午後の曳航 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 200
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050157

感想・レビュー・書評

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  • 中学生の時に祖母に薦められて読みました。
    当時の私にはあまりに衝撃的な内容で、良さは理解できずという感じでしたが、数年後に再読し魅力に気づいてからはお気に入りの一冊です。
    しかし、祖母が何を思って中学生にこの本を薦めたのでしょうか・・・笑

  • 少年法のあり方とか、いろいろ考えさせられちゃうお話。
    思春期の13歳少年は、自分のエロ妄想を「人間とは~」みたいなお堅い言い訳で正当化するから面倒くさい。
    体を動かさないから頭でっかちになって、結局は悪い仲間に流されてネコどころか人まで殺そうとするとはねぇ…。

    視野の狭い子どもの残虐性をうまく表現したお話でした。
    中編だけど、うまくまとまっていたよ。

  • これぞ三島。久しぶりに読んだけれど、やっぱり、すごい。

  •  理想とか夢想に憧れて生活感を憎悪する生意気なガキと、かつて狂おしいほど急き立てられた理想からそっと目をそらし生活を見据え始めた男、どちらに共感するかといえば、圧倒的に後者なんだよなあ。

     大人の姿を見て自分の未来の姿を予見する、なんて賢さは自分にはなかったので成程と思う部分はあったが、やっぱり小憎らしさが先に立って、痛々しい犯罪者ポエムを読んでいるようなむずがゆさを感じてしまった。
     とはいえ…自分の身近に存在して自分と重ね合わせやすい存在には、憧憬と落胆どちらも鋭敏に感じやすいというのは分かってしまう。

     栄光じゃなくて曳航、という皮肉っぽさがいかにも似合う毒々しい稚気溢れる作品だった。

  • 小難しい言葉たちに惑わされて、シンプルなメッセージが伝わりづらくなっているように感じた。

    登たち中学生の持つ、思春期の万能感。
    竜二の投げ捨てつつある、信じていた栄光と死。

    子供達は、陸の生活に馴染み父親を選んだ竜二にひどくがっかりし、殺人へと駆り立てる。

    大人が読むと子供が読むとで全く印象が変わりそうだけれど、結婚して子供がいる自分が読むと、なんだかシラけてしまった。

  • 何度目かの再読。
    とても単純な構造の小品。
    青春の只中と、その出口での葛藤と、出てしまった後のうつすらとした後悔、この三様が、交錯する。

  • ものすごく幼稚な感想だが、さすがに格調高いというか、文章がかっこいいなあ。

  • 今となっては大人なんて大したものではないと思う。

    しかし、やはり子供の頃は彼らへの憧れと嫌悪、
    そしていつか大人になる自分への不安というものがあった気がする。

  • 三島さんの書く青年が好き

  • 結末に近づくにつれて、嫌な予感が広がっていった。
    三島由紀夫は大好きだけれども、生活を軽んじる点だけは好きになれない。

    それから、子供の自身の正しさを微塵も疑わない奢りには吐き気がする。なぜ少年達はこの退屈な生活の垢にまみれた世界に退屈しているのに自殺を選ばないのかと思った。

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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