さがしもの (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 844
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101058245

感想・レビュー・書評

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  • 引き出しの奥、ミツザワ書店、さがしもの
    が特に好き

  • 本にまつわる話を盛り込んだ短編集です。読後、読書好きで良かったなぁと思える素敵な本です^_^オススメ!

  • 本を通して、自分を見つめ直していく主人公たち。わかる気がする。本は自分の経験したことに対する考えを深めてくれるし、経験していないことでも、「開くだけでどこへでも連れてって」くれて、経験させてくれる。読書っていいなと実感させてくれる一冊。

  • 短編集とは知らずに購入し、目次を見てテンションが下がった状態で読み始めました。(以前、短編集を読んで、物語に入り込めず途中で読むのをやめたため、苦手意識がありました。)読み終わって「面白かった」と感じました。いい本に出会えたような気がしました。私はこの本を中古で購入しましたが、こんなにいい本なら新品を買えばよかったと後悔しました。しかし『さがしもの』には古本の話が沢山あったことを思い出し、これもまた運命かもと感じました。(運命とは、かなり大袈裟かもしれませんが…)

    全てとても素敵なお話でしたが、いくつか感じたことを記録します。
    「彼と私の本棚」…以前観た映画にとてもよく似ていて、情景が思い浮かび、心がぎゅっと締め付けられました。
    「さがしもの」…1年?半年?程前に、曾祖母が夢に出てきました。亡くなったのはだいぶ前で夢に出てくるなんて初めてだったので、とても不思議な気持ちになったのを覚えています。夢の内容は本なんて全く関係なかったですが、その日のことを思い出し、少し涙がでました。

    私は以前途中で読むのをやめた短編集の影響で、短編集に苦手意識をもっていましたが、またいつかその本を読んだら、違う感想をもつのかなと思いました。本との付き合い方が少しかわったような気がします。

  • 「不幸の種」が個人的に好き。

  • なんというか、
    本ってその中に描かれる人生とか生き方とかを最も手に取りやすく形にしたものだなって思った。

    人生って生きてみないとどうなるかわからないのと同じで、
    本も開いてみないと何が書かれてるのかわからないんだけど、
    だからこそどちらも、
    不意な出会いが楽しいし尊いし、
    だからこそどちらも、
    自分はこれが好きだなとか、大切だなとか思ったり考えたりしたりして。
    それを自分の贈りたい人に共有したくなるなあって。

    自分の言葉で伝えるのもいいけど、
    本って極めて個人的な「好き」や「素敵」「大切」を、
    手に取りやすく、シェアしやすい形に起こしてくれてるメディアで。
    同時に、書き手だけでなく持ち主の「好き」「素敵」「大切」、あるいは「苦い」とか「酸っぱい」とかも宿りやすいメディアで。

    これら全部合わさって、
    それぞれの本はそれぞれの意味を持って。
    それぞれにとっての大切な思い出のアルバムみたいになって。
    結果、自分自身は多くを語らずとも、自分の想いを届けられる贈りものになりうるんだなって思った。


    この本を読んで素敵って思えること。
    この本を贈ろうと思ってくれたこと。

    あと、本屋行きたいなって思った。
    死ぬまでに、素敵だなって思える本にもっと出逢いたいなって思った。
    今までさがしものってすごくキライだったけど、
    見つかる保証のないさがしものも案外悪くないのかも。

  • 「さがしもの」
    いつだってできごとより、考えのほうがこわい。
    できごとは、起こってしまえばそれはだだのできごとなのだ。

  • 短編で読みやすい
    本と人生の話
    短編なのに一つの話で時系列的に十年ほどを追いかけているので読み応えがあるところが好きです

  • 本がまとう記憶を集めた短編集。
    自分の体験や思い出が重なる。
    内容とは別だけど、新潮文庫なので小口が指に引っかかる感じや、この本を妹からプレゼントにもらったということなど、読んでる自分自身の状況もこの本の内容にリンクしているように感じる。
    そういう意味でも読書の醍醐味を味わえる本。素敵。

  • 本と恋の掛け合わさった話が多いのが印象的だった。
    あとがきにも書いてあったように、本との関わり合いは個人的で、密で、まるで交際のようなものだよなぁと思う。

    個人的に好きだったのは「引き出しの奥」
    私の元に「伝説の本」が回ってきたら私は何て書き込むだろう。ラストシーンの1文がすごく美しかった。

    あと、国語の入試問題で読んだことのあった「さがしもの」の続きが読めて良かった。

    古本屋に行ってみたくなるなぁ。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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