幸福者 (新潮文庫 む 1-7)

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  • Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101057071

感想・レビュー・書評

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  • 神に近いとも言える人生を達観した僧侶が、様々な出来事が起こる度に、弟子に教えを説くという形で書かれている。内容的にはストーリー性が乏しく、淡々と進んでいくため読むのが結構しんどい。
    ただ、自分の心に刺さる格言が何処かで見つかる1冊でもある。

  • 清い気持ちになったり、師が小説家ディスるところで
    なんで?ってなったり笑
    どこまで欲を捨てるが難しい。。

    でも自分にできないことを相手に求めたりするのはやめようとか、人の悪口は言わないようにしようとか、
    少し優しくなれた気はする。。
    いい人間になれるように心がけよう。。

  • 「師」の一生の記録。師の言葉、行動、思想、日常。単なる非現実的な理想論ではなくて、どこか人間臭さがあって憎めない。だから惹かれたり共感したりするところがあるのかな。

  • 青春時代に誰もが通るロマンチックな完璧夢想。武者小路も私と同じような青年だったとうれしい気にもなる。但し、師を盾に自分の若さを補填している。「何を、若造が・・」と一蹴されるのをさけている。武者小路実篤、童貞の香り漂い・・・・

  • 理想主義と言われる白樺派の1人、武者小路実篤の本を読みました。
    弟子に師を語らせるという形で、作者の理想の人間像が書かれています。

    弟子が素晴らしいと絶賛する師ですが、私が受けた師の印象は純粋で、不器用で、潔癖な人。多少押しつけがましく感じるものの、周りのものに感謝し、自分を省み、他人の罪は許し、どこまでも清くあろうとする姿勢は嫌いじゃないです。

    それなのに読み終わった後のこのもやっとした気持ちは、師のことが最後まで好きになれなかったからかもしれない。この本の軸なのに。
    師の他人を否定するところが好きになれないという理由もあるし、「私の本職は心を美しくしておくことです」というのもいまいちよくわからない。

    理想を理想として見れない自分の心が狭いのかも。
    ただ、きれいごとを並べているように感じてしまった。

  • ややくどい。
    宗教的な考え方に傾きつつあるけど、
    神の意に則して行動し、また徹底的な自己謙遜をするという態度を維持するためには、
    神の存在を語り、そこから真意が生まれるという流れにもっていくのが不可欠なので、そこをどうこう言うつもりはない。
    とにかく人間は自然と調和して生きるのことが、結局自分を最大限に生かすということなんだと思う。
    すごい人だ。この人は。深すぎる。
    「俺は他人を責めることができない。自分の中にもっと恐ろしいものがあることを反省しないではいられない」
    「他人の罪に寛大になれるのはうれしい。しかしそのために罪を罪のまま許すようになるのは恐ろしい」
    「自分の悪いことを本当に知っている罪人は自分を正しいと思い込んで、他人を責める人間よりずっと幸福だ」
    「心を静かにすること。利己心や小さい根性から生まれるのは皆自分の平和を乱す」
    「許された範囲で自分を生かすだけ生かせたら、存外自分を生かすことができる。」
    「大事なのは見えないところでつつしみわるいことをしないようにすること」
    「自分の心がおちつかず不愉快なときは、その原因を省みる。そして其処に自分の至らぬ点をを見出す。自分は自分の至らぬ点を発見することができずに他人に不快を持ったり、腹を立てたことはない。そのときは自分の虫の良いところを見出す」

  • 06/04/16/Sun ブック●フ(遠にて。

著者プロフィール

東京・麹町生れ。子爵家の末子。1910(明治43)年、志賀直哉らと「白樺」を創刊、「文壇の天窓」を開け放ったと称された。1918(大正7)年、宮崎県で「新しき村」のユートピア運動を実践、『幸福者』『友情』『人間万歳』等を著す。昭和初期には『井原西鶴』はじめ伝記を多作、欧米歴遊を機に美術論を執筆、自らも画を描きはじめる。戦後、一時公職追放となるが、『真理先生』で復帰後は、悠々たる脱俗の境地を貫いた。1951(昭和26)年、文化勲章受章。

「2023年 『馬鹿一』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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