがいまいち理解できません……が、冬が終わったときの描写なんかが好きです。盛り上がりどころで上手く盛り上がれていなかったような。それは昇の性格の所為かもですが。ただ単に私には難しすぎただけなのかも。
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わざと三島らしからぬ視点から三島的な恋愛を描こうとした実験作。
キムタクは『華麗なる一族』じゃなくて、こっちの作品の主人公を演じたら、そりゃもう、世の女どもはめろめろだったろうな。
主人公は、美しい顔も肢体も能力も、カリスマも、金も、自由も持っていて、そんなものには、初めから価値を置いていないのです。そこでであった、初めて愛を知らない女。主人公は恋愛をすることができるのか?