粗食のすすめ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.79
  • (45)
  • (54)
  • (69)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 468
感想 : 63
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101056210

作品紹介・あらすじ

アトピー、アレルギー、成人病が蔓延する現代日本。肉類や乳製品を積極的に取り入れる欧米型の食生活で、丈夫な体が作れるのだろうか。便利だからといってファースト・フードや加工食品に依存していてよいのだろうか-。日本人の食生活の問題点を鋭くつき、風土に根ざした、伝統的な穀類中心の献立と調理方法をあらためて提唱する、「本当に健康になりたい人」のための栄養学。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • やれ栄養素が、やれ生がいいだのと偏らずに


    自然のもの、
    春、夏、秋、冬、を感じながら
    その季節のもの、
    その地域のものを、

    できるだけ自然な形でいただくこと

    が大切なのだと感じた。

    人間も自然の一部であり、
    水も空気も土も、
    土の中の小さな生命(微生物)も
    季節によって変化している。
    その変化の中で生きる私たちも
    四季の恵を素直ぬ体内へ取り入れることが、最も自然なのである。

  • 食事の際に箸置きを使い、食べ物を口に運ぶ都度箸を置き、よく噛んで味わうことがマイブームとなりつつある今日この頃。
    また、身の回りのモノは「断捨離」でスッキリし、アタマとココロの中は「マインドネス瞑想」でスッキリ。
    日々、身近に接する様々なモノやコトを可能な限り整理し、少なくすることが、豊かで落ち着いた生活につながるのかぁ...と思い始めた今日この頃。
    さすれば「食」についても同じようなことが言えるのでは...との思いから、思わず手に取った本書。

    読了後の結論から申し上げますと...
    「極端に」にはならないように注意しつつ、私の食生活の土台をガラッと変えてみたくなるような、価値観の変化がありました。

    本書の主張は実にシンプルです。
    ご飯を主食、季節の野菜を中心とした副食、そしてお味噌汁などからなる粗食が、健康にとってとても大きな効果があること。
    できるだけ精製・精白されていない食物がおススメであること。この点、お米も玄米や胚芽米がベターとのこと。
    肉や牛乳などを減らし、発酵食品をよく食べるべきであるとのこと。
    食事はゆっくりよく噛んで食べること。
    などなど。

    現代の「食」の問題のひとつとして、「現代型栄養失調」が挙げられています。
    そのなかで、我々のカラダを一昔前にあった(らしい)「石炭ストーブ」に喩えた説明がなされています。
    非情に分かりやすく、大変共感するところです。
    「食」による、子どもたちの健康や女性の「慢性病5点セット(=生理不順、冷え性、便秘、貧血、肌荒れ)」への影響などもフムフムと頷いてしまう点が多い。

    ただし、総じて、科学的根拠がさほど明確でない点も見られます。
    ただ一方で、本書でも紹介されていますが、現代に至っても確固たる科学的根拠が明確に示し切られていないのが「食」の世界であるとも思います。この点、本書でも批判されている様々な「○○を食べて健康になる」ブームが瞬間的に出現しては消え去る光景がまさに証明しているように思われます。
    そのようななか、過剰な「食」を排し、日本の気候・風土で育まれた食物を適切な時に適量食するといった習慣、すなわち食の土台を見直すのも良いのでは...と思います。

    ただ、何事も「極端」はいけない。
    それは、本書の主張する「粗食」についても同じことが言えると思います。
    「食」においてそれをやると、本書でも批判されている様々な「○○を食べて健康になる」(=○○しか食べない)と同様な偏りに陥ってしまうことになる。

    何事も「適度」が大切。
    日々の生活のあらゆる面に影響を及ぼす食生活。
    自分に合う、自分の今の心と身体に合う食生活の土台とはなにか...
    本書は、この大切なことを真摯に見つめ直させてくれる、ひとつの良書だと思います。

  • 日本人は日本人が長年食べてきたものでバランスする。イヌイットが白熊とアザラシだけを食べてバランスするように。
    そんな前提に立った筆者の栄養論は、テレビやCMで見るものとはまったく異なっていいます。
    「ビタミンC」「カルシウム」といった単一の栄養素や、「バナナ」「しいたけ」というような単一の食物を取り上げて、それが万能であるかのようにテレビでは喧伝されているけれど、そもそも人に必要な栄養素がすべて解明されているわけではないし、それぞれがどれくらい必要なのかも判明していない。
    大事なのは、先祖が代々食べてきたものを食べることなのだそうです。例えば日本人は米と野菜と魚から栄養を吸収しやすい民族なのだから、それを食べるのが一番良い。肉や牛乳や砂糖は体質として合っていない。

    一生のうちかなりのウエイトを占める「食」を考える良書。

  • 食源病とは、食生活が原因の病気のことである。

    食源病を防ぐ10ヶ条
    1、ご飯はきちんと食べる
    2、穀類は未精製のものを
    3、副食は野菜中心にする
    4、発酵食品を食べる
    5、肉類を減らす
    6、揚げ物は控えめに
    7、白砂糖の入った食品は避ける
    8、砂糖や塩は未精製のものを使う
    9、できる限り安全な食品を選ぶ
    10、ゆっくりよく噛んで食べる

  • これ読んでからご飯もりもり食べてます。

  • パンをやめてご飯を食べる。

  • まとめると、健康な食生活つーのは
    玄米と糠漬けと旬の野菜のおかず1品喰って、
    味噌汁飲んどきゃ間違いないよ。
    昔っからの食事しろよな。

    というナカナカに厳しい条件推奨をされている本。
    チョットだけやってみようかしらと思た。

  • 同じことをどこかで読んだことがある、と思ったら、前に読んでいた。
    これは、その文庫版。

  • 再読。
    この本の中で端的に心に響いたのは「ご飯をしっかり食べよう」ということと、「近くのものを食べよう」の2つ。
    ご飯については昔と今とで労働の仕方も違うので必ずしも現代に100%適合するとは思えないのだけど、近くのものを食べるというのは本当にそのとおり。輸送の短さ=新鮮さもさることながら、「FOODは風土」のとおり、近くのものを食べることは近い風土のものを食べることだから、身体にも優しいかもしれない。そう考えると、食べるというのはすごく面白い行為なんだな、と改めて感じた。

  • 読み通してみると和食、米食を見直すきっかけになるかな。基本の食事を粗食から考え直すのいいんじゃないかなと思う。

全63件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ベストセラーとなった『粗食のすすめ』、全国の変わった給食を集めた『へんな給食』の著者。東京農業大学栄養学科卒業。管理栄養士。山梨県の長寿村を知って以来、伝統食と民間食養法の研究を行う。日本列島を歩いての縦断や横断、また四国横断、能登半島一周などを重ねた末に、“FOODは風土”を提唱。

「2012年 『乳がん患者の8割は朝、パンを食べている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

幕内秀夫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジェームズ アレ...
トニー・ブザン
スペンサー ジョ...
デイル ドーテン
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×