真理先生 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (1952年7月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101057040

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真理先生 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ユートピアの住人達の様な、とてもとても魅力的登場人物達を、主人公の僕を通じて、見て、聞いて、感じる物語。
    何か起きるということもないが、不思議と穏やかな気持ちにさせられる一冊。

  • 高校生のときに気に入ってよく読んでいた記憶がある。が、今読むと、恐怖を感じる。
    1、真理先生は、自分ではお金を使わないで生きている。ぱっと読むと結構な御身分で、うらやましいようなことだけど。いざ自分がその立場になってみると、金を使わないで生きるのは怖いような気がする。

    2、真理先生やその他の人が、馬鹿一という愚直な画家に、若いきれいな美人をモデルに絵を描かそうとする。これがものすごく怖く感じた。トランプ大統領に核兵器の発射ボタンを持たすようなものというかなんというか。というか絵の修練の過程において、石からいきなり若い女性のヌードって難しくなりすぎではないかなあ。もう少し段階的に修業したほうがいいんじゃないかと、老婆心ながら思った(苦笑)。

    3、硬骨漢の稲田さんが、若い女性のヌードモデルに恋をして、お話的にはハッピーエンドの体裁になるんだけれども。
    若い男性が急に若い女性のヌードを見せられては、惚れてしまうのは火を見るより明らかでしょう。そういうことをあえてする周囲の人たちは、うかつを通り越してなんだか悪魔的なように感じます。

    なんだか全体的にちょっと怖い印象を受けました。またもう20年くらい経ったら読みなおして見たい作品です。

  • 出だしの会話のおバカなやり取りが面白かったので、期待させてくれたが、だんだん飽きてしまった。

    今の基準で考えると、日本語の表現が変な感じがした。

  • 真理先生を総本山に、主人公をパイプ役として画家の石かき先生や書家らの思想と生き様を描いた作品。物語より思想・哲学が主軸。石かき先生の画への実直な情熱や、意見に対しても自分に向き合いながら受け入れるべきこと変えるべきことを判断していく態度が魅力的に映った。書家らにも同様の感想を持った。だが、教祖たる真理先生のお言葉には共感半分、疑問半分といったところだ。人生を肯定して生きたければ自然に肯定される生き方をせよ、までは納得できるのだが、なぜ次に(耶蘇教の)神が持ち出されるのか理解に苦しむ。最終節、いよいよ真理の核心にふれられ、大いに共感できる点も多いはずなのだが「真理が導く」「到達させてくれる」「神は愛なり」といった表現が私を素直に読ませず厄介に思っている。

  • 折にふれて読み返したい本である。

    先生方の言葉に耳を傾け、ゆったりとした時間を過ごす。
    なんて贅沢な。

  • 真理先生と題名にはあるが、真理先生よりも馬鹿一こと石かき先生の方が作中とても目立つ存在で、主人公っぽかった。
    馬鹿一は醜い老人で伴侶もおらず、孤独にお金にもならない石の絵を描き続けている。
    杉子という美女をモデルに絵を描き始めても、色恋にはならず、杉子を女神様のように崇拝する。
    まさに絵を描くことしかないような老人で、その他の欲がないような感じ。馬鹿に一途である。
    真理先生は言葉でまとめて真理を口にするが、馬鹿一は行動で真理を示す。

  • 実直で温かみがあり、読んでいてどこか懐かしい気分がする話。288頁の馬鹿一先生の名言が心にしみた。

  •  ソクラテスや孔子関連の文献で採用されている対話篇。武者小路先生の思想を通称真理先生に語らせている。真善美を論じる「しんり先生」であって、お色気のある「まり先生」ではない。内容は非常にポジティブなもので、ちょっとしたドタバタや人間の暗い面についても描いているが、深刻なものではなくむしろ微笑ましい後味が残る。一つの作品との出会いが行き詰まった環境で落ち込んでいる読者の生き方に大きな影響を及ぼすことはよくあるが、本書の場合よほどの重症でない限り良好な効果を得る可能性が高い。文章のリズムや描写といった技法も見事で、とくに馬鹿一、泰山といった登場人物と主人公との掛け合いは秀逸。絶版の心配がとりあえずありえない歴史的文豪の作品でツボに入ったものは大きな無体財産となる。

  • ザ・武者小路

  • 真理先生、馬鹿一、泰山、白雲子、登場人物が皆善人である。真理を尊び、内心の力を信じて努力するのが大切。まるで宗教家だ。僕=山谷五兵衛の職業が何か、奥さんが居ながら何を職業にしているのか気になった。13.10.14

  • 真理先生の登場人物は皆、それぞれ個性は違えども共通している部分があるように思います。それは善人であること、根本が誠実であることです。特に石書き先生の手紙は感動しました。
    「真理先生」を読み終えて、なぜこの題名なのかと不思議に思いました。何故ならこの物語の中心エピソードは石書き先生のもの。肝心の真理先生はあまり表には登場しません。
    しかし考えてみると、登場人物たちは真理先生を拠点に繋がっています。そして登場人物たちの間を動き回り、実際に人々を結びつける役が山谷さん。まさに仲人に相応しい人物だと思いました。
    石書き先生、杉子さん、山谷さんの三人体制となった帰り道での、杉子さんと山谷さんの雑談は、まるで私もふたりに加わってその場にいるような感覚になって笑いました。相手のことを勝手に決めつけて判断するのは良くない〜という真理先生の仰る通りなんですもの。

