しあわせのねだん (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1991
感想 : 185
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101058252

感想・レビュー・書評

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  • これならいくら使えるっていうのは人それぞれ違っていて、小さな金額でとても満足できる時や、逆もある。本当に必要な自分の心のエネルギーになるお金の使い方をしたい。

  • やっぱり、角田光代の書く文章が好きだ。選ぶ言葉が好きだ。キュートで可笑しくて"そのまま"で、読んでいてなんだかとってもうれしくなった。他のエッセイももっと読みたいな。

    「なににお金を費やしたかということが、その人を形成する」、「中身が何にもない人にはなりたくないよね」的なことを最後におっしゃっているのにめちゃくちゃ共感した。個人的に最近ずっと考えていた、"お金とは何か"の答え合わせが少しできた気がした。ありがとう角田光代さん。

  • 角田光代さんの作品を読んだのは、数時間前に読了した『八日目の蝉』に次いで3冊目となりました。

    最初に読んだ『さがしもの』がとても良かったので、角田さんの作品を読み進めようと決め、『八日目の蝉』と本書『しあわせのねだん』を併読していました。

    本書は、お金に関するエッセイ23篇とあとがき2編から構成されています。
    『対岸の彼女』で直木賞を受賞され、5年もの歳月をかけて『源氏物語』の現代訳にも取り組まれた作家さんとは思えない?ユニークな作品が多く収録されており、また、ご自身の(全部ではないにしろ)あからさまな姿も描写されていて、とても楽しむことが出来ました。
    と同時に、併読していた『八日目の蝉』を書いたのも同じ作家さんなんだよな、というちょっと不思議というか変な感覚にも襲われました。(勿論、冷静に考えれば不思議でも何でもないのですが)

    本書に収録されているエッセイは、全て面白く読むことが出来ましたが、とりわけ、「100%感動する名作!」と帯に書かれていたとおり、角田さんと母親の旅行を題材とした『記憶 9800×2』は秀抜でした。
    別の小説家さんの作品ですが、氷室冴子さんの『冴子の母娘草』(本書と同じぐらい面白くお薦めです)を思い出しました。
    母親と娘が織りなす珍道中(涙もありますが)に間違いはないようですね。

    他の小説家さんのエッセイとしては、三浦しおんさんの『のっけから失礼します』を読んでいますが、本当にどの作品も面白く、楽しませてくれます。

    小説家さんの才能と、作品への精励には頭が下がります。

  • 楽しく読み終わって 最後の章
    全てはこの章を読むための前振りだったのか。
    20代の時使ったお金がその人の一部を作るのではないか‥‥。ふむ。なるほど
    そーしたら 私は 一体なにをしてたのだろうか。
    中途半端にお金使ってたなー、
    記憶にも残らない使い方してたってことは
    私の人生 中途半端なんだろうなー。
    今から20年後 あの時私はこれにお金を使った!あの頃の私はあぁだった!
    と良くも悪くも言えるように 今日からのお金の使い方を考え直してみようかな。
    お金の貧しさより、人生が貧しいのは切ないもの

  • 914

  • 人のお金についての価値観の話を聞くことがほぼないから、新鮮だった。
    文武相応でないお金を使ってしまっているときは自分とのバランスを保とうとして使っているから、自分の中のなにかが不調だと気づいてあげようと思った。
    20代の今、自分で稼いだお金の使い方についてちゃんと向き合おうと思った。

  • 20代で使ったお金が30代の下敷きになるって感覚よくわかるなあ。これまでの経験が何かしらにつながったり、ちょこっとかじってた興味関心がある時ふと再熱してまた面白いと思えたり。そういうことって大切だし、今必要でそれって老後になっても絶対面白いし、人生を豊かにするから今やっておこうってちょうど思ってたから。高いものを買ったのにそのお金を支払った感覚がないからワインのしみなんてどうでもいい。みたいなのわかるーーそうやって洋服買い込んでた時期あったなあ。でもそのおかげで自分の好きな服、似合う服がわかってきたんだと思うけど。衝動買いや無計画なお金の使い方は何かをしんどいと思ってる証拠、、体と心と同じみたくっていうのは今後の良い指標になる!買ったのはお金だけじゃないその時の風景や思いや人も含めて値段なんだろう。お母さんの話もよかった。何回か読み直して理解していきたい

  • 家計簿エッセイ。1つの出費に対して作者の思うところ、ストーリーが綴られていてなかなかおもしろい。いちばん怖いのは貯金額だけが異様に高いことと書かれていたが、・・・自分は大丈夫そう。自分の土台を作ってるのはなんなのか思い返してみたい

  • なんか作者さんと似ている気がして読んでて共感出来た。
    短気だけど小心者で怒りが伝わらないとか、怒る理由を何時間も何日も考えるとか、、!
    自分が使ったお金について分析しているのもおもしろかった!アクセサリー売り場で人群がって買いたくなっちゃって買っちゃうとか、洗濯機欲しくなって買っちゃうとか、欲に忠実ですごく好き!笑

    私も基本的にはケチだけど、使ってよかったと思うお金と使わなかったらよかったと思うお金について分析してみようかな

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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