お目出たき人 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (1999年12月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101057149

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お目出たき人 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 片想いのすすめ。
    てゆうか片想いよ、すすめって感じ。Go ahead!

  • 誇り高き失恋ロマンチスト、武者小路実篤!
    友情、愛と死に続いて3作目読了。

    あ、目が合った!
    いま、絶対俺に微笑んでくれた!
    俺のこと好きに違いない!
    結婚だ!やったぜ!

    他の方と婚約しました…orz
    ってゆーお話。

    これは、本当におめでたい。主人公が笑けるくらいおめでたい楽天的夢想家。
    鶴という恋する女性をこれでもかってくらい理想化し偶像化して、チマチマあーでもないこーでもないって一人で考えて何のアクションも起こさぬまま振られるっていう、救いようの無いストーリー。

    巻末の阿川さんの解説がなんとも痛快。

  • 「自分は女に餓えている」

    「自分の個性をまげずに鶴とならば夫婦になれるように思われて来た」

    「自分には鶴と一緒になって始めて全人間たることが出来るように思えた。何かかくにつけ、読むにつけ、見るにつけ鶴が居たらと思う。嬉しい時も淋しい時も悲しい時も、美しいものを見るときも、甘味いものを食う時も鶴と一緒だったらと思う」

    然し、物語を通して鶴との具体的な交渉は一切なく、独り善がりの空想に終始する。自他の隔壁が融解することでなければ、個々の強張った自我がほどけて互いにまた撚り合っていくことでなければ、わざわざ愛に特別な場所を与える理由も無かろうに。

    現代、この男にいろんな名前が与えられているのは、周知の通り。

  • これほどタイトルにバッチリな主人公も珍しいなと。本当にお目出たき人です。『女に餓えている』何度この言葉がでてくることか。それでいて理性的でいようとするけど、やっぱり出てくるこの言葉。年の離れた近所に住む娘に恋する自分だけど、女性からすると、あまりにこの言葉がネックになってます。寂しいだけ?相手してくれる女なら誰だっていいんじゃないの?なんて解説に書かれてる阿川さんに同感です。
    足掛け5年。彼女、鶴に一度も話したこともありません。引っ越してしまった彼女の学校付近をウロウロするばかりです。奇跡的にばったり出会っても挨拶のひとつも出来ません。それでいて頭の中ではすっかり彼女は自分に恋していることを疑わず2人は愛し合う夫婦になっています。そして人任せの求婚はうまくいくはずもなく。失恋して泣いていたものの、終いには彼女がお嫁にいったのは家族の勧めで鶴はイヤイヤだったと思い込み勝手に憐れみます。
    なんとまぁお目出たき人です。恋に恋してる大人の男の片想い失恋物語、ここまでくると天晴れなものです。

  • なんとじれったい。26歳になっても童貞男の純愛?
    優柔不断な思春期のままの恋物語。よく最後まで読み通せたと自分を褒めたい。中高生には受けるかも・・・
    色紙「仲良きことは美しき哉」などに感激したのは、確か私も高校生。東京の文通相手に惚れたりしてた頃

  • めっちゃわかる…痛いほどわかる…
    都合よく考えることは悪いことじゃないと思う。勘違いから恋が生まれることもある。上手くいくときもあれば、ダメなときもある。結局、相手の気持ちは聞いてみないとわからない。勘違いしないと勇気も生まれないかもしれない。後悔しないように相手に直接想いを伝える方がいい。それでダメなら諦める。諦められなかったら、もう一度いって諦める。言うは易し、行なうは難し…
    というか、明治に書かれたことが、今、自分が考えていることと一緒だということが面白い!恋の悩みって不変なんですね笑

  • 長い・・片思いすすまない。。展開もすすまないし、
    特に特殊な登場人物もいない。。こういう話は苦手だわーと解説よんでおわろうとしたとき、最後に阿川佐和子さんにやられた。。つねに与えてもらうの待つのではなく、自分から考えたり取りに行くことが大事

  • 女に餓えている自分は、近所に住む鶴という女に恋している。男と女が惹かれあうのは自然なこととする自分は、鶴と結ばれることを信じて疑わない。足かけ五年恋しているものの、鶴と言葉を交わしたことは一度も無い。空想家である自分はそんな彼女をどんどん理想の女に近づけていく。

    自分の鶴に対する思いは膨らんでいくものの、ある日仲介人の川路からの手紙で、鶴は他にも多くの魅力的な男性から結婚を申し込まれていることを知る。自分はショックを受け、日記や自作の詩にその思いをぶつける。しかし自分と鶴は夫婦になるという自然の黙示を信じているので、あきらめることなく彼女を想い続ける日々を過ごす。

    ある日偶然約一年ぶりに甲武電車で鶴に逢い、ついに自分は鶴と結婚するのだと確信し、ますます鶴を強く想うようになる。ところが五カ月後、再び川路から届いた手紙により、鶴が人妻になったことを知る。それでも自然の黙示に従おうとする自分は、挙句他の男と結婚した鶴を憐れむようになる

  • 話したこともない近所の鶴に恋い焦がれた主人公のお話。再会し話すチャンスがあったのに...まあエモいですね。

  • タイトル通りです

  • 一年も会った事がない、話したことすらない女性、鶴に未だ想いを寄せられるパワーがすごい。
    主人公の想像の中で恋し続けているという感じ。
    友情の方が好き。

