しあわせのねだん (新潮文庫)

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著者 : 角田光代
  • 新潮社 (2009年3月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101058252

しあわせのねだん (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • お金の使い方、価値観について、日常の何気無い一コマを切り取って語られる本エッセイ。頭を空っぽにして読み進めるうちに「はっ!」と何か人生の真理みたいなものを気づかせてくれる。

    印象に残ったのはエッセイの最後で著者が、「何にお金を使ったかで人は人生を形成する」と語っていること。著者自身は20代、貧しても飲すると宣い無い金で酒を飲み続けたそうだけど、その時間で人と語り合い、それが喜びとして生きるガソリンになっていたらしい。

    一方で、若いうちに貯め込むことに夢中になった人と出会った時、その人が何にも中身のないスカスカな人間だったと印象を受けたらしい。どうも数字を積み上げることは内面に何かを積み上げることにはならないらしい。

    最近の自分のモットーは「金で解決出来ることは悩まず払う」。結局お金についてクヨクヨ悩んでいる方が心の健康によろしくない、自分の中の物事のPriorityを見極めることが重要なのだ。

    と宣い、今日も散財する私。まあ、バランスが大切ってことで、そこはご愛嬌、ご愛嬌。

  • 再読。
    前回読んだのは5年以上前だったと思う。
    今回特に心に残ったのは、「空白 330円」と「記憶 9800円×2」のふたつ。
    いや、もちろん全部面白かったけれど、それは改めて言うこともないことかなと。

    何にお金をつかうか、お金で何を得たいと思うかは、その時の自分の価値観とか優先順位がもろに反映される。
    そして、その価値観とか優先順位って意外と簡単にコロコロ変わるんだということを最近学びました。
    今の自分の精神状態を知るには、角田さんもあとがきに書かれているとおり、お金のつかいかたを客観的に見てみることが有効なのかもしれない。
    ただ、渦中にいる時は、客観的に見てみるということがなかなか難しいのだけども。

    お金をつかう時は必ず何かを期待しているはず。
    本を買うときはその本が面白いことを。
    洋服を買うときはその服が自分に似合うことを。
    その期待している「何か」があやしい時が要注意なんだろう。
    そういう時、きっと私は焦っている。
    誰かに止められる前に、ダメになってしまう前に、自分が気付いてしまう前にと。
    きっと焦っていると思う。
    このエッセイのように明確で健全な期待に基づいた買い物をいつでも出来ていればきっと大丈夫。
    その期待が例え裏切られても。

  • 角田さんのエッセイ集。
    お金を通してみた視点がオモシロイ。でも、近くに角田さんがいたらタイヘンだろうなぁ、、、

  • こんなにも、世の中の物事には、値段がつけられているのか。
    確かに。お金を使わないと、その国は見えてこない。

    バレンタインのチョコレートの値段、すべすべクリームのずぼら女子、
    財布に入れているお金が少なくて困った等、
    あららら、私のことでしょうか、と思わせられることたびたび。

    言われるまで気付かなかったが、カバンほど、
    値段と、その働きの関係が不安定なものはない。
    高いからって、使いやすいとは限らないし、安くても、重宝するものは多い。
    食材なら、分かりやすいのだが。
    ちゃんと定価が付けられた生活をしていると、つい見失うが、
    カバンに限らず、値段とその価値を見極めるのは、自分自身なのだ教えられる。

    値段とエピソードを繰り返し追っているうちに、思い出が蘇る。
    角田さんの親子旅行のような経験は、私の場合、何の、いくらだったろうか。
    あなたの「しあわせのねだん」は、なんですか。

    図書館スタッフ(学園前):れお

    ----------
    帝塚山大学図書館OPAC
    http://opac.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&category-mgz=1&materialid=2410004468

  • ん~! あるある! 私もそう思う!!が、満載の本!

    「食べたもので、私はできている」のと同じ
    「何にいくら使ったのかで 私はできている」

    短気なのに小心…って 笑ちゃいますよね でも、みんなそうだと思います。

  • 角田さんの生活の中にいろんな物語が…。
    自分と似ている部分もあって親しみやすく、友達の話を聞いているようで何度か吹き出して笑ってしまった。
    二十代のときに使ったお金がその人の一部(基礎)を作る、に納得。
    私は今、何にお金を使っているだろう?
    ぱっと思いつかないし、何もかも中途半端。
    ということは、ガタガタな基礎ができあがってるのかも。
    お金を貯めることは大切かもしれない。
    でもお金を使って、物はもちろん心に残る何かを得ることも大切なんだなと思った。

