夜明け前 (第1部 上) (新潮文庫)

  • 309人登録
  • 3.53評価
    • (11)
    • (25)
    • (36)
    • (4)
    • (1)
  • 19レビュー
著者 : 島崎藤村
  • 新潮社 (1954年12月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101055084

夜明け前 (第1部 上) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 木曽路、馬籠本陣の主人青山吉左衛門の子、青山半蔵は、平田派の国学に心を傾け、平田鉄胤の門人となる。黒船来航により日本の有り様が大きく揺れ動き、尊王攘夷の気運が高まる中で、青山半蔵は自らのあり方や日本の国のあり方に思いを致す。
    日本という国が、外からの圧力もあり、変革を不可避とされた状況の中で、平田派国学を理想に掲げた主人公青山半蔵は、どのように考え、生きようとするのだろうか。

    時代は移り、明治維新を遠くすぎた現代もまた、変革を余儀なくされている状況に変わりはない。一市民として、理想とはなにか、時代の変化の中で個人の生き方はどうあるべきなのか。単なる過去ではなく、そこから何か普遍的に語りかけてくる声が静かに聞こえてくる。

  • 上下巻通じての感想:幕末の頃についてのノンフィクションが読みたいと思って、あれこれ探してこの「夜明け前」に至りました。かなり昔に書かれているにもかかわらず、文章は流麗、風俗描写もわりにすんなりイメージを思い描けます。幕末のペリー来航から大政奉還、鳥羽伏見の戦いまでの年月が克明に綴られ、かつ主人公やその友人知人たちの成行きが細かく描写され見事です。あまりにどっぷり幕末気分に浸ってしまうため、第2部はしばらく時間をおいて読むことにしてしまいました。合間に米国文学をしばし読んで、気分をリセットしたのち第2部を読むことにします。
    しかし、この小説、往年の大映で、かつての美術スタッフ、監督は三隅研次、もちろん市川雷蔵主演で、幕末の風景を再現してみて欲しいと思ってしまいます。

  • 「夜明け前 第一部(上)」島崎藤村著、新潮文庫、1954.12.25
    p335 ¥140 C0193 (2017.05.12読了)(1966.05.23購入)(1966.04.10・23刷)
    以下は読みながら書いた読書メモです。

    「夜明け前」を読み始めました。
    1966年に購入していますので、積読51年になりました。
    第1章を読み終わったところです。
    「木曽路はすべて山のなかである。」という書き出しの文章は、調子がいいですね。詩も書いている人なのですから。
    黒船来航の話が出てきますので、1853年ごろの話ですね。
    舞台は中山道の宿場、馬籠宿というので、調べたら岐阜県中津川市となっていたので、長野県じゃないの? と思ったら2005年2月に岐阜に移ったとか!
    それまでは、長野県木曽郡山口村ということでした。
    名古屋や彦根の殿様たちは、東海道ではなく中山道を通って江戸と行き来しているんですね。
    主人公は、馬籠宿の本陣の当主、青山吉左衛門55歳のようです。お隣の伏見屋の金兵衛さん57歳とは、かなり懇意のようです。吉左衛門の息子の半蔵さん23歳がお民さん17歳と結婚したところまでが描かれています。お民さんは、隣の妻籠宿の本陣の当主の娘さんです。
    旧仮名遣い、旧漢字なのですが、文章自体は読み易い!

    第三章まで読み終わりました。物語の主軸は、青木半蔵さんの方に移ってきました。日照りのための雨ごい、1854年の東海地震、南海地震、翌年の江戸大地震などが出てきた後、馬籠、妻籠の本陣の祖先が三浦半島の横須賀から来ていることがわかって、半蔵さんと妻籠の寿平治さんで横須賀まで出てゆきます。ハリスの着任と同時期になっています。
    江戸大地震では、藤田東湖が亡くなった話に触れています。横須賀に行く前に、江戸見物をしたり日光へ足を延ばしたりしていますが、日光での話は省略されています。読みたかったですね。
    アトリを食べる話とか、ツグミを食べる話なども出てきます。バード・ウォッチングというか、野鳥の写真を散歩のついでに撮っているので、興味深く読んでいます。
    旅の始めにみちおしえも出てきます。著者は、色んなことに興味があるようです。

    5月10日の読売新聞「編集手帳」に『夜明け前』の話が引用されていました。芭蕉の石碑を建てる話で、石碑の文字の穐(あき)の字の禾編が崩して書いてあって蠅に見えるという所です。
    この間読んだばかりだと思いながら読ませてもらいました。こういうことってわりとありますよね。