  • 例の読書サークルによる、空前の恋愛小説ブームで検索に引っかかった一冊。

    お目出たい主人公は恋する鶴を一方的に想うだけ。一言も口をきいたことがなく、自分の存在に気付いているかどうかもわからないのに、彼女も自分を好きでいるとか自分の妻になれば幸せだとか、一体どうして思えるのか。思い込みが激しいにも程がある。それでいてやれるだけのことはやったと思っている。ただのストーカーではないか。なんてお目出たいんだろう。
    全編を通してお目出たき彼の脳味噌を覗き見したようで、あまりにも赤裸々過ぎて、かえってこちらが申し訳なくなってしまうくらい。さらに本編のあとにお目出き彼が書いたとされる、付録の小説が付いているのだが、それがますます痛々しい。お目出たき彼は自分でお目出たいと言いながら、たびたび「〜と思うまではお目出たくない」と彼なりの線引きをしており、いや貴方十分にお目出たいですよ、と呆れてしまう。そんな彼もいろいろと妄想しては不安になるのだが、そのたびに自分は勇士だ!勉強しよう!と自分を鼓舞して昇華しようとする。どこまでもお目出たい。
    裏表紙にも書いてあるが、主人公は当然失恋する。時すでに遅しではあるが、残念なお目出き彼のために、彼の良いところを探してあげようと思う。何しろ鶴は彼の何も知らないし、代わりに読者は彼の頭の中を知りすぎている。彼は自己中心的でナルシストではあるが不思議と実害はない。時々他者に対して感謝もするし反省もし、完全に社会性を失っているわけではないのだ。何より彼の周りにはわりと面倒見の良い(?)人たちが揃っており、彼自身がそこそこいいヤツである可能性は高い。鶴よ、彼に興味を持ってやってくれ。
    それにしてもこのお目出たさ、完全に突き放して笑えないところが苦しい。自分にも思い当たる節がなきにしもあらず。人間いくらかお目出たい方が人生を楽しめるものだろう。

  • 理想主義者の妄想独り相撲。
    相手に話し掛けたこともなく、相手は自分のことを知らない。しかし相手は自分と結ばれるべきで、結ばれれば幸せになれる。上手くいくと信じて疑わない。
    お目出たき人

  • なんでたった一言話しかけないんだ!!
    天然なのか、拒絶される恐怖から無意識に逃げているのか。どっちなんでしょう。


    作者が自給自足の村を作って、結局自分は出て行ってしまったというエピソードがすごい。

  • 「お目出たい」ってこういうことだわ。

  • めでたいひと。

    自分は自分の鶴に対する恋ほど、智的な運命のことを考え、自分のことを考え、自分の仕事を考え、2人の個性のことを考えた恋はなんですかと思っている。そうしてこの恋の成就によって幾多の事実、かくれたる事実を知ることができるのを信じてる。

    ここではなんでも速いことが第一で、更なる刺激を希求する現代には、少々そぐわないかもしれない。いまはなんでも、例えばドラマや映画も、過激な展開と軽快なテンポばかり求められる。
    立ち止まり、落ち着き、引き返したり、考えることを許されない。
    人を好きになったとき、この『おめでたき』グダグダ精神こそ、ウジウジ描写こそが、いまの我々が思い起こすべき方向を指し示している気がする。

    結局はぼーっと考えずに、すぐに行動することより、ゆっくりいけばいいんじゃない?

  • 作者、武者小路実篤。
    公卿華族の次男で26歳無職の主人公。
    現代で言ったらストーカーチックの自分本位な恋愛の話。

  • 「自分は女に餓えている」という文がしばしば顔をだす表題作に加え、「お目出たき人」の主人公が書いたと想定して読ませる5篇。

    26歳の「自分」は「鶴」という女学生を見染め、人を通じて結婚まで申し込むほど真剣です。

    ただ、昔のこととはいえ、ひと言も言葉をかわしたこともなく、相手も自分をまったく知りません。

    何度結婚を断られても、鶴本人の意思に反した事情があるにちがいないと思います。

    主人公はとことんポジティブです。
    彼の根拠も薄いまま甘い見通しに頼り続ける楽観主義ほど「おめでたい」という言葉が最もふさわしい場面はありません。

    本人が真剣であればあるほど、滑稽です。

    主人公は決して明るく人づきあいのいい方ではないにもかかわらず、現代ならストーカーと呼ばれても仕方がないほどなのに、
    底抜けの楽観主義を、これでもか、と語られると、実にすっきりとした読後感が残りました。

  • 妄想が爆走する失恋小説。ただし爆走するのは妄想の中だけ。
    現実の世界では声すらかけられずただグダグダしているだけの主人公。
    本当におめでたくて滑稽です。
    嫌いじゃありません。

  • 妄想ストーカー

  • 実篤先生おもしろすぎ

  • お目出度いなあ。

  • あとでブログに書きます。

  • 「自分は女に餓えてゐる」

    今で言う妄想癖ニートの話か…

    恋がうまくいく小説の方が多いけど、
    現実はこっちの恋の方が多いはず。

    でも現実と全く同じ内容の小説を読んで楽しいのかしら。なんか主人公が妄想にふけると、なんでも都合良く解釈する自分も悲しくなってくるし。

    ここまで楽観主義だとおめでたい。

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お目出たき人 (新潮文庫)の作品紹介

自分は女に、餓えている。この餓えを自分は、ある美しい娘が十二分に癒してくれるものと、信じて疑わない。実はいまだに口をきいたことすらなく、この一年近くは姿を目にしてもいない、いや、だからこそますます理想の女に近づいてゆく、あの娘が…。あまりに熱烈で一方的な片恋。その当然すぎる破局までを、豊かな「失恋能力」の持ち主・武者小路実篤が、底ぬけの率直さで描く。

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