  • このオバさんのエッセイ読んでると、


    会社から家までの電車内(関内から蕨までの1時間20分)が

    スターバックスで言うところの、第三の居場所になれる気がする。

    というか、完全に京浜東北線で過す時間のほうが、

    平日に自宅で起きている時間(1日1時間ほど)より長い。



    まぁ、内容はというと角田さんの日常だとか、私は短気なんだとか

    キノコ嫌いで、松茸も大嫌い(すごく親近感沸いた)や
     
    旅が大好きなんだーとかね。




    んで、最後のほうのページで


    「20代のときに使ったお金がその人の一部をつくるのではないか」


    ううん。まだ25歳の自分にとって、実感のわかないことだけど

    あと10年くらい経って、振り返ったとして、そう感じるんだろう。


    はて、ちょうど20代の真ん中にいるわけだけど、自分はお金を何に使っているか。

    18歳で家を出た時から、何らかの形で家計簿はつけていたせいか、

    だいたい何にお金を使っているかは、把握しているつもりである。

    ・スーパーで買い物をする:15,000円~20,000円前後/1ヶ月
    ・上記のうち、ビールとかワインとか日本酒:半分より少ないくらい。
    ・お昼にパンとかマクドナルド行ってるのが5,000円くらい/1ヶ月
    ・居酒屋だの中華屋での出費:20,000円くらい/1ヶ月。
    ・本とか珈琲とかで、2,000円とかかな。
    ・これに、シャンプーとか生活用品だの電気代やらインターネットで10,000円前後。
    ・会社のマンション(あばら家)の家賃なんて16,000円だし

    ・洋服とかはほとんど買わない、大学4年間で10個も買ってないんじゃないかな。
     →会社に入ってからスーツとYシャツを少しだけ買うようになった。
    ・冷蔵庫やら炊飯器、電子レンジなんかは、18歳の頃から同じモノを使っている。
    ・夏に活躍する扇風機もね

    ・時々(いや、頻繁に)観にいくプロ野球の試合にもうちょいと。


    てな具合で、あんまりお金を使わないわけだけれども、

    しいて言うなら、酒代に一番費やしてるのかな。

    あとは、本!23歳から急に読むようになった本(特に小説)

    額は小さいけれど、大切にしたい。


    ってここに書き留めて、30歳を越えたあたりで振り返ってみたいな。




    そのちょっとあとに、20代の時に貯金するのは…と御指摘があった。


    貯金をするのは好きだけど、ほどほどにしよう。お金を使おう!

    でも、ムダ遣いはしない。

    んでもって、何がムダなのか。

    ムダのように見えて大切なモノもたくさんあるかもしれないし。

    「しあわせのねだん」が何円なのかわからなかったけど


    しあわせを買えるくらいのお金をヘラヘラとしながら遣ってゆきたい。

  • お金と幸せにまつわるエッセイ集。抜群に面白いエピソードとともに(たのしく生きるために必要な本当のこと)が書かれている。
    映画も見ず、酒も飲まず、外食もせず、旅行もせずお金を貯めてきた30代後半の人に会ったときの話はちょっとこわい。
    その人は「中身がなんにもなかった」そうなのだ…。

    魅惑の電化製品、財布の理想的中身、母との忘れられない旅。その値段は? お金は何をしてくれて、何をしてくれないのか。直木賞作家が、日々の物欲のくらしから垣間見た、幸福のかたちを綴るエッセイ。

  • 読み切れそうな厚さと可愛らしいジャケットにひかれ、さらに目次を見て即買い。
    まるでこのエッセイに描かれているカクタさん自身みたいでもありますが。。

    人が暮らしていく中で切っても切れないおカネの話を、自身のエピソードとともに面白く切り取って述べられています。
    そしてところどころ、私たちはお金を払うことで、実際には何を求め、その結果として何を得ている/得ることができないでいるのだろう?なんて、本質的なコトを考えさせられたり。。。。
    「ある、ある!」っていう共感も覚えつつ、あっという間の数時間でした。

    ちなみに、この文庫の値段、420円。
    ささやかなものなのかもしれませんが、自分にとっては充分に「しあわせのねだん」でありました。

  • 家計簿とお金に関する連載の文庫化。
    感情や出来事を通じて自分を掘り下げていくような、筆者の独特な視点が好きです。
    今回はお題がお金でしたが、執筆時の年齢が自分に近いこともあり、特に「20代のお金の使い方」には共感したし勇気をもらいました!

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