    第一部上巻(第七章)、読み終わりました。
    第四章は、医者で半蔵の学問の師匠であった宮川寛斎さんが開港間もない横浜へ出稼ぎに入った話になっています。幕末の馬籠宿の話だけで終始すると思っていたので、びっくりしています。
    第五章は、また、半蔵の話に戻ります。
    馬引きのストライキの話や、山の草刈り場の境界争い、皇女和宮の嫁入り、その際の助郷の話などが述べられています。
    桜田門外の変、生麦事件、等の話も噂話として伝えられています。参勤交代が廃止になり、江戸に留め置かれていた大名の妻や子供が、続々と故郷へ帰って行く様子も記されています。この辺の話は初めて聞いたような話です。
    半蔵は、国学の平田篤胤の信奉者のようですが、本陣としての役割を父親から相続するし、妻子もいるので自分の役割の方に重点を置いて暮らしてゆこうとしています。
    一息入れてから、下巻へ行きます。

    【目次】
    第一部
    序の章   5頁
    第一章   19頁
    第二章   60頁
    第三章   105頁
    第四章   153頁
    第五章   192頁
    第六章   222頁
    第七章   300頁

    ●木曽名物の小鳥(119頁)
    鳥居峠の鶫は名高い。鶫ばかりでなく、裏山には駒鳥、山郭公の声が聴かれる。仏法僧も来て鳴く。
    ●江戸まで十二日(125頁)
    郷里を出立してから十一日目に三人は板橋の宿を望んだ。戸田川の舟渡を越して行くと、木曽街道もその終点で尽きている。
    ●文久三年(286頁)
    その時になってみると、東へ、東へと向かっていた多くの人の足は、まったく反対な方角に向かうようになった。時局の中心は最早江戸を去って、京都に移りつつあるやに見えてきた。

    ☆関連図書(既読)
    「破戒」島崎藤村著、新潮文庫、1954.12.
    「桜の実の熟する時」島崎藤村著、新潮文庫、1955.05.10
    「大系日本の歴史(12) 開国と維新」石井寛治著、小学館ライブラリー、1993.06.20
    (2017年9月15日・記)
    (amazonより)
    山の中にありながら時代の動きを確実に追跡する木曽路、馬籠宿。その本陣・問屋・庄屋をかねる家に生れ国学に心を傾ける青山半蔵は偶然、江戸に旅し、念願の平田篤胤没後の門人となる。黒船来襲以来門人として政治運動への参加を願う心と旧家の仕事にはさまれ悩む半蔵の目前で歴史は移りかわっていく。著者が父をモデルに明治維新に生きた一典型を描くとともに自己を凝視した大作。

  • いうまでもなく島崎藤村の代表作。
    日本文学史の中でも必ず触れられている有名な作品。

    それだけに、読むのがなんとなく億劫だったが、読み始めると、意外に面白い。

    傑作作品や有名な作品というのは、えてしてこんなもので、そういう評判をとるだけのことはあるのだ。

    詩人として有名な島崎藤村の小説を読むのはたぶんはじめて。
    堅牢で見事な日本語による重厚な作品。

  • なんとなく流れで読んでるんだけど、あと3冊も読まないといけないのか・・・

  • 主人公となるのは藤村の父。時代としては黒船到来の少し前から明治の始め頃まで。庄屋の目から見た御一新という時代小説としても面白いけど、狂うということの身近さや何が悪いということのないどうしようもない感じが怖くもあり哀しい。
    二部構成で一部上下巻と長いのでとっつきにくいけれど、桜の実の熟する時や家など読んで外堀から埋めるのもいいかも。

  • 何十年ぶりかで、中津川から馬籠に行ったので、帰ってきてから、これまた何十年ぶりかで本棚にある赤茶けた本を手に取ってみた。
    半蔵は、時代が動いているさなかに自分がどうあるべきか、自分がすべきことは何か、考えながら生きていた、ということだ。江戸へ行ったり、中山道を行き交う諸大名や和宮降嫁の列を本陣の役割を担う者として見送ったり、王滝村に祈りにいったり。
    それがどうなるのか、時代の流れと人の思いと。
    続きをよもう。

  • 自分に読みこなす力量が足りずこの評価。数年後にまた読み返したい。

  • 1932年(昭和7年)ベストセラー
    請求記号:Fシマザ 資料番号:010664191

  • 読んだきっかけ:100円で買った。

    かかった時間:3/12-4/30(42日くらい)

    解説(帯より):山の中にありながら時代の動きを確実に追跡する木曽路、馬籠宿。その本陣・問屋・庄屋をかねる家に生まれ、国学に心を傾ける青山半蔵は偶然、江戸に旅し、念頭の平田篤胤没後の門人となる。黒船来襲依頼門人として政治体制への参加を願う心と旧家の仕事にはさまれ悩む半蔵の目前で歴史は移り変わっていく。著者が父をモデルに明治維新に生きた一典型を描くとともに自己を凝視した大作。

全19件中 1 - 10件を表示

島崎藤村の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

夜明け前 (第1部 上) (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

ツイートする