夜明け前 (第2部 下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101055114

感想・レビュー・書評

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  • 「失敗を恐れるな、失敗は次の成功の糧となる」そんな風に若者に語るシニアには、あなた自身はどうされるのかと問いたくなる。(ついでに、あんたは蚊帳の外で口を出すだけかと喧嘩を売りたいシニアがゴマンといる。)
    自分にとってプラスとか、自分の人生にとってプラスとか、そんなセリフは残念ながら虚飾に過ぎない。変わり続ける社会、日常、人の心とすり合わせていくとき、同じ状況など二度とないわけで、下手を打つと何もかもが敵に見えてしまう日が来るのかもしれない。理想や信条を打ち立てて行動することには虚しさが伴う。
    ただ生きるのではなく、人として生きることの難しさが描かれていやしないかな。

    「銀河英雄伝説」に引き続き長編を読んで、ちょっと小説に疲れ気味。しばらく買いためた小説に手をかけることはしなくなりそう。

  • 夢見た維新後の世界は、過酷であり半蔵はこれまでの地位、役職を剥がされ、家は零落していく。「夜明け前」の解題はいかにしたものか。日本国としては、討幕によりすでに夜が明けているといえるのではないか。政府の中枢はすでに明るい舞台で活躍しているが、農民や町民の生活や思想はまだこれからだということであろうか。2020.9.8

  • ようやく読み終えました。
    「夜明け前」の意味が、やっと分かりました。

  • 明治時代初期の馬篭宿場町の変遷

  • 読んだきっかけ:100円で買った。

    かかった時間:7/19-9/24(68日くらい)

    解説(帯より):新政府は半蔵が夢見ていたものではなかった。戸長を免職され、神に仕えたいと飛騨の神社の宮司になるが、ここでも溢れる情熱は報われない。木曾に帰り、隠居した彼は仕事もなく、村の子供の教育に熱中する。しかし、夢を失い、失望した彼はしだいに幻覚を見るようになり、遂には座敷牢に監禁されてしまうのだった。小説の完成に7年の歳月を要した藤村最後の長編である。

    感想:決してつまらなかったわけではない…といいたいのですが、これだけ読むのに時間がかかったということは、つまらなかったのでしょう。やはり、文学作品は難しいですね。意味の分かりかねる描写もかなりあったし。たくさん本読んでる人じゃないと厳しい一冊でした。
    なお、物語は、主人公半蔵から見た明治維新がテーマです。
    そのなかで、平田国学(古学)の見地から、王政復古に喜ぶものの、実際の維新政府では古学は頓挫し、まったく違う政治が行われます。そのなかで絶望した主人公の悲劇、、、でした。

著者プロフィール

1872年3月25日、筑摩県馬籠村(現岐阜県中津川市馬籠)に生まれる。本名島崎春樹(しまざきはるき)。生家は江戸時代、本陣、庄屋、問屋をかねた旧家。明治学院普通科卒業。卒業後「女学雑誌」に翻訳・エッセイを寄稿しはじめ、明治25年、北村透谷の評論「厭世詩家と女性」に感動し、翌年1月、雑誌「文学界」の創刊に参加。明治女学校、東北学院で教鞭をとるかたわら「文学界」で北村透谷らとともに浪漫派詩人として活躍。明治30年には第一詩集『若菜集』を刊行し、近代日本浪漫主義の代表詩人としてその文学的第一歩を踏み出した。『一葉舟』『夏草』と続刊。第四詩集『落梅集』を刊行。『千曲川旅情のうた』『椰子の実』『惜別のうた』などは一世紀を越えた今も歌い継がれている。詩人として出発した藤村は、徐々に散文に移行。明治38年に上京、翌年『破戒』を自費出版、筆一本の小説家に転身した。日本の自然主義文学を代表する作家となる。

「2023年 『女声合唱とピアノのための 銀の笛 みどりの月影』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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