路傍の石 (新潮文庫)

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著者 : 山本有三
  • 新潮社 (1980年5月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (601ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101060095

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路傍の石 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • つらいことを我慢して、我慢して…
    読んでてつらかった。
    苦労すればいつかそれが糧になる、的な考え方が、いかにも昭和的な一昔前のような印象。
    でもそれぞれの登場人物の思考や言動がリアル。

  • 時は明治時代の中期。尋常小学校6年生の愛川吾一は成績優秀で度胸もあり、担任の教師・次野に何かと目をかけられていた。しかし吾一の家では没落士族の父・庄吾がろくに働きもせず山林の所有権をめぐる裁判や自由民権運動に入れあげ、母・おれんが封筒貼りや仕立物の内職でようやく生計を立てている状態。成績優秀な吾一だが、経済的な事情から旧制中学校への進学は諦めざるを得なかった。それを見かねた近所の書店の主人で慶應義塾出身の黒川が学費援助を申し出るが、プライドだけは高く、さらにおれんと黒川の関係を疑う父にはねつけられてしまう。 結局、小学校を卒業した吾一は父親の借金のカタとして、街一番の呉服商・伊勢屋に丁稚奉公に出される。主人や番頭と対面するなり、「吾一」の名前が読みにくいからと「五助」に改名させられた吾一は、主人の機嫌を損ねて辛く当たられ、先輩にいじめられ、辛い奉公生活をおくる。伊勢屋の息子は元同級生で劣等生の秋太郎、娘は吾一の初恋の人・おきぬだったが、今では彼を見下げてやはり辛く当たるのだった。劣等生だが金の力で中学校に進学した秋太郎の登下校を、吾一はうらめしげに眺める。そんな中、母・おれんが生活苦の中、心臓発作で急死。母を失ったが、故郷へのしがらみが無くなった彼は東京にいるという父を頼り、伊勢屋から逃亡。上京して父が住むという本郷区根津(朝日新聞連載時は谷中)の下宿屋を訪ねるが、そこで待っていたのは更なる試練だった。根津には父はなく、吾一は女主人に言葉巧みに丸めこまれて奉公人同然の待遇で留め置かれるが、いわば「人質」としての価値が無くなったと判断された事でいきなり追い出される。途方にくれていたところで「おともらい稼ぎ」の老婆に拾われるが、その手伝いをしていた矢先に「文選見習い募集」の張り紙を見つけた事で、紆余曲折ありながらも吾一は念願の文字を扱う仕事に付き、次野先生との再会と、彼の尽力で夜学に通う道も開け、苦労しながらも一人前の文選工として成長して行く。
    新聞連載時は新たな下宿先の娘およねとの恋、その兄との出会い、父との再会等が続き、最終的に吾一が自身で出版事業を始め、それを軌道に乗せるところまで描いて「第一部」が終了。連載当時の現代(昭和10年代)を舞台にした「第二部」の執筆を告知したものの、前述の事情もあり「お月さまは、なぜ落ちないのか」の章で断筆、未完に終わった。
    現在刊行されている「路傍の石」は、作者曰く最もきりが良いとの理由で「次野先生」の章で終わっているものが多い。 後述の新潮文庫は「新編」の方を、作者による「ペンを折る」まで収録。その後新聞連載版を「付録」として第一部最後まで収録しているが、登場人物の名前や地名など、「新編」で変えられた固有名詞はそのままになっている。

    四度映画化されています。

  • 小学生の時に読んでも理解出来なかった私小説・路傍の石。ほぼ自叙伝と言ってよい本書は大人の事情で朝日新聞連載中止となり、主婦の友で新編・路傍の石が継続されても軍部の検閲厳しく、有名な「ペンを折る」を経て中絶。「生きとし生けるもの」以外にも中絶作品は幾つかある模様。本書より学んだ言葉は「艱難は汝を玉にす」。では、ワタクシはいつ玉になるのでしょう。まだまだ磨き足りないのでしょうね。

  • 1990 読了

    山本有三作品 累計読了 595ページ

  • 昔ながらのワッフルを食べるといつも、吾一を思い出す(作中では「ワップル」)。
    若い頃に比べて面の皮がぶ厚くなった今再読すると、劣等感のスパイラルから抜け出せない吾一にイライラさせられ、そんなに意地を張らなくてもいいのになぁと思ってしまう。
    父親と恩師に大金を使い込まれても人間不信に陥らない寛容さがすごい。
    続きがあったら、終戦当時の彼は50代半ば。いつまでも若者のままなのも、また吾一らしいのかもしれない。

