葉隠入門 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050331

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  • 「武士道というは死ぬことと見つけたり」
    当然のことながら、だから死ねというわけではない。
    侍のために書かれた武士道の葉隠の書を三島流に説いたこの作品は、現代に通じる実用的なこともサックリと書かれている。 等身大の己を知り、考える事が好きである日本人であれば、是非とも読んでおいた方が良い(思う)。

  • 山本定朝の葉隠を、三島のフィルターを通して届けてくれる作品。死生観が主体のイメージを勝手に抱いていたが、生への指南書である。以下に感じ入った箇所を抜粋する。

    この世は全てからくり人形なり。この字句をいかに解釈し、いかに現在の生に役立てるのか。
    倹約心よりも義理を重んじよ。
    自分の酒量を知り、それ以上は飲まぬように。
    人を越えようと思ったら、自分を批判させよ。
    恋の極限は忍ぶ恋
    ただいまがその時
    前方死して置く事なり

    そばに置いて、折に触れて開きたい一冊である。

  • 葉隠のエッセンスを三島由紀夫の解説とともに。
    「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」「武士道は死狂ひなり」と過激な文言ばかりが有名だが、それだけではない。

    現代でも実践できそうな心構えも多かった。噛み砕き、自分のものとしたい。

  • 現代にも通じる

  • 山本常朝「葉隠」

  • 年に1回は読みたい本。
    三島由紀夫も書いているように芸事に生きてきた人、上昇志向の強い人には納得しづらい部分もあるがそれも含めて心にとどめておきたい言葉が載ってる。

  • 三島由紀夫が「机のわきに置いておいて事あるごとに読んでいた」という『葉隠』を多くの引用を施しながらわかりやすく解説してくれている。本の後半に抜粋と現代語訳がついている構成も良い。現代にも応用できる様々な心構え、実用的なエッセンスが詰まっている。一番心に残ったのは、大きな決断、「大思想」は普段から小さな決断を積み重ね、どんな小さなことにも理論を積み重ねていることによって軽々となされるものである、ということ。イギリス人がミルクとシュガーを入れる順番に強いこだわりを持っているように、小さな理論を積み重ねること。

  • 三島由紀夫の愛読書であった、「葉隠」についての現代語訳と三島の解釈が書いてある本。
    三島の人生におけるベーシックな考え方がわかった気がした。ただし、三島の考え方をより深く理解するためには、葉隠の文字面を追うだけ、三島の葉隠に対する考え方を読むだけでは不十分で、この葉隠の文章について、ある程度自分の理解と三島の理解を突き合わせながら読んでいく必要性を感じた。良書。

  • 三島由紀夫自決の2年前の著作とのことです。奈良本辰也氏の葉隠の現代語訳を読む前に、読書ポイントを得たいと、先に三島由紀夫氏の解説を読みました。

    三島由紀夫さんのペンは切るように、刺すように、抉るように明快です。右傾思想家としての解釈という単純なものではありません。ご自身の解釈の視点を明らかにして、語られます。その立場の明快さにショック受ける。ものすごく賢い、評論家ばかりが増殖してしまった現在なのではないかと。

    江戸初期から中期(原作)、昭和初期から中期(解説)、読んでいる私、家族の問題含めテーマが変わっていないことに驚きます。

  • ・武士道といふは、死ぬ事と見付けたり
    ・大事な思案は軽くすべし
    ・武士道に於いては死狂ひなり。この内に忠孝はおのづから籠るべし
    ・七呼吸のあいだに判断せよ
    ・一瞬、一瞬を、真剣勝負のつもりですごすこと
     日頃の油断、今日の不覚悟

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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