三島由紀夫十代書簡集 (新潮文庫 み 3-38)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050386

感想・レビュー・書評

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  • タイトル通り、十六才から十八才のあいだに先輩にあてて出された手紙集。今みたいにメールだの携帯だのない時代の人は筆まめだなあ…などと思う反面、自分も高校生くらいの時はやっぱり手紙魔だったなあとか思うと案外、三島由紀夫も普通の十六才(笑)。とはいえ、今みたいに裕福な時代ではなく、第二次世界大戦直前の緊迫した時代に、軍事訓練とかしながらそれでも文学のことで頭がいっぱいだった文学少年の天才は、やはり自分のような凡人の遥か及ばない境地だなあとしみじみ思います。反面、普通に共感できてしまう子供っぽい部分もあったりして(自分の作品を嬉々として解説してみせたり、お薦めの本の感想を書いたりしてるところなんかは、現代の自分らと何ら変わることはなかったりしますし)なかなか興味深かったです。

  • 文学がたしかに藝術であったころの、一藝術家としての三島由紀夫の輪郭。それを、こんなにもはっきりと見ることができたのは初めて。当時の文壇とそれをとりまく空気を体感できる、とても密度の高い一冊でした。彼の学に対するコンプレックスや父親への複雑な気持ちなど、一人間としての個性が垣間見られる点も魅力的に感じます。

  • こういうのを読むと本当に天才だなぁと思いました。
    あと当時の書店の風景が書いてあるのが興味深かったです。

  • 2009/9/22図書館で借りる
    2009/

    三島由紀夫の書簡集です。十代に彼はどんな事を書いていたのか、気になります。
    この写真、すごくかっこいい。

    本書は三島由紀夫が学習院中等科・高等科に通っていた頃に、文芸部の先輩であった東文彦に宛てた手紙を集めたものです。
    三島の父は文学をするものを「亡国の民」だと言っていた。父の愛読書は、「フランス敗れたり」「ヨオロッパの七つの謎」…である。
    三島は手紙の最後に詩を何編か書いている。

    p128-9が好き。


    ・貴翰(相手を敬って、その手紙をいう語。)
    ・玉稿(りっぱな原稿。相手を敬って、その原稿をいう語。)
    ・芳墨(他人を敬って、その書状・筆跡をいう語。)
    ・拝読(読むことを、その筆者を敬っていう謙譲語。)

    ・委曲(詳しく細かなこと。)
    ・寡聞(見聞が狭く浅いこと。)
    ・蒼古(古めかしい中に深い趣のあるさま。)

  • よく見ろ、日本人。これが天才だ。
    ・・・とでも言わなきゃやってられないくらいの才能。

  • 三島さんは『魔の山』あまりお気に召さなかったのね。残念・・

  • つまり、私は由紀夫ちゃん(失礼)が大好きだって事です。

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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