  • 多くの「先生」が出てきて、絵や書などの美的作品の評価を巡って、話が展開する倫理的な小説。真理先生は、信念の強さからしてちょっと気性が激しそうだけど、いいことを言っている。

    主人公も「先生」と呼ばれ、変わり者の絵描き(真の主役か?)も馬鹿一という不名誉な名で呼ばれ続けていたのに、最終節では主人公に「先生」と敬称される。
    先生がいっぱい。

    満足度は普通に3点で(先生に敬意を表しつつ)。いい本です。

  • 戦後、一時公職追放された後の復帰作。登場人物はすべて善人。白樺派の特徴の一つを極端にした感じの作品。この種の作品で一服というのも俗世(の日々の生活)と少し対照できて○。

  • 初めて武者小路を読んだ。登場人物が魅力的。考えも個性も違うのに、その善良な哲学をもって調和している。真理や愛や馬鹿など、概念を擬人化した寓語のように読み取れた。会話ばかりなのに驚くほど情報量が多い。文学というより哲学書のようだった。哲学を学ぶ人に読んでほしい。「石も人間も、つまりは同じだね。平等の奥に差別があり、差別の奥に平等がある。又その平等の奥に差別がある。僕は今、石も人間だということを感じている。しかし石は石だと感じたいと思っている」

  • 武者小路は「友情」に続いて2作品目

    登場人物たちはやはり実直
    さらに善人ばかり、類友だな

    山谷先生(語り手)目線で話が進むが、きっと今なら別キャラ視点でも作品書かされたりするんだろうな

    書き出しに「これも山谷…」とあるが別作品でも語り手をやっているのだろうか?

    しかし出てくる人達みんな経済活動してないなぁ

    個人的には真理先生よりも山谷の方に憧れる

  • 山谷五兵衛といふ人物の語りで話がすすみます。
    真理(しんり)先生とは、本名は村野誠といひ、特段に仕事はしてゐないが、その人物を慕つて常に人が集まり、弟子が生活の世話をしてゐて、時たま講演などをして自由気儘に生きてゐる人。
    山谷も噂で聞いてゐる間は、どこか胡散臭い人物と思つてゐたやうだが、実際に会ふと、これはなかなかの人物であると分かり、自分も頻繁に真理先生のもとへ通ふやうになつたのでした。

    真理先生の理想論に過ぎると思はれる話を、登場人物は皆感動して聞いてゐます。中には泣き出す人もゐて、かういふ反応に現在の読者はひいてしまふのではないか、と心配します。
    人生の明るい部分、あるいは人間の善意といつたものが前面に押し出されてゐるので、小さな事件があつてもすぐに解決し、誤解はすぐに打ち解けてしまひます。人間、当り前に生きてゐれば何も問題はないぜ、と言はんばかりの展開になるので、一種白痴的なストーリーとも申せませう。
    しかしその単調さの中にあつて、救ひなのが「馬鹿一」と呼ばれる絵描きの存在ですね。

    「馬鹿一」は石ころとか動かないものばかり一所懸命描いてゐるので、真理先生から「石かきさん」と呼ばれてゐます。結構な年齢(50-60代?)と思はれますが、「真面目な」「善人の」「努力家」を極端に突き詰めたやうな性格設定になつてゐるので、この小説内でも変人扱ひされてゐます。しかし、私にはこれが愛すべき魅力的な人物に思へるのです。お陰でタイトルになつてゐる真理先生の方が脇役みたいです。新潮文庫には同じ作者の『馬鹿一』といふ作品が以前あつたので、本来こちらを先に読みたいと念願してゐたのですが、現在絶版で私は未だに入手してゐないのでした。

    この『真理先生』が絶版にもならず、平成の現代まで改版を重ねてゐるのは、意外な感じがします。
    内容はどうみても前時代的といふか、今の読者からは鼻の先で笑はれてしまひさうなものに思へたからです。しかし今でも読まれてゐるといふことは、案外現在の人たちも、心の底では人間の善意を信じてゐるといふか、忘れてゐないのかな、と思ふと良い心持になります。
    「仲良き事は美しき哉」と書かれた南瓜の皿が私の自宅にもあります。単純なことを単純に言はれると、確かに反論できず頷くしかないなあと改めて感じたのでありました。

    http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-67.html

  • 心清い人ばかりが登場する心が清くなるお話。バカにしてはいけない大事なこと。今の世の中で生きていくのに大切なこと。時々読み返して取り戻さなくては。

  • 名作だと思います。
    こんな風に前向きで誠実な小説はなかなかありません。

    誠実になることはときどき馬鹿を見るけれど、
    それでも人間にとって大切なことなのだと教えてくれる小説。

  • 愛読書。

    真理先生がくどくどと『真理』とやらを述べていく。

    馬鹿一の性格も魅力的。

  • 学生時代から読み続けている本のひとつで、一番好きな本。真理先生の言葉はいつもあたたかいです。

  • 浮世離れした善人達が織り成す、人生の美しさと人の善意について。現代では尚更、当時でも浮世離れしていたのではなかろうか。

  • 心理先生と先生をしたう人たちの会話がいい、なんとも無駄がなく気持ちで会話、いえ、対話しているのがわかる。

    まだ読み途中だけど

    今すきな心理先生の一言
    「自然は新しい美をどんどん生み出す力をもっているから、遠慮なく美しい人を婆さんにしてしまう。それで又いいのだろうが、一寸惜しい気もするのは人情の面白い処ととも思うよ」

  • 之も山谷五兵衛の話。

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