豊饒の海 第二巻 奔馬 (ほんば) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.88
  • (344)
  • (288)
  • (411)
  • (23)
  • (4)
本棚登録 : 3386
感想 : 295
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050225

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 純情な青年のような、輪廻転生を背負った青年の話し。

  • 死なないで欲しかったけど、死んだからこそ物語としては秀逸だよね。

  • 春の雪のような、夢の話が漂う印象はなくて勲の話。
    熱いくらいの思想を清顕も勲も持っていたけれど、
    私がなぜだか気持ち穏やかになれるのは、二人とも純粋だからだろう。

    三島さんの文体は、ぼうっと情景が浮上する感じがするから不思議だ。

  • つまらない。途中で挫折。

  • 豊饒の海すごい好き。
    中でも奔馬が一番好きです。

    四部作を通して描かれる清顕の生まれ変わりたちは
    高慢で
    思想に燃えてて
    醜いものは徹底的に排除する美意識の高さ
    散り際まで美しさにこだわる


    きっと三島由紀夫って
    生まれ変わりたちそれぞれの要素をすべて合わせたような
    人だったんだと思う。







  • 男女の叶わぬ愛を作者特有の優雅な筆致で表現した第一部とはやや趣を異にし、この第二部では若きテロリストに焦点を当てた社会派サスペンスの如き様相が呈され、そこに純文学の枠を超えた高いエンタメ性を窺わせる

    前の話から二十年後という設定なので、本多や飯沼、洞院宮らは壮年の域に達しており、そうした時の流れに伴う各人物像の変化に興味をそそられると共に、かつて清顕と聡子が密会を重ねた怪し気な宿屋・北崎の主人が本作の裁判シーンにて再登場するところなどに連作物としての面白さを感じさす。ただ残念ながら、月修寺門跡の身分を継いだ聡子についてはあまり詳しく記されていないため、清顕亡き後の彼女をもう少し描いてほしかったようにも思う

    いずれにせよ、今後清顕の魂はどう転生していくのか、第三部「暁の寺」を読むのが楽しみでならない

  • 清顕が転生した後の物語。三島はなぜあのような最期を遂げたのか。ひたすらそれを知りたい。

  • 春の海から20年ほど経った設定。松枝清顕の生まれ変わりの飯沼勲が天皇親政の思想に傾倒し、テロを企むという無骨な青年を描いている。勲が手本とする神風連が何をしたのかの描写はなかなか読むのが苦痛で斜め読みだった。
    何よりも純粋性を大事とする勲を若いなぁと思ってしまう自分がすっかり大人になってしまったことを思い知らされる。三島由紀夫らしい死を美しく描く文体が見事。

  • 生き急ぎを超えて、死に急ぎすぎ!と思った。
    自分の人生をかける何かを求めるのが、若さなのだろうか…。

  • 勲が「純粋」に翻弄されながら「純粋」を求める物語。

    勲が清顕の生まれ変わりであると考えた後、本多の感情が揺れ出すのに惹かれた。

    勲が遂に志を遂げたときには、真っ暗なはずなのに神々しい光が見えた気がした。

全295件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三島由紀夫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×