  •  
    ── 山本 有三《路傍の石 1952-19800527 新潮文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4101060096
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%CF%A9%CB%B5%A4%CE%C0%D0
     ↑路傍の石 ↓山本 有三
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BB%B3%CB%DC+%CD%AD%BB%B0
     
     山本 有三 作家 18870727 栃木 東京 19740111 86 /参議院議員/籍=勇造
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19400620 散筆 ~ 折筆・断筆・休筆 ~
     
    ── 山本 有三《路傍の石 19370101-06‥ 朝日新聞(第一部)》
     
    …… 日一日と統制の強化されつつある今日の時代では、それをそのま
    ま書こうとすると、特に―これらの部分においては、不幸な事態をひき
    起こしやすいのです。その不幸を避けようとして、いわゆる時代の線に
    そうように書こうとすれば、いきおい、私は途中から筆を曲げなければ
    なりません。‥.時代の認識に調子を合わせようとすれば、ゆがんだ
    形のものを書かねばなりません。‥.世の中がおちついて、前の構想
    のままでも自由に書ける時代がきたら、私はふたたびあのあとを続けま
    しょう。けれども、そういう時代がこなければ、あの作品は路傍に投げ
    捨てるよりほかありません。
    ── 山本 有三《路傍の石(新篇)19400620「ペンを折る」主婦之友》
     |
    …… それから、7年の歳月が流れている。もういまわしい戦争も終っ
    た。軍国主義の政府もなくなった。今度こそ自由に書けるはずであるが、
    しかし私は、どうもあとを書きつぐ気になれないのである。‥.とに
    かく、前の構想のままでは、私には、今日もなお書けないのである。残
    念ではあるが、やむをえない。しょせん『路傍の石』はほうりだされる
    運命にあるものと見える。
    ── 山本 有三《路傍の石(新編)19470320 鱒書房》「あとがき」
    http://www7.ocn.ne.jp/~ta-ko/robo-no-isi.html
     「路傍の石」について ~ 映像で訴えるフューマニズム ~ 20070910
     
    <PRE>
     愛川 吾一 架空人物 18‥‥‥   東京 19‥‥‥ ? /《路傍の石》主人公
     
     片山 明彦   俳優 19261111 京都 東京 20141116 88 /籍=鹿児島 燁彦
    https://twitter.com/awalibrary/status/535670984272265216
    ── 田坂 具隆・監督《路傍の石 19380921 日活》小西 達三郎&蕪木 淳・助監督
     
     坂東 亀三郎 4 俳優 19430331 東京 /坂東 彦三郎8/籍=坂東 輝彦
    ── 原 研吉・監督《路傍の石 19550330 松竹大船》細谷 辰雄・製作/池田 忠雄・脚本
     
     太田 博之   俳優 19471125 静岡 /「小銭すし」創業 19860605 監禁強要容疑逮捕。
    ── 久松 静児・監督《路傍の石 19600515 東宝》滝村 和男・製作/新藤 兼人・脚本
     
     池田 秀一   俳優 19491202 東京 /声優、ナレーター/162cm,60kg [O]
    /戸田 恵子の前夫/玉川 砂記子と再婚
    ── 家城 巳代治・脚本監督《路傍の石 19640614 東映東京》本田 延三郎・企画/渡辺 洋... 続きを読む

  • 明治時代の生活がよくわかる。ある意味吾一のサクセスストーリーとも読める。ペンを折るところで、どうしてこういう小説が統制を受けなければならなかったのか、昭和初期の軍国主義の理不尽さを体験することができる。

  • 小学生向けの問題集にちらほらと載っていてそれの吾一がかわいかったので全部読んでみたんだけども、思ったより吾一おっきかったし、かわいかったのは序盤だけで、ずーっとふんだりけったりなだけやった。ふんだりけったりな話は好きなはずなんやけども、それが少年ていうだけで何でこんなに痛々しくなるのか。

    京造いいやつだな。次野先生もいい人やった。文学したい人間はああいうことが言えるのよね。

  • 艱難は汝を玉とす。

  • 2014年度 中学受験出題 第10位

  • 吾一の志に感服である。

  • いわゆる成長小説です。どんぞこの状況下で生きてきた少年の成長を描いた作品。すごくおもしろかったのですが、悲しいことに未完。理由は戦時中の校閲、戦後の校閲など言論の自由への制約から、書くことが出来なかったため。戦後再開をするのですが、もう筆者には「書けなかった」ということです。すごく残念です。
    人一人の人生とは、それぞれにドラマがあることを改めて感じます。

  • 「真実一路」も素晴らしい作品なのですが、読むたびに、この作品の主人公吾一のひたむきさに涙腺がゆるんでしまいます。
    才能があっても、努力していても報われない世の中の不条理に対する主人公の静かな叫び。
    こういう作品を読むにつけ、日本文学の素晴らしさを感じます。
    で、ご存知の方も多いと思いますが、この作品は未完です。
    昭和十五年に、著者が書くことをやめてしまいました。
    社会に対する憤りを感じながらも、ひたむきに生きる姿が、「社会主義的」「自由主義的」と批判されたことにたいする、著者の答えでした。
    文庫版では、著者の断筆宣言が掲載されています。
    ひとつの時代の政治と文学を語るに欠かせない作品だと思います。

    ちなみに、映画で吾一を演じているのは、あの赤い彗星です。
    DVDも出ていますので、ガンダムファンにもオススメです。

  • 吾一が出来すぎた子すぎて…父親に腹が立つ。

    how to live いかに生きるか

    でも吾一は結局は人間は1人だっていう考えにいたっていた。いかに生きるか、自分の一度しか無い人生をどう歩んでいくかを決めるのは結局は自分。

    その意味では、父親も周りがどうこう批難するものでもないかもしれない。

    いかに生きるって、飲んだくれても、女遊びしても、そう生きていこうって選択して、その人にとって輝かしいものなら何も言いようが無い。

    その人なりの考えた生き方なのかと。

  • 小学生の時親に無理やり読まされた。内容の記憶は断片的。ダリアの球根て毒なのね。

  • いわゆる教養小説である。

    実は未完の作品である。これくらいの作品でも検閲の網に引っかかったという。信じられん。

    立身出世的なストーリーは最近ではお目にかからないので、新鮮であった。

  • 親のせいで学校も行けずその後の生活もぐちゃぐちゃに・・・
    今も昔も日本はどうして父親がエラそうなんだろうか。

  • 数年前,三鷹の山本有三記念館に立ち寄る機会があり,それ以来,いつか読もうと思っていた本.やはり中学,高校生のうちに読みたかったというのが正直なところ.実際,子供の学校の推薦図書リストに入ったりしている.このような貧しさとほとんど無縁に育った世代がこの本を読んでどう思うのだろう..
    付録として掲載されている青年期の物語は,改訂されたあとの本編とはその目指すものが違ってしまっているようにも思われた.もしこの方向に進んでいくのなら,道徳の教科書か,自己啓発本になってしまったのではないか.そういう意味では未完で良かったのかもしれない.

  • 小学生の時に読んであまりいい印象がないので再読したい

  • 中途半端なところで一時中断、そして再開するも微妙なところで終わっているのが勿体無い。

    明治時代に生まれた少年の成長記です。時代的には日露戦争後?父親に振り回され奉公に出され、都会に出て身を立てる家主の娘といい雰囲気になるかな?と思ったらまた父親、またお前か!
    困難だらけの人生ですが、それでも上を目指していこうと頑張る吾一を見てると応援したくなります。

    そしてあんな父親いたら嫌だ...

  • 人間としていかに生きるか、といかにして生きるのか。世界共通の課題であろう。本書は、様々な人間模様が見えて大変面白い。正直にまっすぐ生きることが、果たして良いことなのか。いや、そもそも生きることとは何かを考える良い刺激になった。

  • 昔、小学校の時分に読んだ覚えがある。呉服屋に奉公に行くこと、鉄橋で度胸試しをすることなど、部分部分覚えている箇所もあったが、今読み返してみると、主人公の苦労は、単なる苦労どころの話ではなく、まさに生きるか死ぬかという崖っぷちの苦労であることに驚いた。こんな過酷な話だったのかと驚いた。
    なんとなく、人間は優しいのが当たり前だと思い込んでしまっているようなことがあるかもしれないが、それは違うと教えてくれる。
    人が社会で生きることは、生やさしいことではないのだと、教えてくれる良書だ。

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